人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。今回はパク・ヒョンシク×パク・シネ主演『ドクタースランプ』から、落ち込んだ時に心がふっと軽くなるワンフレーズをピックアップ。
『ドクタースランプ』
Netflixシリーズ「ドクタースランプ」独占配信中
名作ドラマ『相続者たち』以来、約10年ぶりにパク・ヒョンシクとパク・シネが共演。高校時代は成績1位をめぐり火花を散らしていた2人が人生どん底で再会し、互いの光となって共に再生していくヒーリングロマンス。
あらすじ
美容外科医として華々しいキャリアを築いていたヨ・ジョンウ(写真右:パク・ヒョンシク)は、ある出来事をきっかけにどん底に叩き落とされる。一方、麻酔科医として激務をこなすナム・ハヌル(写真左:パク・シネ)だが、ある日突然、倒れてしまう。思いがけない再会を果たした、高校時代のライバル同士。医師として前途有望だったもののスランプに陥ってしまったふたりは、やがて互いの存在に癒しを感じるようになり……。
このフレーズに注目!
「 우리 쓰러진 김에 좀 쉬자」(この機会にちょっと休んでみよう)
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“ドクタースランプ”と聞いて、鳥山明氏の漫画を思い浮かべたという方も多いのではないでしょうか。痛快なギャグの連続と、キュートなアラレちゃんが印象的でしたよね。
今回紹介する韓国ドラマ『ドクタースランプ』は、同じタイトルではありますが、視聴者の背中を優しくさすってくれるような癒しを与えてくれる作品。こちらは、文字通りスランプに陥ったドクター2人のドラマです。
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本題に入る前に。大人になって再会した2人が立ち直っていく様子が一番の見どころではありますが、“子役なし”の高校時代の回想シーンも見逃せないポイント。
おふたりとも「何か罪を犯しているような感じだった」(パク・ヒョンシク)、「制服のシーンが長くて大丈夫だろうかと心配だった」(パク・シネ)と制作発表会で語っていたそうですが、制服姿は違和感を覚えるどころか、現役かと思うほどの眩しさ。
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ジョンウとハヌルの成績争いはギャグ要素も含まれていて、特にメラメラと闘志を燃やすジョンウ(パク・ヒョンシク)のコメディ演技が見物です。
「頑張れ」よりも心に響くエール
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両親とも心臓外科医という医者一家に生まれたジョンウは生まれつき頭がよく、親が整えた最高の環境下で勉強し、国内最難関の名門大学を卒業。容姿も人柄も、医者としての実力もピカイチで、売れっ子美容整形外科医として順風満帆な生活を送っていました。
しかしある日、手術中に患者が死亡する不可解な医療事故が発生。多額の賠償金を背負わされたジョンウは家や車を売り払い、屋根裏部屋に引っ越します。地位や信頼を失っただけでなく、ジョンウは医療事故のトラウマからPTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまうのでした。
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ハヌルはジョンウと同じく天才肌でありながら、学生時代は生活のすべてを勉強に捧げた努力家タイプ。大学受験のために釜山からソウルに引っ越し、ジョンウの高校に転入してきたのでした。
麻酔科医になってからも仕事に心血を注いできましたが、激務やパワハラによって徐々に心がすり減り、バーンアウト(燃え尽き)症候群としてうつ病と診断されます。前だけを見て走ってきたため、退職しても休み方がわからないハヌル。そんな彼女が家族と暮らす自宅の屋根裏部屋に新しい住人がやってくるのですが……。
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入居者と家主として予期せず14年ぶりに再会したジョンウとハヌルは、かつてのライバル関係から思い出と痛みを共有できる“友達”にステップアップ。
第3話では、勉強に没頭しすぎて学生時代に10代らしい遊びをしてこなかったハヌルを、ジョンウが遊びに連れ出して元気づける様子が描かれます。
トッポギを食べて、ゲームセンターで遊び、カラオケで盛り上がる。スランプになって人生で初めて友達らしい友達(ジョンウ)ができて、世間一般的な遊びを経験したハヌルは、勉強と仕事しか知らない人生を「バカみたい」と振り返るのでした。
そんなハヌルに「この機会にちょっと休んでみよう」と言葉をかけるジョンウ。韓国語のセリフは「 우리 쓰러진 김에 좀 쉬자」=「俺たち、倒れたついでに少し休もう」。日本語字幕とほぼ同じ意味なのですが、元のセリフの絶妙なニュアンスを感じていただきたい!
韓国は『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』などからもわかるように激しい受験戦争で知られ、「生まれた瞬間から競争が始まる」などと言われることも。その中でも熾烈を極める医大→医師のコースを駆け抜けてきたジョンウとハヌルにとって、休むことがどれほど難しく怖いことか。「頑張れ」と言いたくなるところを「せっかくだから休もう」と言ったジョンウにグッときます。
それから、「우리(ウリ)」=「俺たち」と寄り添ってくれるところもいい。このシーン、ハヌルもしっかり心を射抜かれております。
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ちなみに、このセリフに至るまでのやり取りもとってもよくて。
ハヌル「私はどうしてこんなにバカみたいに生きてきたんだろう?」
ジョンウ「一生懸命に生きたんだろ」
ハヌル「ただのバカ者」
ジョンウ「最善を尽くして生きてきたんだろ」
これを卓球のラリーのようにポンポンと返すんですよ、ジョンウが。本心じゃないと出ないスピード感。いがみ合っていた学生時代からずっと、ジョンウはハヌルのことを意識していたことが伝わってきて、2人の関係が本格的に展開していくことを期待させるワンシーンです。
頑張っているからこそ挫折もする。その時は、焦らずに休んでもいいということを、自分にも他人にも言えるように、心にメモしておきたいです。
K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。
この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライター・轟友貴が、独自の視点でお届けします。