世界11カ国に展開するロブションさんのレストランの中でも、凱旋門のすぐそばにある代表的な店のトップとして45人の男性スタッフを率いるメラニーさん。彼女にとって、ロブションさんはまず「おばあちゃんと一緒に毎日見ていたテレビの人」。長じて料理の世界に進むようになってからは「フランス料理の神さまのような人」でした。
初めてその「神さま」に自分の料理を出したとき、鉄板で調理したヒラメの焼きかげんを微調整するために、ほんの少しだけ最後にサラマンダーで火入れしたことをしっかりと見抜かれ、「神さま」の感覚の鋭さに衝撃を受けたといいます。
そんなお話をうかがったあとにいただいた今回の料理の中に、キャビアとサーモンのタルタルがありました。これはヴェルサイユ宮殿でのディナーイベントでロブションさんが披露された取り合わせ。キャビアの食感と絶妙のコントラストをもたらすタルタルのシルキーななめらかさは、ロブションさんならでは。
そんなレジェンドともいえる料理の数々が、『ラトリエ』では彼を慕う料理人たちによって再現されているのです。