-
何を準備しておけばいい?ホスピス医が「親の死の迎え方」に関する悩みに回答
これから訪れるであろう親の死への恐怖や不安、すでに世を去った親に対して抱く後悔、癒えない悲しみ。アンケートには、親の死にまつわるさまざまな悩みや疑問が寄せられた。それにアドバイスをしてくださったのは、緩和ケアに25年間従事し、これまで3500人以上の患者を看取ってきた小澤竹俊先生。今回は「親の死の迎え方」に関する悩みに回答。
「親の死」のショックはいつか癒える?“看取りの人”小澤竹俊先生が悩みに答える
ホスピス医 小澤竹俊先生
「どんな状況にあっても、幸福に、穏やかな最期を迎えることができるのだということを、この世を去っていった患者さんから学びました」そんな小澤先生の言葉が、沈んだ心に光を照らす一助になることを願って……。
Q.親の死のショックはいつか癒えますか?
母の死から20年がたちますが、「もっとしてあげられたことがあったのに」と後悔したり、亡くなったときのことを思い出して涙が止まらなくなったり。今も親の死を引きずっている自分に、われながらあきれています。時が解決するといいますが、癒える日はくるのでしょうか?(55歳・主婦)
A.いつの日か癒えるといいたい。心と心のつながりはずっと生きています。
まずお伝えしたいのは、大事な人を失って悲しむのは、極めて自然だということ。それが20年も前のことであろうと、です。特に、親との間に太い絆があればあるほど、その死による心のダメージは大きいもの。なので、悲しみ続ける自分を、おかしいとか、間違っているなどと責めないでください。
この悲しみが、いつか癒える日がくるのかという問いには、私は、「必ずきます」と答えたい。なぜなら、人と人は、心と心でつながることができるから。お母さんの人生を振り返り、その思いをつないでいく。まずは、そこから始めてみてはいかがでしょうか。
Q.大好きな母の死を受け入れられるのか心配……
母とはとても仲がよく、大好きで、かけがえのない存在です。なので、母がいずれ亡くなるのだと考えただけで、恐怖で胸がつぶれそうになります。今からこんな状況では、“その日”がきたとき、自分がどうなってしまうのか心配。親の死を、穏やかに受け入れられるようになりますか?(48歳・会社員)
A.年齢とともに衰弱するのは自然なことなのです。
大事な人と、少しでも長く一緒にいたい。そう思うのは当然ですから、「今からお別れの準備をしましょう」とは、とてもいえません。けれど、誰もがいつかは最期を迎えますし、体には年齢相応の衰えが起こります。お母さんのことが大好きなあなたにとっては、つらいことかもしれませんが、それは、大前提として知っておいていただきたいと思います。
そして、“その時”がきたとき、どうするか。お母さんの命をむりやり長らえさせよう、衰弱をくい止めようとすれば、かえって大事なお母さんを苦しめてしまうかもしれません。それよりも、お母さんの体の声に耳を傾け、自然の流れの中で、穏やかなお別れをしていただきたいと思います。
Q.父に穏やかな最期を迎えさせてあげられず後悔しています
父は生に執着するあまり、病気になった自分の運命を受け入れることができませんでした。「心臓に疾患があるから」と医師に断られても抗がん剤治療を熱望し、その副作用で呼吸困難に陥っても目を見開き、昏睡に陥る直前まで周囲に怒鳴り、暴れていました。鬼のような形相が今も目に焼きつき、トラウマになっています。病気が見つかったときはすでに末期だったので、治すことに躍起になるのではなく、がんと共存するかたちで痛みや恐怖を抑えた穏やかな最期を迎えさせてやればよかった……と後悔しています。(55歳・自由業)
A.穏やかな死=最高の最期ではありません。
病気と共存するよりも、最後の最後まで病気と闘い、突き進む。それこそが、お父さんの生き方であり、誇りある姿なのではないかという気がします。だとしたら、これは最高のお別れの仕方のひとつ。たとえ最期を怒りの表情で迎えたとしても、それがその人らしさならば、それもまた穏やかな死。お父さんはきっと満足だっただろうと思います。
もしも私がお父さんの担当医なら、「最後まで闘いたいんですね。その思いはどこからくるのでしょう」と、聞いてみたい。おそらく、「孫の成長を見たい」など、死ねない理由があったのだろうと思います。お父さんという人を、そんなふうに理解してあげることもできるのではないでしょうか。
Q.ひとり遺された母への寄り添い方
しっかり者だった父が亡くなり、実家には母ひとりになってしまいました。気落ちしている母にどう寄り添えばいいのか、アドバイスをお願いします。(48歳・パート)
A.お父さんならどんな言葉をかけるか……を考える。
穏やかになれる条件は、人それぞれ違います。何があれば笑顔になれ、自分らしくいられるのか。まずはお母さんの性格や生活などを踏まえ、考えてみましょう。それがイメージできたら、なるべくその状況になれるようにサポートを。おしゃべりが好きなら会話の機会を増やす、食べるのが好きならおいしいものを送る、といった具合です。
また、お父さんが、向こうからどんなメッセージをお母さんに伝えるだろうかということにも、思いを馳せていただきたいですね。「お父さんはこんな人だったよね。きっと、天国からお母さんに、こういっているんじゃないかな」。それが、「会いたい」という気持ちや寂しさを、お母さんにもたらすかもしれませんが、同時に絆の再確認になり、“今”を穏やかに生きる力になるだろうと思います。
