「それでは、なんの解決にもならず、お互いの気分が害されて空気が悪くなるばかり。伝わったのは、“怒っている”というあなたのマイナスの感情だけです。肝心の『家事を手伝って』が全然伝わっていない。こういった場合は、『疲れているだろうけど、●●をしてもらえない?』など、相手がその状況でできそうなことを、具体的に伝えるのが正解です。
皆さん、『うちの夫や子供は、何度同じことをいっても、まったくいうことを聞いてくれない』とお怒りですが、それは、同じ事柄でも怒る、怒らないの一貫性がなかったり、オープンクエスチョンという漠然とした問いかけであったりなど、怒る側のテクニック不足も多いんです。
さらに主語を“私”にするのもポイント。人は怒ると、『あなたのせいで●●だ』など、主語を“あなた”にして考えがち。これは無意識のうちに、“あなた”という他者に自分の感情のコントロールを任せてしまっている状態。そこを『“私”はこう感じている』とするだけで、自分自身に感情のコントロール権が戻り、人の行動に振り回されてむだにイライラすることがなくなります」