「お茶は10年以上習ってるんですけど、去年からなるべくお稽古もきもので行こうと思って。お茶を習おうと思った理由のひとつに、きものを着る機会を増やしたいというのもありました」
青木さんが師事しているのは、裏千家茶道正教授の桜井宗幸先生。友人の紹介でこのお稽古場に通いはじめた。
桜井先生は凛としたたたずまいでありながら、朗らかな笑顔とユーモアに富んだ会話でいつも和やかな雰囲気。青木さんのお点前(てまえ)を見て的確にアドバイスをしていく。所作は見た目の美しさだけでなく心がこもっていることが大事。
「お稽古場では、季節感あふれるお軸やお花、道具などに触れられます。仕事柄、夏に秋冬ものを扱うなど、とかく季節が狂いがちなので、“今の季節”が実感できるのも魅力のひとつです」
この日、お稽古場の軸は滝、お点前に使った平茶碗に描かれていたのはなでしこ。偶然、青木さんのきものとおそろいだった。
「茶道には日本の文化がつまっています。茶道の“道”は、自分の人生をより豊かにしていくための道。日本文化を見直す機会にもなり、無限の可能性を秘めています」(桜井先生)