「この部屋、好きだな〜」
旅行の多い和央さんが自宅に戻ったときに、しみじみそう思えるという。そしてご主人も「ここはいい住まいだね」と。和央さんが作曲家でミュージカルの脚本家でもあるフランク・ワイルドホーン氏と結婚し、ニューヨークに住むようになって2年。住まいは「心地よくありたい」と願ってインテリア・デザイナーに依頼し、新婚早々から理想の住まいを目ざして内装をデザインした。最初に考えたのは「明るい住まい。人が訪ねてきてハッピーになれる住まい」。まず窓からの自然光が部屋にたっぷり注がれるように、あえてカーテンはつけなかった。そしてこだわったのがブルーを基調にしたインテリア。
「私と彼の共通点は水が好きなこと。彼はニューヨークだったら川沿いに住みたい人。私は海が好きで、ブルーという色も好き。ブルーに囲まれると心地いいので、インテリアもブルーを基調にしたらどうかしら?と。すごくいい感じになったと思います」
和央さんがブルーという色の魅力に強く惹かれるようになったきっかけは、宝塚の舞台に立つようになって5年ほどたったときに始めたダイビング。根っからの研究熱心が高じて、四六時中舞台のことばかり考えて頭が休まらない日常。そんな中で、海に潜り、海水の中で光によってさまざまに変化するブルーの世界にいるときだけは、舞台のことを忘れられ、落ち着いて物事が考えられる……、だんだんと、そんな自分に気づいていったのだという。
「私にとってブルーは心を沈静化させてくれる色。落ち着きを与えてくれてリラックスさせてくれるだけでなく、集中力も高めてくれる色なのです」
色のほかにもうひとつ、「ニューヨークに住まうこと」で考えたのは、トラディショナルな家具や調度品でインテリアを完成させることだった。