’02年に俳優として本格的にドラマデビューし、当時はヨンさま(ペ・ヨンジュン)似と言われたこともあったらしく、つまりは正統派イケメン枠なのですが、確かに端正な顔立ちはイケメンと言われればイケメンだし、そうでもないと言われればそうでもないとも思えるし。誠実そうにも見えるけど、なんだかチャラそうに見えなくもない。いったい彼は、真面目なのかおどけているのか、熱いのかクールなのか、優しいのか冷徹なのか。そういえば、K-POP第4世代の人気ボーイズグループENHYPEN(エンハイプン)を輩出したサバイバルオーディション番組「I-LAND」のMCを担当していたのもこの方でしたが、どうやっても人柄がダダ洩れてしまうMCをやってさえも、その人となりが全然見えてこなかったなあ、彼。
最新作が超話題。安定感抜群!の視聴率男、韓国俳優ナムグン・ミン【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビvol.28】
エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回はこれまで多くのドラマに主演し唯一無二の存在感を醸し出してきた、韓ドラファンなら誰もが知る名優、ナムグン・ミンをピックアップ!
大いに笑わせ泣かせてくる痛快ドラマ「わずか1000ウォンの弁護士」
主演ドラマは途切れることなく、多彩な役柄を演じ分ける“縦横無尽ぶり”
主役を張る俳優の中でも一番捉えどころがないというか、不思議というか、その人となりがなかなか想像し難いというか……。私からするとそんな立ち位置なのがこのお方。ちなみに姓は「ナム」ではなく「ナムグン」です。
’02年に俳優として本格的にドラマデビューし、当時はヨンさま(ペ・ヨンジュン)似と言われたこともあったらしく、つまりは正統派イケメン枠なのですが、確かに端正な顔立ちはイケメンと言われればイケメンだし、そうでもないと言われればそうでもないとも思えるし。誠実そうにも見えるけど、なんだかチャラそうに見えなくもない。いったい彼は、真面目なのかおどけているのか、熱いのかクールなのか、優しいのか冷徹なのか。そういえば、K-POP第4世代の人気ボーイズグループENHYPEN(エンハイプン)を輩出したサバイバルオーディション番組「I-LAND」のMCを担当していたのもこの方でしたが、どうやっても人柄がダダ洩れてしまうMCをやってさえも、その人となりが全然見えてこなかったなあ、彼。
’02年に俳優として本格的にドラマデビューし、当時はヨンさま(ペ・ヨンジュン)似と言われたこともあったらしく、つまりは正統派イケメン枠なのですが、確かに端正な顔立ちはイケメンと言われればイケメンだし、そうでもないと言われればそうでもないとも思えるし。誠実そうにも見えるけど、なんだかチャラそうに見えなくもない。いったい彼は、真面目なのかおどけているのか、熱いのかクールなのか、優しいのか冷徹なのか。そういえば、K-POP第4世代の人気ボーイズグループENHYPEN(エンハイプン)を輩出したサバイバルオーディション番組「I-LAND」のMCを担当していたのもこの方でしたが、どうやっても人柄がダダ洩れてしまうMCをやってさえも、その人となりが全然見えてこなかったなあ、彼。
少なくともここ10年は、毎年途切れることなくドラマに主演し、多いときでは年に3作品もこなすという超多忙ぶり。しかも概して視聴率上々。もちろん、役柄も多彩で、ある時はピンハネ常習の天才会計士、ある時は恋愛の神様と言われるモテ男、ある時は復讐に燃える刑務所医師、ある時は大胆なチーム改革に挑むゼネラルマネージャー、ある時は国家情報院所属のエリート要員というように、ベタなコメディを飄々と演じたかと思えば、重厚サスペンスで超シリアスに迫り、軽めのロマンティックコメディをサラリとこなした後で、胸熱ヒューマン系で泣かせるといった縦横無尽ぶり。
といっても、全身憑依型のカメレオン俳優といった感じではなく、綿密な計算の上に周到に役づくりしているという体でして、緻密で正確無比なその演技っぷりは、生粋の職人肌か? いやいや、その表面をパカッと割れば、出てくるのは精密コンピューターかもしれません(ウソです)。
といっても、全身憑依型のカメレオン俳優といった感じではなく、綿密な計算の上に周到に役づくりしているという体でして、緻密で正確無比なその演技っぷりは、生粋の職人肌か? いやいや、その表面をパカッと割れば、出てくるのは精密コンピューターかもしれません(ウソです)。
受任料が超格安1000ウォン(約100円)の弁護士が問題を次々に解決!
