「石本藤雄展ーマリメッコの花から陶の実へー」を巡る道後温泉の旅①

2018年11月9日
ヘルシンキのマリメッコで活躍ののち、アラビアで作陶を続けている石本藤雄氏。彼の故郷、愛媛県松山で12月16日まで行われる企画展「石本藤雄展ーマリメッコの花から陶の実へー」のプレビューに伺った。松山旅行も兼ねて、ぜひ訪れてほしいこの企画展は、来年には京都・細見美術館、東京・スパイラルでも開催予定だ。
企画展に合わせて来日した石本藤雄氏
 フィンランドを代表するライフスタイルブランド・マリメッコで、誰もが目にしたことのある数々の人気作品を世に送り出してきた、テキスタイルデザイナー/陶芸家の石本藤雄氏。 70年にフィンランドに移り、当時から自由なデザインで知られていたマリメッコに入社、32 年間にわたり活躍し、カイ・フランク賞、フィンランド獅子勲章を受章。現在も、アラビアのアート部門の一員として作陶に取り組んでいる。
 
 その石本氏の故郷が、道後温泉で知られる愛媛県松山市の近郊、障子山の麓に位置する愛媛県砥部町。現在、松山市にある愛媛県美術館で企画展「石本藤雄展ーマリメッコの花から陶の実へ」が開催中だ(12月16日まで)。
「ふるさとで作品を見てもらってラッキーだと思っています。自由に見ていただきたい」と、石本氏は故郷での開催を喜んでいた。

 この企画展では、400ほどの中から選んだというテキスタイルを、35本の筒にして設営しているエリアが面白い。「ひとつずつが主張せず、筒状にして展示することでイメージが生きてくるものもある」と話す石本氏。また、陶器作品を中心としたエリアでは「取り合わせの妙」として、愛媛県美術館コレクションと石本作品を合わせることで、新たな表情を見せている。例えば、三輪田米山「福禄寿」と、石本氏の、正月飾りの白い布の上に飾られた冬瓜に着目したという作品との取り合わせ。これは、奇しくも喜寿同士の作品となったという。

 石本氏の作品は期間中、砥部町文化会館にも展示されている。石本氏は現在ヘルシンキで、イギリスなどヨーロッパの土を使いアラビアの電気窯で作陶しているが、故郷である砥部町は奈良時代から砥石で知られ、そこに登り窯が3つあったのを記憶していると話した。
 青磁や白磁、日常使いの器として親しまれてきたのが砥部焼だ。砥部はまたみかんの名産地でもあり、作品にみかんのモチーフが多いのにも頷ける。この辺りは松の木を伐採してみかん畑にしてきたそうだ。
 彼は子供の頃、松林の松の葉の風にそよぐ音によく耳を傾けていた。そんなふうに、故郷でも、フィンランドでもいつも自然に囲まれて、創作を続けている。

  • 愛媛県美術館で12月16日まで
  • ”onni(ハッピー)”という作品のまえで
  • 貴重なスケッチも
  • 砥部のオオイヌノフグリがモチーフ
  • 福禄寿と冬瓜
  • エントランスにも作品が
  • 果実モチーフの皿
  • ギフトグッズも充実
  • 砥部町文化会館の展示
開催時期:10月27日(土)~12月16日(日)
会場1/愛媛県美術館
愛媛県松山市堀之内
TEL 089-932-0010
9時40分~18時(入館は17時30分まで)
休館日: 月曜日 ※11/5(月)、12/5(月)は閉館し、翌日火曜休館
観覧料:一般1200円・高大生700円・小中生300円(前売り券は各200円引き)
会場2/ 砥部町文化会館
愛媛県伊予郡砥部町宮内1410
TEL089-962-7000
9時~18時
休館日:10月31日(水)、11月30日(金)
入場無料

<同時開催>
茶玻瑠(ちゃはる):愛媛県松山市道後湯月町4-4 TEL 089-945-1321
MUSTAKIVI(ムスタキビ):愛媛県松山市大街道3-2-27TEL 089-993-7469

【京都展】
2019年春開催予定
細見美術館:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
【東京展】
2019年夏開催予定
スパイラル: 東京都港区南青山5-6-23 TEL 03-3498-1171

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