アラフィー世代必見!歴史的名作舞台『野鴨-Vidanden-』藤ヶ谷太輔の突き抜けた演技が凄い!

シェイクスピア以後、世界で最も盛んに上演されてきた劇作家と言われ、近代演劇の父と称されるノルウェーのヘンリック・イプセン。彼が1884年に発表した珠玉の名作『野鴨』がこの秋、世田谷パブリックシアターで上演される。主演は大人の女性にも大人気の藤ヶ谷太輔。生のお芝居を観る機会が減っていたここ数年、訪れる秋とともに、時代を経て受け継がれた名作を観に行っていかが?
秋の虫の歌声が聞こえ始じめ芸術が恋しくなる、そんな季節にぜひおすすめな舞台『野鴨-Vidanden-』。大人の女性にこそ観て感じてもらいたい珠玉の名作だ。

<右から>藤ヶ谷太輔、浅野和之、忍成修吾 「野鴨-Vidanden-」プレスコールより(C)集英社
<右から>藤ヶ谷太輔、浅野和之、忍成修吾 「野鴨-Vidanden-」プレスコールより(C)集英社
『野鴨』は、シェイクスピア以後、世界で最も上演されてきたノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが1884年に発表した珠玉の名作。「真実が人を幸せにするのか」「人間はどれだけ真実に耐えうるのか」――-そんな命題とともに、この偉大な作品に挑戦するのはKis-My-Ft2藤ヶ谷太輔。近年『そして僕は途方に暮れる』では普通の青年が孤独と絶望を経験していく難役に挑み、ミュージカル『ドン・ジュアン』で圧倒的な色気と華やかさ歌唱力を魅せ、確実に俳優としての実力を広げ、深めていっている。戯曲の面白さを最大限に引き出す演出家・上村聡史の演出、名バイプレイヤー浅野和之の出演など、現代人の私達の心につきささる古典だけれど新しい名作舞台誕生の予感がする。
今回、都内で行われたプレスコール及び記者会見、その様子を抜粋してご紹介する。

記者会見は、主演で豪商ヴェルレの息子役グレーゲルス役の藤ヶ谷太輔、
グレーゲルスの幼馴染・ヤルマールは、これまれ数多くの映画・ドラマで個性的な役柄を怪演して評判を呼んだ忍成修吾、豪商ヴェルレと関係のあった過去を持つヤルマールの妻・ギーナは、ドラマ・部隊で活躍し3度目の上村演出を受ける前田亜季、そして今は落ちぶれてしまったヤルマールの父・エクダル老人を、数多くの話題作で鮮烈な印象を与えている名バイプレーヤー・浅野和之が登壇した。
初日、舞台への意気込みは?
藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」プレスコールより(C)集英社
藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」プレスコールより(C)集英社
藤ヶ谷:世田谷パブリックシアターという劇場もそうですし、イプセンという作者も、そして演出の上村さんも・・
すべて初めてのことばかりで、自分の中で挑戦している気持ちと、
挑戦させていただく環境があることが有り難いなという思いもあります。
この作品は名作ということで一見難しく感じられるかもしれませんが、
お客様にもしっかり観て感じていただけると思います。
そのためには私達が繊細なお芝居をお届けしなければならないな、と。
どきどきと興奮と怖さと、今いろいろな感情が入り混じっています。頑張ります!

<右から>浅野和之、藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季 「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社
<右から>浅野和之、藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季 「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社
浅野:上村さんのいい台本ともの凄くいい演出で。非常にきめの細かい演出をされる方で、今回も時間をかなり取っていただいて、テーブル稽古からしっかりやってきました。通し稽古も普段はこんなに出来ないというくらいたくさんやりましたので、非常によい、質の高いお芝居になっていると思っていますので、ぜひご覧ください。

忍成:野鴨は本当におもしろいお話だな、と思っていて。共演者の皆さんのお芝居も凄く、素晴らしい作品にできあがっています。僕も客席から見てみたかったな(笑)、というくらい素敵な舞台になっているのでぜひ観に来てください。

前田:今日はありがとうございます。まずは稽古から初日を迎えられることが奇跡だな、
と思っております。140年前にイプセンが書いた物語なのですが、本当に今に通じる
はっとさせられる台詞だったり物語ですので、観てくださる方も何か感じていただけたらと思っております。

かなり正義感が強い役でしたが、共感できるところはりましたか
藤ヶ谷:自分自身にとっては正義感を振りかざすタイプは、上位に入るくらい苦手なのですが(笑)。ただきっと自分にも無意識に正義感を振りかざしている部分があるだろうな、と
そんな風に考えました。演じていて難しいですけれど、愉しいです。
役柄で周囲で参考にした方はいますか
ノーコメントで(笑)。テーブル稽古は初めてだったのですが、1週間くらいやらせていただいて。台本1冊を自分の役だけでなく、書かれていないところまで、とにかくみんなで話し合いました。年齢差はどうか、久しぶりに会ったシーンだったら、その前はどこにいたのか、どこで会ったのか。歴史のことも上村さんに教えていただきながら。そういう中で 
自分の役を自分で作ったというより、皆様の意見を聞き咀嚼しながら
一緒にひとりひとりのキャラクターを作れていくという初めての体験でした。とても愉しかったです。

藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社
藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社
テーブル稽古から発見はありましたか?
演出家・上村さんからひとつひとつの台詞を「今、どんな気持ちでおしゃっているんですか?」と尋ねられるんですけれど。しっかり答えるところと、あ、そこつかれたな、と思うところと
いろいろありました。本当に深く、深く台本を理解したうえで、表現しなければならない。改めて台本の大切を感じました。
会話劇ということで、お互いコミュニケーションを取ってきたと思いますが。
共演者のみなさんの藤ヶ谷さんの印象は?
忍成:さすがだな!凄いな!と。僕は稽古場では台本をみているか怒られていかで、あまり余裕がなかったのですが、藤ヶ谷さんの稽古の様子を見ていると、とても美しいというか色気というか。普段座って皆で雑談しているときは笑顔で可愛いのに、舞台に立った瞬間全くオーラが違って。凄く色っぽいですね。第一印象は圧倒されました。お芝居を重ねるごとにコミュニケーションが取れるなと感じるようになったので、とても勘が鋭い方なんだなだと思いました。

前田:稽古場では真面目で凄く真剣に取り組まれていて。ダメ出しで
あるシーンで色気が漏れすぎていて、ここはちょっと押さえて、と言われていました(笑)。

浅野:確かに色気はある。彼しか観てないんじゃないんですか、お客さん。
本当に勘がよくって、台詞の飲み込みも早いし。色気はね、憎たらしいですけど(笑い)。
お芝居は抜けているというよりは、突き抜けている。本当に。二人でやる芝居が主軸になるので、じっくりご覧ください。
そのシーンは、色気を抑えたバージョンで本番の舞台で観られるのでしょうか?
藤ヶ谷:ありましたね。演出家上村さんに色気を押さえてくれと言われ、それは嬉しいことですが、自分でコントロールできるものじゃないので(笑)。色気を出している意識は全くないです! そういう作品じゃないので!稽古場で色気を出して来たら「何しに来ているんだ」って感じですよね。(笑)僕の役は、美しさも出していかなければいけないキャラクターなので、そういうところに活かせていけたらと思っています。
普段の色気が100としたら、この舞台では何割くらいですか?
藤ヶ谷:結構落とすと思います。普段が100としたら20くらい。それでも皆さんにはきっと届くと思うので(笑)

浅野:調子に乗るな(笑)!
お稽古は長く渡ってやられたのですか?大変な思いもされたのでは
浅野:最近の舞台は1週間本読みするのはあまりないのですが、この作品はしっかりきめ細かく演出も台本の読み取りをやったので、作品や役がしっかり根付いている。凄く安心して舞台に立てますね。

藤ヶ谷:10分間休憩の場合は、上村さんのダメ出しを台本に書くのと、おにぎりを食べて、次のシーンの確認するので10分終わっていました。それで一日も終わるという感じ。共演者の方々となかなか雑談の時間もなかったのですが、その分、役としてのコミュニケーションは濃密にできたんじゃないかな。
<右から>忍成修吾 藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」プレスコール(c)集英社
<右から>忍成修吾 藤ヶ谷太輔「野鴨-Vidanden-」プレスコール(c)集英社
独特の世界観で緊張する時間が続いていたと思いますが、オンとオフの切り替えや気分転換は?
藤ヶ谷:久しぶりに車に乗ってひとりで海へ行きました。稽古場でずっと室内にいるので、グループでやる収録も基本スタジオだったので、ちょっと開放されたいな、と思って。車中で舞台の音声を聞いていましたが。結局休めてないですね(笑)。夏休み期間だったので、海辺で若者がきゃっきゃしていて海へ入りたいな、と思いましたが、そこはぐっと堪えて。でも気分転換できました。
今回挑戦するこの『野鴨』という作品に出会えて感じたことは
藤ヶ谷:表現するということをやり続けたいと思っています。いろいろな作品や演出家の方と出会うことで、自分を変えていただきたいですし、自分も新たな一面を見てみたいとずっと思っています。おこがましいですが、キスマイのファンの方が舞台を観たときに「演劇っておもしろいな」とか、僕が出ているからとかではなく「劇場行ってみようかな」「この演出家や演者の方の作品を観てみようかな」など、演劇そのものが拡がったらいいですし。逆に演劇業界の方にも「藤ヶ谷っていう人はキスマイのメンバーなんだ」とグループを知っていただく機会になればいいとです。いろいろな拡がりを信じて、失敗することもあるかもしれませんが、挑戦し続けていたいと思います。
<右から>浅野和之、藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季 「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社
<右から>浅野和之、藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季 「野鴨-Vidanden-」記者会見より(C)集英社

『野鴨-Vidanden-』

作:ヘンリック・イプセン 訳:原 千代海

演出:上村聡史

出演:藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季、八幡みゆき、大鷹明良、浅野和之

東京公演:2022年9月3日(土)~18日(日)世田谷パブリックシアター

兵庫公演:2022年9月21日(水)~25日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

料金(全席指定・税込) S席\11,000 A席\9,000

世田谷パブリックシアターオンラインチケット(要事前登録・24時間受付)

https://setagaya-pt.jp/

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