で、そんな捉えどころのないナムグン・ミンの全てを凝集したようなキャラクターとなるのが彼の最新作「わずか1000ウォンの弁護士」なのです。タイトルにも謳われている1000ウォンというのは、ナムグン・ミン扮する弁護士チョン・ジフンが弁護を引き受ける際の受任料の額。1000ウォンと言えば、日本円でわずか100円。ちょっと、ちょっとぉ、マジですか? それとも人をおちょくっているの?と思わずツッコミたくなる超格安値段。そんな庶民の味方的値段設定にも関わらず、ジフンの出で立ちと言えば、かっこつけパーマヘアにチェック柄の上質スーツ。おまけにハイブランド風サングラスまでかけちゃって、こりゃあやっぱり完全におちょくっている?
ということで、その真偽を確かめるべく、まずは、ドラマオープニングのミニエピソードを覗いてみましょうか。場所はソウルの漢江(ハンガン)大橋。風態さえない40代の男性が投身騒動を起こしている場面から始まります。そこに、西部劇のクライマックスばりの音楽をバックに現れるのが、そう、ナムグン・ミン演じるチョン・ジフン。
実はこの40代男、生活苦によりヤミ金で借りた3000万ウォンがいつの間にか1億ウォンに膨れ上がり、ヤクザまがいのチンピラたちにその返済を迫られて、このままでは家族にまで害が及ぶと切羽詰まって橋に登ったという経緯が。で、橋に登る寸前に逃げ込んだ共同トイレで受任料1000ウォンという貼り紙を見かけ、藁にもすがる思いでジフンに電話を入れていた──。
早速、依頼人の問題解決に乗り出したジフン。その解決策がこれまた飄々とユニーク。依頼人のために交渉すべきヤミ金を訪ねるのですが、偶然にもそこに検察がガサ入れ、間髪入れずにジフンはヤミ金の弁護も引き受けるわけです。そして、法の隙間をついて検察に何もさせずに退散させてしまうという、あっという間のお手並みを披露。さらに、自分を雇ったヤミ金には高額弁護料を請求し、40代男の借金を返済、かつ、おつりまでたんまりとせしめて、全てめでたしめでたし、という具合。やっぱりおちょくられている? でも、なんか痛快。
早速、依頼人の問題解決に乗り出したジフン。その解決策がこれまた飄々とユニーク。依頼人のために交渉すべきヤミ金を訪ねるのですが、偶然にもそこに検察がガサ入れ、間髪入れずにジフンはヤミ金の弁護も引き受けるわけです。そして、法の隙間をついて検察に何もさせずに退散させてしまうという、あっという間のお手並みを披露。さらに、自分を雇ったヤミ金には高額弁護料を請求し、40代男の借金を返済、かつ、おつりまでたんまりとせしめて、全てめでたしめでたし、という具合。やっぱりおちょくられている? でも、なんか痛快。
そんないい人なのか冗談なのかこれまた捉えどころなき飄々としたジフンなのでありますが、彼が弁護を担当するのは、例えば、スリの濡れ衣を着せられた家族思いの元スリ師や、会社役員のパワハラ住人に車両破損の言いがかりを迫られた初老の警備員などなど、弁護料を払えない、あるいは全ての弁護士に断られた、いつも泣き寝入りしかない弱者が中心。しかも案件の全ては、依頼者が勝利するにはあまりにも不利な条件ばかりが揃っている……。
なのに、勝利しちゃうんですよ、ジフンは。思いもよらないカードを次々と繰り出して。え?そんなことまであり?なんていう反則スレスレの思わず唖然としてしまうカードも多々。そんな、まるでおふざけのように悪を手玉に取る、胸すく展開&ジフンの推理は、疲れた大人のストレスを一気に発散させてくれる爽快感満々。となると、変わり者弁護士が繰り広げる軽〜く観られる痛快リーガルヒューマンコメディか、と思いきや、いえいえ、それだけで終わらないのがナムグン・ミンのナムグン・ミンたる所以。問題は受任料の1000ウォン。
「罪を犯した者は、相応の罪を償わなければならない」の言葉が響く、胸アツ展開
なぜ、ジフンは1000ウォンという超破格値で弁護を引き受けるのか。その理由が解き明かされる6話終盤から8話までのド・シリアスバージョンのナムグン・ミンが圧巻。そこで描かれるのはジフンを絶望の淵へと追い込んだ壮絶なる2つの殺人事件。
