後味にある甘苦いニュアンスも心に残る「ニーポート レドマ ホワイト」【飲むんだったら、イケてるワイン】

アプリコットやオレンジ、アーモンドの香りがつぎつぎと顔をのぞかせる「ニーポート レドマ ホワイト 2018」は、まるで“香りのタペストリー”のよう。後味にある甘苦いニュアンスも心に残り、「ポルトガルワインがこんなに魅力的だなんて!」と驚かされる。昔ながらの造り方で醸造される、ナチュラルな味と香りが魅力の一本をご紹介。

あなたがまだ知らない美しさに気づかせてくれる“白雪姫の鏡”

Niepoort(ニーポート レドマ ホワイト)

ニーポート レドマ ホワイト2018

ニーポート レドマ ホワイト2018
アプリコットやオレンジ、アーモンドの香りが次々と顔をのぞかせ、まるで“香りのタペストリー”のよう。後味にある甘苦いニュアンスも心に残り、「ポルトガルワインがこんなに魅力的だなんて!」と驚かされる。「ニーポート レドマ ホワイト 2018」。生まれはポートワインの生産地として有名なドウロ渓谷。ここはローマ時代からワイン造りがなされていた土地で、「ネクター(神々の酒)」が造られていたという伝説も残っている。造り手はポートワインの老舗「ニーポート」で、現当主のディルク・ヴァン・デル・ニーポート氏が「ドウロ渓谷でもおいしいワインが造れる!」と日々努力を重ね、ここ10年ほどで世界的名声を確立した。

実はこのワイン、ちょっと風変わり。昔から畑に自生している多種のブドウを一度に収穫し、そのまま醸造するという“混植・混醸”というスタイルなのだ。昔ながらの造り方ゆえ、素朴な味かと思いきや、予想以上に洗練されている。たとえるなら、“自身の美しさに気づいていないカントリーガール”だろうか。華やかではないけれど、そのナチュラルな味と香りに惹きつけられてしまう。

女性には誰しも自分では気づかない魅力がある。なのに、自信をもてないときも。そんな日にはこのワインを開けてみたい。きっと隠れた美しさを教えてくれる“白雪姫の鏡”になってくれると思うから。
ニーポート レドマ ホワイト
樹齢40~100年のラビガト、コデガ、ドンゼリーニョなどの在来品種をブレンド。アロマティックでまろやかな酸味。ドライフルーツやナッツと好相性。「レドマ」とは大切なものを入れるガラスケースのこと。750㎖ ¥3,200/木下インターナショナル
教えてくれたのは……
あんざい きみこ●ファッション誌やワイン誌で料理やワイン、旅、お取り寄せなど幅広く執筆。海外のレストランやワイナリー取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
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