五十肩はどんな治療をするの?【知っておきたい五十肩の真実】

お悩みのアラフィー女性も多い“五十肩”。実際になってしまったらどんな治療をするの? 治療中はどんなことに気をつけたらいい? 五十肩になってしまった場合の治療法と気をつけるべき点を、自身も五十肩を経験したという整形外科の先生に伺いました。 

痛いときはなるべく肩を動かさず、痛みが治まったら積極的に動かして

五十肩の治療や改善法は、“痛みがあるかないか”で判断する。

「痛みが強い炎症期は、肩をなるべく動かさず安静にすることが大切です。痛みがひどい場合は、痛みを抑える治療を受けましょう。痛みが治まる拘縮期になったら、今度は積極的に動かすようにして肩の可動域を広げたほうが、早く治ります」

痛みがあるときは…

痛みを抑える治療

・炎症を抑える内服薬

・痛み止めの注射

・電気・温熱療法
「痛みが強い炎症期には、整形外科では、炎症を抑える内服薬の処方や、痛み止めの注射、血流をよくするための電気・温熱治療などを行ったり、炎症を抑える湿布を処方する場合もあります。また、この時期はなるべく肩を動かさないほうがいいので、安静にするよう指示をします。これでしだいに症状が治まっていき、拘縮期に移ります」

痛みが治まってきたら…

運動療法!

「痛みが強い炎症期に肩を長く動かさないでいたことで、肩まわりの筋肉や靭帯などの組織が硬くなり関節の動きが悪くなっているので、拘縮期になったら運動療法を取り入れてなるべく肩を動かすほうが、回復は早まります。病院でリハビリ治療を受けることもできますし、振り子運動や肩伸ばしなどのような肩関節の動きをよくする体操は自宅でもできて効果的なので、無理のない範囲で続けましょう」

腕をブラブラ揺らすことで可動域を広げていく

【振り子運動】

振り子運動
痛みがあるほうの手にペットボトルなどの重り(1㎏程度のものが理想的)を持ち、反対側の手を椅子や机などに置いて体を支える。上体を少し倒して、全身を前後に大きく揺らしながら、その動きにつられるように腕を肩から振り子のように揺らす。腕を意識的に振るのではなく、肩と腕の力は抜き、上体の動きにつられるままに腕が動くイメージで行って。これを30回で1セット。朝、昼、晩と一日3セット行うのがおすすめ。

腰を落とす動きで肩関節を無理なく伸ばす

【肩伸ばし】

肩伸ばし1
1.椅子の背に背中を向け、一歩離れて立つ。肩が痛む側の手を背もたれに置き、反対側の足を一歩前に出す。
肩伸ばし2
2.次に膝を曲げてイラストのように腰を落とし、肩関節を伸ばす。上体はまっすぐのまま、反対側の肩が前に出ないように注意して2秒キープして戻る。これを10回で1セット。一日5セット~10セットを目標に。

五十肩になったらふだんどんなことに気をつければいい?

「痛みは体が冷えると強くなりやすく、逆に温まるとラクになりやすいのでお風呂に入って温めましょう。半身浴ではなく肩までつかるのがポイント。また服は、肩を上げなくても着られる前開きのものを選ぶと痛みが防げます。寝るときは痛むほうの肩が下にならないように気をつけましょう。高すぎる枕だと首が前に傾き、肩や首に負担をかけるのでラクな高さの枕を選んで」
半身浴ではなくお風呂は肩までつかる
半身浴ではなくお風呂は肩までつかる
肩を上げずに着られる前開きの服に
肩を上げずに着られる前開きの服に
教えてくれたのは…
医学博士 銅冶(どうや)英雄先生

医学博士 銅冶(どうや)英雄先生

お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。運動療法・靴・栄養療法を中心に体の痛みを根本的に治す医療を実践。

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