【コロナ禍で急増!イラッとしたときの大人のマナー】怒りを上手に伝える4つの基本

イラッとしたとき伝えるべきは“怒り”そのものでなく、あなたからの“リクエスト”。言葉選びひとつで、相手の受け取り方は驚くほど柔軟に! 怒りを上手に伝えるポイントを、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんに教えていただきました。
日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介さん

日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介さん

怒りの感情と上手に向き合うためのトレーニング「アンガーマネジメント」をアメリカから導入した日本における第一人者。教育現場から企業まで、幅広く普及に努めている。

怒りを上手に伝える4つの基本

《Basic rule 1》過去を持ち出さない

怒るときは、“その場のこと”に集中。過去の話をいきなり持ち出すと、相手がうんざりするだけでなく、“今”怒っていることの本質がぼやけてしまう。怒り=リクエストと考え、“今”の要求を手短にピンポイントで。

×何度もいってるけど

×なんでいつもそうなの?

《Basic rule 2》相手を責めない

怒りは、相手を非難するために伝えるのではない。責めるような言葉は相手を追い詰め、こちらが怒っている本来の原因が伝わらなくなってしまう。相手がこれからどうすべきかを考えられるような問いかけに言い換えて。

×なんで?

×どうして?

《Basic rule 3》決めつけない

怒っていると、つい口走ってしまうのがこれらの言葉。「いつも」「必ず」とはいってみたものの、本当に100%ではないことも多いし、これらの言葉は相手の気持ちを逆なでするばかり。お互いが不快感を抱くだけになる。

×必ず/絶対

×いつもそうだよね

《Basic rule 4》程度言葉を使わない

怒りを伝えるのに大切なのは、具体性。「ちゃんと」「しっかり」など、尺度があなたの側にしかなく、しかもあいまいなものは相手に伝わるわけがない。「何を、いつ、どのように、どこまで」など、明確な尺度を共有して。

×ちゃんとしてよ

×しっかり/きちんと

イラッとしたときの「大人の会話のマナー」

相手が耳を傾けたくなる言葉を選ぶのがコツ

怒り、それは相手へのリクエスト。「なぜ怒ったのか?」を思い返せば、それはたいてい、「●●してほしかったのに、××された」から。例えば、夫がちっとも家事をしてくれないとき。ぷりぷり怒りながら、「ちょっと、いつまでもゴロゴロしないでよ!」とイヤミのひとつも吐きがち……。

「それでは、なんの解決にもならず、お互いの気分が害されて空気が悪くなるばかり。伝わったのは、“怒っている”というあなたのマイナスの感情だけです。肝心の『家事を手伝って』が全然伝わっていない。こういった場合は、『疲れているだろうけど、●●をしてもらえない?』など、相手がその状況でできそうなことを、具体的に伝えるのが正解です。

皆さん、『うちの夫や子供は、何度同じことをいっても、まったくいうことを聞いてくれない』とお怒りですが、それは、同じ事柄でも怒る、怒らないの一貫性がなかったり、オープンクエスチョンという漠然とした問いかけであったりなど、怒る側のテクニック不足も多いんです。

さらに主語を“私”にするのもポイント。人は怒ると、『あなたのせいで●●だ』など、主語を“あなた”にして考えがち。これは無意識のうちに、“あなた”という他者に自分の感情のコントロールを任せてしまっている状態。そこを『“私”はこう感じている』とするだけで、自分自身に感情のコントロール権が戻り、人の行動に振り回されてむだにイライラすることがなくなります」
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