実は、カロリーヌさんは名家の令嬢で、シャトーも彼女の父が購入したもの。だが、なによりすばらしいのは、彼女のワイン造りに対する情熱と実力だろう。「ボルドー第3級」という名声を守るだけでなく、「もっと気軽にボルドーに親しんでほしい」と、この「マドモアゼル L」を誕生させ、伝統的で保守的なボルドーワインの世界に新風を送り込んでいる。
このワインには、きのこやごぼうなどを使ったすき焼きを。土っぽい香りと柔らかなタンニンが、しょうゆと最高の相性を楽しませてくれる。
一流シャトーのカジュアルラインは、品格があって、どこかのびやか。この“マドモアゼル感”は、余韻とともに長く心に残しておきたい。