人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。今回は、俳優としても大活躍のジュノ(2PM)が主演を務めるNetflix『テプン商事』から、多くの視聴者を胸キュンさせたキスシーンのセリフに注目。
『テプン商事』
Netflixシリーズ「テプン商事」独占配信中
本作の舞台は、IMF危機(アジア通貨危機)に揺れる1997年の韓国。『二十五、二十一』『財閥家の末息子~Reborn Rich~』、映画『国家が破産する日』など数々の韓国作品で描かれてきた激動の時代を背景に、『キング・ザ・ランド』『赤い袖先』などをヒットに導いたジュノが、倒産寸前の貿易会社の社長になってしまった主人公を熱演。
あらすじ
1997年の通貨危機のさなか、経営難の会社を父親から引き継ぐことになった自由奔放なテプン(ジュノ)。大人としての生き方を学びながら、向こう見ずだった青年が新米社長へと成長していく。
このフレーズに注目!
「아니 난 기록보다 추억이야. 」(でも、俺は記録より思い出だ)
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本作は、ジュノ演じる社会経験ゼロの新米社長テプンが、父が残した会社とその社員を守るために奮闘するヒューマンドラマ。1990年代後半を背景にしており、ダイヤル式電話、地下鉄の紙きっぷ、ポケベルなど、懐かしのアイテムがたくさん登場するレトロな世界観に、第1話から心をつかまれてしまいました。
ナイトクラブを遊び歩き、「テプン商事」を率いる父親カン・ジニョン(ソン・ドンイル)を失望させていたテプン。しかし実は、尊敬する父に認めてもらうために内緒でガーデニングに勤しんで国産第1号のバラを開発したり、幼い頃から毎朝欠かさずジニョンの革靴を磨いたりと、根は誠実で愛情深い青年なのです。このギャップは沼落ちせずにはいられません。
心に傷を抱えて生きる若者を演じた『ただ愛する仲』、シリアスな演技が話題を呼んだ『自白』、ラブコメでも『キング・ザ・ランド』では“笑わない御曹司”を演じるなど、これまでクールな役が多かったジュノ。金メッシュ&2連ピアスの“チャラ男キャラ”は新鮮であると同時に、人情に厚く茶目っ気のあるテプンは普段のジュノとも通ずるものがあるな、とも感じたのですが、Hottest(2PMのファン名)のみなさまはどうご覧になりましたか?
「名セリフ誕生」と話題を呼んだ初キスシーン
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なにせ約200万人が失業したと言われるIMF危機ですから、テプン商事再建の道のりは信じていた人に裏切られ、宿敵に会社を乗っ取られそうになるなど、困難の連続。それでも誠実さを失わず、社員と力を合わせて壁を乗り越えていくテプンの姿に胸が熱くなります。
テプンの成長ストーリーと同じくらいグッとくるのが、右腕的存在となる経理担当のオ・ミソンとの恋模様。直感派のテプンと論理的なミソンは衝突しながらも、やがて互いを意識するようになっていきます。
ミソンを見つめるテプンのやさしい眼差しや率直な愛の告白など、「ロコ(ロマンス・コメディ)キング」と名高いジュノの甘い演技も堪能できる本作。なかでも、必見なのが第10話で描かれる初キスシーンです。
出張先のタイで同僚が巨額の賄賂事件の濡れ衣を着せられてしまい、ピンチに陥ったテプン商事。しかし、フィルムカメラで忙しなく出張記録を残していたミソンの写真が無実を証明する決め手となり、なんとか難を逃れるのでした。
その夜、倒産寸前の頃から支えてくれるミソンに、テプンは感謝の気持ちを伝えます。2人の感情はピークに達するも、ミソンは「自分の仕事をしただけです」「記憶より記録なので」と、あと一歩が踏み出せません。そんな彼女に、テプンは「아니 난 기록보다 추억이야. (でも、俺は記録より思い出だ)」と囁いてキスをします。お互いの気持ちを確かめ合うような優しいキスに、視聴者から「胸キュンが止まらない」と反響が相次ぎました。
なかでも、「아니 난 기록보다 추억이야. (でも、俺は記録より思い出だ)」というセリフは、「ジュノの新しい名セリフが生まれた」と大きな話題に。というのも、記憶は「기억(キオク)」、記録は「기록(キロク)」、思い出は「추억(チュオク)」と韻が踏まれており、詩的な表現がときめきを加速させているのです(『ク』は『ッ』の発音に近い)。「추억(思い出)」はそのまま漢字に訳すと「追憶」になるので、韻を踏んだリズムを感じていただけるはず。
第7回で取り上げた『恋慕』にも「忠心(チュンシム)ではなく恋心(ヨンシム)」というセリフがありましたが、同じ響きを繰り返す粋な言い回しが上手なのも韓国ドラマの魅力ですよね。
ミソンを演じるのは、『Pachinko パチンコ』で一躍注目を集めたキム・ミンハ。繊細で自然体な演技はもちろんのこと、チャームポイントのそばかすを活かしたナチュラルなヘアメイクや当時の流行を再現したレトロなファッションもかわいくて、テプン沼と同じくらい、ミソン沼にもハマってしまうはず。
テプン商事の再建、そして、テプンとミソンのロマンスの行方をぜひ見届けてください。
K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。
この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライター・轟友貴が、独自の視点でお届けします。