ドラマ終盤は、その事件の真犯人に迫っていく現在のジフンが描かれていくのですが、シリアスに描かれていた過去のタッチを再び一転させ、コミカルバージョンへスイッチ。その軽重&緩急切り返しのセンスの良さにも感服。そして、復讐に燃えながら、単なる復讐に終わらせないジフンの深淵なる思いが胸にジーンと熱く。「罪を犯した者は、相応の罪を償わなければならない」。一貫した信念を内に秘めながら飄々とふるまうジフンが導くクライマックスが本当に痛快です。
ドラマ終盤は、その事件の真犯人に迫っていく現在のジフンが描かれていくのですが、シリアスに描かれていた過去のタッチを再び一転させ、コミカルバージョンへスイッチ。その軽重&緩急切り返しのセンスの良さにも感服。そして、復讐に燃えながら、単なる復讐に終わらせないジフンの深淵なる思いが胸にジーンと熱く。「罪を犯した者は、相応の罪を償わなければならない」。一貫した信念を内に秘めながら飄々とふるまうジフンが導くクライマックスが本当に痛快です。
そして、もう一つ。脇を固める配役がこれまた素晴らしすぎで、ジフンの事務所で不本意にも研修することになった、実はセレブなマリ(キム・ジウン)と事務長(パク・ジヌ)はもちろん、ジフンの同僚検事でマリに思いを寄せているソ・ミンヒョク(チェ・デフン=今、私的に一番注目している俳優さん)をはじめ、ジフンにやり込められちゃう訴訟相手まで、出演する全てのキャラクターが愛らしく、大いに笑わせて、泣かせてくれます。もちろん、周到演技派ナムグン・ミンとの相性も絶品。
そういえば、ナムグン・ミン様は最近めでたくご結婚なさいましたが、そのインスタグラムでアップされた結婚式の写真はもうご覧になりましたか? それはそれは、人柄全開で、幸せいっぱい、思いっきりの笑顔。精密コンピューターなんて言って、チョンマルミアネヨ(本当にごめんなさい)。
■ディズニープラス スターにて独占配信中
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こちらも見逃せない!ナムグン・ミンの魅力を堪能できる傑作選!
「キム課長とソ理事~Bravo! Your life~」
コミカル破天荒バージョンのナムグン・ミンを堪能したいならやっぱりコレ。彼が演じるのはピンハネが得意の会計士キム課長。地方のナイトクラブで大胆な脱税会計&ピンハネを繰り返し、何度も検察に連行されながらも絶対尻尾を出さない会計術は天才肌。その彼がソウルの大手企業で、なにやら経営に問題を抱えている大手企業TQグループの経理課長として転職したことから物語が展開します。がっぽりピンハネしようと意欲満々なキム課長なのだけど、ふとしたアクシデントから“聖人”としてヒーローに祭り上げられ、事態は思わぬ方向へ……。
ということで、自分の意思とは裏腹に、次第に会社の不正と闘っていくハメになっていくお調子者のキム課長をナムグン・ミンが軽妙にコミカルに生き生きと演じるという次第。TQグループでは冷遇されている経理課の個性豊かなメンバーと次第に絆で結ばれていく展開にも魅せられるのですが、一番の見どころは、ソウル地検の会計犯罪の敏腕検事からTQグループの財務理事に引き抜かれてきたソ理事との対決。このソ理事を演じるのが今俳優としてノリに乗っている2PMジュノ。実はこの作品、ジュノが俳優として高く評価された最初の作品でもあります。ということで、権力はないが、ずる賢さでは誰にも負けないナムグン・ミンのキム課長vs若きクールなエリートソ理事の勝った負けたの数々の応酬がワクワクものなのですね。で、敵対しながらも、なぜかいつしか互いが気になっていくという微妙かつ熱いブロマンスも展開されて。ちなみに、'17年のKBS演技大賞ではこのコンビがなんとベストカップル賞を獲得。一見の価値あり、と思うのですが、いかが。
■U-NEXTにて配信中