-
母の死をゆっくり受け止め中。田村淳さんの「親との別れ方」
いつか必ずくる「親との別れ」。実際に経験された田村淳さんに、今振り返って思うこと、感じることを語っていただいた。
-
亡くなってから親との距離が縮まった。酒井順子さんの親との別れ方
アラフィー世代にとって、決して遠いものではない「親の死」。エッセイストの酒井順子さんは親との別れをどう受け止めたのか、自身の体験を語っていただいた。
What's New
-
【越川慎司さんがお答え】頼まれ事が多くて、自分の仕事が進まない!“身軽になれる”仕事のやり方Q&A
仕事で習慣化しているその“負担”、まだまだスリム化できるかも! Jマダムが日々感じているさまざまな仕事のお悩みを、会社経営者であり、作家として活躍する越川慎司さんが解決。
50代のお悩み
2025年12月25日
-
【平野ノラさんがお答え】親を傷つけずにモノを減らしていくコツは? “身軽になれる”モノの手放し方Q&A
ついついため込んでしまうモノ、まだまだスリム化できる! Jマダムが日々感じているさまざまな“重さ”や“負担”、「こんなケース、どうすればいいですか?」に、お笑いタレント・平野ノラさんが答えてくれました。
50代のお悩み
2025年12月24日
-
【作家・会社経営者 越川慎司さんインタビュー】「週休3日」の働き方を実現!がんばり方を変え、仕事も人生も50代からの進化を楽しもう
50代になると、立場的に仕事の負担も増える一方……。でも、考え方、向き合い方ひとつで、日常はもっと軽くなる。エキスパートたちの発想の転換術とは? 作家として、経営者として縦横無尽に活躍する越川慎司さんに、そのコツを教えてもらいました。
50代のお悩み
2025年12月23日
-
【お笑いタレント・平野ノラさんインタビュー】いらないモノを手放して、人生が好転。実践したことは?
「片づけは、心の棚卸し。自分を知るためのレッスンです」。いわゆる“汚部屋”の住人だった、お笑いタレント・平野ノラさんに、モノを手放し、人生を輝かせ続ける秘訣を伺いました。
50代のお悩み
2025年12月22日
-
タフで明るく、いつも軽やかな高尾美穂先生! 大人が身軽になる心得、教えてください
がんばって迎えたアラフィーの今、なぜか身も心も重い……。この重さ、いったいどこからくるの? そして、いつかは自由になれる? 多くの女性たちの心身を見守ってきた高尾美穂先生が答えます。
50代のお悩み
2025年12月21日
Magazine
-
大人の品格まとうシチズンの限定ウオッチ
シチズンから洗練されたデザインの限定ウオッチが新登場!
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
あの「アミコラ」に注目成分NMNがプラス
味がなく料理や飲み物に溶かすだけだから習慣にしやすい
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
年齢を重ねるごとに、自信がもてる肌へ!
無料お試しセットで、新生ドモホルンリンクルのお手入れを体験
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
クリスマスのお出かけスポットはここ!
映画「ハリー・ポッター」の世界に没入!大人も楽しめるアート体験
-
新しくなったドモホルンリンクルに注目
主力製品の[基本4点]が大きくリニューアル。その実力のは?
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
【韓国ドラマ】年末年始に観たい!絶対ハマる最新ドラマ12選
年末年始は、心ゆくまでドラマの世界に浸れる絶好のチャンス。2025年10月から配信された、胸を高鳴らせるラブロマンスやラブコメ、人生の機微を描くヒューマンドラマ、息を呑むサスペンス・ミステリーまで、多彩な…
-
年末のご挨拶に。気軽に渡せて「ありがとう」を伝える手頃な手土産10選
気軽に渡せて気の利いた品は、年末のご挨拶にぴったり。東京駅や銀座で手軽に買えるから、ちょっとしたお礼や職場への差し入れ、友人・知人への手渡しにも喜ばれる、センスのいいプチギフトをセレクト。
-
冬のおしゃれが華やぐ!上品で女性らしい「50代のボブへア」20選
冬の装いにそっと華を添えてくれるのが、上品で女性らしい「大人のボブヘア」。顔まわりを明るく見せるカラーや小顔に見えるカットなど似合う髪型が見つかる!
-
【50代 ファッション】防寒もおしゃれも叶える、気温10度の冬コーデ12選
気温10度前後の冬の日は、寒さ対策をしながらも上質な着こなしを楽しみたいものです。大人の女性にふさわしい、しなやかな素材と洗練されたシルエットで、華やぎを添える12のコーディネートをご紹介します。防寒と…
-
【おしゃれな50代愛用のアウター6選】寒さ対策だけでなくおしゃれさも◎!軽さとデザイン性が両立する一着
防寒対策に欠かせないアウター。ダウンジャケットやコートはこの冬も大活躍!今回はそんな冬アウターを使ったコーデをご紹介。おしゃれなアラフィー読者モデル エクラ華組・チームJマダムはどんなアウターを着てい…