そもそも“足がつる”とは体に何が起こっている状態?足がつるメカニズムと原因【寝てるあいだに「足がつる!」】

約8割弱のアラフィー女性が、近年の間に「寝ている間に足がつった」経験が! そもそも「足がつる」とは体に何が起こっている状態?足がつってしまう、その原因は? 気になる「足がつる」のあれこれに、整形外科医の出沢先生がお答えします。 

筋肉が縮みすぎるのを止める、「センサー」の異常で足はつる

まず知っておきたいのが、足がつる仕組み。「筋肉には、過剰に伸びたり縮んだりしないようブレーキをかけるセンサーが備わっています。伸びすぎを防ぐのが筋繊維の中の筋紡錘(きんぼうすい)で、筋肉が引き伸ばされると縮めと指令を出します。一方、腱の中の腱紡錘(けんぼうすい)は、筋肉が縮みすぎると弛緩させる指令を出します。通常はこの筋紡錘と腱紡錘が働き、バランスをとっていますが、腱紡錘の働きが鈍くなると筋肉が収縮しつづけ、足がつってしまうのです」
足がつるメカニズム

腱紡錘

腱は筋肉が縮むと伸びる構造になっていて、腱の中の腱紡錘は筋肉が収縮して腱の伸びを感知すると、断裂を防ぐため、その情報を脊髄に送り筋肉を弛緩させる。この腱紡錘の働きが鈍って筋肉が異常に収縮すると“つる”。

筋紡錘

筋肉が伸ばされると筋紡錘はそれを感知し、筋肉が伸びすぎて断裂しないよう脊髄に情報を送り、筋肉に「縮め!」という指令を出す。

Q.どうして足が「つる」のですか?

「足がつる主な原因は電解質の異常です。電解質とはマグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなど水に溶けると電気を通すミネラルなどの物質で、神経が情報のやりとりをするときに使われます。特に筋肉の収縮の調節にかかわるのがマグネシウムとカルシウム。不足すると神経伝達に支障が生じ、腱紡錘の働きも鈍くなり足がつるのです。加齢や疲労、脱水、冷えなどによってもミネラルバランスはくずれ、同じ仕組みで足がつります」

Q.就寝中につるのはなぜ?

「寝ているときは腱紡錘の働きが低下しますが、筋肉が疲労していると筋紡錘も腱紡錘も過敏な状態になり、さらに誤作動を起こしやすくなります。それに加えて睡眠中は自然につま先が外側に伸びるため、ふくらはぎが少し縮んだ状態になるのもつりやすくなる原因。また、睡眠中は汗をかいてミネラルバランスがくずれやすいうえ、布団から足が出ていたりして足が冷えると、血流が滞って電解質が運ばれにくくなり、これも足がつる原因に」
足がつるメカニズ2

Q.加齢とともにつりやすくなる?

「加齢とともに睡眠時の足のつりは増える傾向が。理由は、加齢に伴って腱紡錘のセンサーが衰えることと、足の筋肉量が減るためです。筋肉量が減ると、血流が滞って電解質も運ばれにくくなり、また、ちょっとした日常動作でも足に負担がかかるので筋肉疲労が蓄積し、つりやすくなるのです。さらに加齢とともに、血行不良による冷えや、動脈硬化、病気などからくる神経障害などの要因も重なりやすいので、足がつることが増えるのです」
熱中症の前兆であることも

熱中症の前兆であることも。

夏は、特にご用心!

「熱中症は体に熱がたまり、体温が下がらなくなってさまざまな障害が起こる状態。通常は体に熱がたまると汗をかいて蒸発させて熱を外に逃します。でも水分が足りないと汗がかけないので熱を下げられず熱中症に。水分不足のときは電解質のバランスもくずれ、足がつりやすくなります。ですから足のつりは熱中症の初期症状の可能性も。水分とミネラルを補って予防を」
答えてくださったのは…

出沢 明先生

でざわ あきら●出沢明PEDセンター院長。帝京大学医学部附属溝口病院客員教授。腰の病気の内視鏡手術「PED」の第一人者。著書は『もう怖くない! 筋肉のつり こむらがえり』(唯学書房)。

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