ということで、自分の意思とは裏腹に、次第に会社の不正と闘っていくハメになっていくお調子者のキム課長をナムグン・ミンが軽妙にコミカルに生き生きと演じるという次第。TQグループでは冷遇されている経理課の個性豊かなメンバーと次第に絆で結ばれていく展開にも魅せられるのですが、一番の見どころは、ソウル地検の会計犯罪の敏腕検事からTQグループの財務理事に引き抜かれてきたソ理事との対決。このソ理事を演じるのが今俳優としてノリに乗っている2PMジュノ。実はこの作品、ジュノが俳優として高く評価された最初の作品でもあります。ということで、権力はないが、ずる賢さでは誰にも負けないナムグン・ミンのキム課長vs若きクールなエリートソ理事の勝った負けたの数々の応酬がワクワクものなのですね。で、敵対しながらも、なぜかいつしか互いが気になっていくという微妙かつ熱いブロマンスも展開されて。ちなみに、'17年のKBS演技大賞ではこのコンビがなんとベストカップル賞を獲得。一見の価値あり、と思うのですが、いかが。
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「ドクタープリズナー」
シリアスバージョンのナムグン・ミンを思う存分味わうならこちらがおすすめ。舞台となるのは西ソウル刑務所。実はこの刑務所、財閥テガングループの息がかかっており、不正や差別が横行しているのですが、そのドクタープリズナー(刑務所医師)ナ・イジェに扮するのがナムグン・ミンというわけです。実は、このイジェ、患者を救うことを第一に考える誠実&優秀な救急外科医としてテガン大学病院に勤務していたのだけれど、テガングループの次期会長候補イ・ジェファンの悪質極まる狂気的なトラブルに巻き込まれ、病院を追われて全てを失ってしまったという過去が。ということで、つまりは復讐もの。心優しき誠実なひとりの医師が、一転、冷徹に悪を陥れるダークヒーローとなってテガングループ相手に闘い抜いていくのです。
そのダークヒーロー医師、イジェの前に最初に立ちはだかるのが、刑務所に君臨する医療課長のミンシク(演じるのはあの「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」でパワハラ親父を演じていたキム・ビョンチョル)。これがなかなかの凄絶キャラで、'19年のKBS演技大賞では助演男優賞を受賞するほどの熱演。さらに、テガングループ総括本部長(チェ・ウォニョン=同じくKBS演技大賞ではミニシリーズ部門の優秀演技賞を獲得)や、医務官、刑務官、受刑者たちなどなど、誰が味方で誰が敵なのか二転三転していくスリリング過ぎる展開。韓国では初回から最終話までずっと同時間帯の視聴率1位を獲得するほどの話題作に。緊迫感ある頭脳戦の応酬とスピード感あふれるストーリー運びは一気見必至です。
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そのダークヒーロー医師、イジェの前に最初に立ちはだかるのが、刑務所に君臨する医療課長のミンシク(演じるのはあの「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」でパワハラ親父を演じていたキム・ビョンチョル)。これがなかなかの凄絶キャラで、'19年のKBS演技大賞では助演男優賞を受賞するほどの熱演。さらに、テガングループ総括本部長(チェ・ウォニョン=同じくKBS演技大賞ではミニシリーズ部門の優秀演技賞を獲得)や、医務官、刑務官、受刑者たちなどなど、誰が味方で誰が敵なのか二転三転していくスリリング過ぎる展開。韓国では初回から最終話までずっと同時間帯の視聴率1位を獲得するほどの話題作に。緊迫感ある頭脳戦の応酬とスピード感あふれるストーリー運びは一気見必至です。
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山崎敦子
旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。
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