保険を見直す前に知っておきたい「2つの前提」【アラフィー・保険の見直し】

実はアラフィーは、保険を見直すのにちょうどいい時期。上手に見直せばムダな出費がなくなり、お金にゆとりができるようになるはず。まずは見直す前に知っておきたい2つの前提を、ファイナンシャルプランナーの清水さんが解説します。

教えてくれたのは…

ファイナンシャルプランナー 清水 香さん

ファイナンシャルプランナー 清水 香さん

FP&社会福祉事務所OfficeShimizu代表、生活設計塾クルー取締役。社会福祉士。著書に『どんな災害でもお金とくらしを守る』(小学館クリエイティブ)ほか。

見直す前に知っておこう!まず、前提にあるのは、この2つ

1、より多くの“いざ”に、備えられるのは「貯蓄」

 

2、“人”のリスクに対応した充実の「公的制度」

より多くの“いざ”備えられるのは「貯蓄」

今払っている生命保険料、貯蓄にまわしたらけっこう貯められる!?

なんとなく毎月支払っている生命保険料。一世帯の年間当たりの平均額を見ると、50代はなんと約47万円! 1カ月当たりで考えると4万円足らずだが……。「これを30年間払い続けたら、1400万円以上もの大きなお金になります。本当に保険を続けるべきか、それとも貯蓄をしていったほうがいいのか、ぜひ一度考えてみてください」。
世帯の年間払込保険料平均額
世帯の年間払込保険料平均額
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」2018年

50歳から79歳まで、

年間平均額(約47万円)を支払ったら、

30年間で1410万円にも!

住宅購入資金や老後資金に影響も!?

損害や賠償に比べて“人”のリスクは「公的制度」が整っている!

損害や賠償に対する公的制度は少ないため、火災保険や自動車保険などに入る人がほとんどだけれど、実は“人”のリスクに対する公的制度は整っている。「そのため、必ずしも民間の保険が必要とはかぎりません。本当に自分に必要かをきちんと見極めましょう」

損害や賠償のリスクに対する公的制度はほぼなし!

《ケース》自動車事故で他人にけがを負わせた

公的制度→自賠責保険制度

民間保険→自動車保険(対人賠償)

 

《ケース》自動車事故で他人の物を壊した

公的制度→なし

民間保険→自動車保険(対物賠償)

 

《ケース》日常生活上で他人にけがなどの損害を与え、法律上の賠償責任を負った

公的制度→なし

民間保険→個人賠償責任保険

 

《ケース》自然災害で住まいに甚大な被害を受けた

公的制度→法律に基づく支援制度

民間保険→火災保険・地震保険

 

《ケース》火災そのほかの災害で個人財産に損害を受けた

公的制度→なし

民間保険→火災保険・車両保険(自動車保険)

“人”のリスクは「公的制度」が整っている

一方…

人のリスクに対する公的制度はほぼあり!

《ケース》生計維持者の死亡

公的制度→遺族年金

民間保険→生命保険

 

《ケース》障害者になる

公的制度→障害年金

民間保険→生命保険・傷害保険・介護保険

 

《ケース》病気やけがの入・通院

公的制度→健康保険

民間保険→医療保険・傷害保険

 

《ケース》年をとる

公的制度→老齢年金

民間保険→個人年金保険

 

《ケース》要介護状態

公的制度→公的介護保険

民間保険→民間介護保険

 

《ケース》ひき逃げ被害

公的制度→政府保障事業

民間保険→傷害保険・医療保険

 

《ケース》就業不能(会社員のみ保障)

公的制度→健康保険(傷病手当金)

民間保険→所得補償保険・就業不能保険

 

《ケース》失業する(会社員のみ保障)

公的制度→失業保険

民間保険→なし

 

《ケース》仕事上のけがや病気(会社員のみ保障)

公的制度→労災保険

民間保険→医療保険・傷害保険

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