【吉沢 亮さんインタビュー】力を抜いて、自然体のまま王になっていく

現在大ヒット上映中の映画『キングダム 魂の決戦』。吉沢 亮さんは、のちに秦の始皇帝として中華統一を果たす若き王・嬴政(えいせい)役で出演している。演技の際に心がけていることや、演じるうえでのモチベーションについて聞いた。

 【吉沢 亮さんインタビュー】力を抜いて、自然体のまま王になっていく 黒いシャツを着た男性のポートレート。黒髪で、やや憂いを帯びた表情をしている。背景はクリーム色。

20代から30代へ。誰にとっても、人生の歩みの中で最も変化が激しいといえる日々を、俳優・吉沢亮さんは映画『キングダム』シリーズとともに過ごしてきた。

第1作の公開は’19年。戦災孤児で武将としての出世を目ざす信 (しん)[山﨑賢人]と運命的に出会い、のちに秦の始皇帝として中華統一を果たす若き王・嬴政(えいせい)に扮し、続編3作も含めてそれぞれ大ヒット。現在上映中の第5作『キングダム 魂の決戦』で、再び熱気渦巻く壮大な物語世界へ帰還する。

「最初の作品を撮影したのは8年前。5作品に続けて参加させていただけているのが、なによりありがたいことだと思っています。ひとつの役をこれだけ長く演じるのも初めてですし、フィクションではありますが、毎回毎回、壮絶な合戦を皆で一丸となって乗り越えながら、成長させてもらっているんだなと」

今作で描かれるのは、原作コミックで人気の高い「合従軍(がっしょうぐん)編」。古代中国における天下分け目の大合戦で、歴史的英雄たちが鎬(しのぎ)を削る。秦を代表する武将たちの上に君臨する国王・嬴政の姿からは、すでに大王の風格が漂うが、熱い死闘が繰り広げられる物語の中にいながら「逆に力を抜くことを意識した」と振り返る。

「どうやったら王らしく見えるかを考えながら力を入れて演じてきましたが、今回は無理に威厳を出そうとせず、自然体でいることを心がけていました。俳優としての成長?……というのは自分ではなかなかわかりにくいですが(笑)、これまでよりも落ち着いて演じられたのは確かです。嬴政自身、さまざまな人との出会いと別れを通して学んでいるはずですし、そんな彼が僕の中でも、より心の深いところに落ちてきた実感もあるので」

戦いが激しさを増すほどに、国王として問われるのは「なぜ戦うのか」。豊川悦司さん、玉木宏さん、髙嶋政宏さん、佐藤浩市さんほかベテラン勢が演じる重臣たちに取り巻かれる環境で、改めて「この作品の中で存在すること自体、ハードルが高いことを実感した」と吉沢さん。しかし、そのことが逆に演じるモチベーションにもつながっているという。

「国の存亡がかかった大事な局面だからこそ、どっしり構えて冷静でいる。先輩がたの重厚なたたずまいを身近に感じながら、そうしたことを大事にしようと思いました。俳優としてさらに力をつけなければ置いていかれる、そんなシリーズに参加できていることは、大きな喜びです」

今作には、嬴政を慕う宮女・向(こう) [蒔田彩珠(まきたあじゅ)]が登場。役の人間的な深まりを追いかける日々は、まだまだ続きそうだ。

「向かい合うだけで自然と笑顔になれる感覚は、今までの嬴政にはなかったもの。シリーズも新章に入り、また違った表情をお見せできていると思います」

映画『キングダム 魂の決戦』

映画『キングダム 魂の決戦』。中央に鎧を身につけた男性が剣を構え、背景には激しい戦闘シーンと多数の人物が配置されている。全体的にオレンジと青の色彩で、活気に満ちた印象。

ⓒ原泰久/集英社 ⓒ2026映画「キングダム」製作委員会

中華統一を目ざす秦に合従軍が侵攻し、国家存亡の危機に。山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、山田裕貴、豊川悦司、小栗旬など続投組に加えて、志尊淳、神尾楓珠、坂口憲二ほか新キャストが多数登場。全国東宝系にて上映中。

吉沢 亮
吉沢 亮
吉沢 亮

よしざわ りょう●’94年、東京生まれ。’09年に俳優デビュー。’19年公開の映画『キングダム』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。’21年、NHK大河ドラマ『青天を衝け』に主演。’25年の『国宝』で毎日映画コンクール主演俳優賞、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか受賞多数。8/23まで、EX THEATER ARIAKEにてミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』に出演。

photography:Shintaro Oki hair&make-up:Manami Kiuch(i OTIE) styling:Kyu(Yolken) text:Michiko Otani ※エクラ2026年9月号掲載

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