【江口洋介さんインタビュー】タフさと、人間味。年齢を重ねて熟すものをさらに表現できるように

8月1日から公開されている劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』に出演している江口洋介さん。これまで医師役を多く演じていた江口さんに本作での役どころと、撮影で心がけてたことなどについて聞いてみた。
江口洋介

情に厚い内科医。敏腕のクールな外科医。『白い巨塔』『救命病棟24時』シリーズで江口洋介さんが演じてきた医師像は、今でも胸に焼きついている。名医の”帰還”を目撃するのが、公開中の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』。オペ室を搭載したERカーで救命医療に勤しむ医療チームの活躍を描いた人気シリーズの最新作では、鈴木亮平さん演じる医師・喜多見が沖縄、鹿児島の離島地域を管轄する南海MERに派遣され、江口さん扮するチーフドクター候補の救命医・牧志と出会うのだが……。
「あれ?って感じでしょ(笑)。登場シーンでは、のんびり釣りなんかしているし。牧志は『平和がいちばん』が口癖の、病気もケガもなく健康であることを至上とする医師。彼が属する南海MERも、最初はポンコツチームなんです」

 が、出動範囲とするある島が突如噴火に見舞われ、平穏な日常は一変。チーム一同が対処に追われる中で、一見、事なかれ主義にも映る牧志が心に秘めていた、つらい過去のできごとが明らかになる。

「背負ったトラウマは非常に重いものだけれど、喜多見やチームの皆とともに人を助けることで、心が再生されていく……その中で、命を救って熱くなるだけではない、彼の平和主義の意味が改めて浮かび上がってきます。牧志のような、タフでありながら人間味を備えた人物は、若いころにはあまりやれなかった役かもしれません。ヒーローや強い男を演じていたのが、ある時点から父親役など、守り、支える側になっていく。年齢を重ねて熟すものや実っていくもの、それらを表現できる役は、これからますますやりたくなってくるんじゃないかと思いますね」

 人気シリーズへの参加でチームの作品愛に触れ、「人の気持ちをわしづかみにするのは、つくり手の熱意」であると改めて実感した江口さん。一方、若手に交じって激しいアクションシーンに挑める気力、体力を維持するには、鍛えるよりも「抜く」技術が必要だという。

「ジムで重いものをあげるような過剰なトレーニングはせず、なるべく楽に、が今のやり方。ランニングしたりストレッチをしたりと、あくまで自然体で。力を抜けば、視野も広がりますから」

 そして50代の今、なにより大事にしているのは、その日の疲れを残さないこと。

「例えば、集中する撮影があった日には、軽く走ってフィジカルな刺激を与えて、脳と体のバランスをとる。疲れをためたまま寝ると次の日の寝覚めも悪いので、いかにぐっすり眠ってリカバリーできるか……海の近くにいたら、サーフィンすれば一発なんだけどね(笑)。昨日のことは昨日のこと、いつでも今日が一番だから、どれだけフレッシュにいられるかを心がけています」

江口 洋介

江口 洋介

えぐち ようすけ●’68年、東京生まれ。’80年代後半より数々の人気作に出演。最近の出演作に映画『大きな玉ねぎの下で』、ドラマ『誰かがこの町で』など。音楽活動も再開し、’24年、26年ぶりにアルバム『RIDE ON!』をリリース。現在、連続ドラマ『誘拐の日』(テレビ朝日系火曜21:00〜)に出演中。9月26日には最新出演映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』が公開される。

劇場版『TOKYO MER ~走る緊急救命室~南海ミッション』

劇場版『TOKYO MER ~走る緊急救命室~南海ミッション』
Ⓒ2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会

「ひとりの死者も出さない」それが、MERの変わらぬ使命。劇場版第2作は、最先端の医療ドラマでありながら「戦隊もののようなメンバーの個性と結束も魅力」と江口さん。鈴木亮平、江口洋介、高杉真宙、生見愛瑠、宮澤エマ、菜々緒ほか出演。8月1日より公開。

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