「実家じまい」とあわせて知りたい!「親の住み替え先の選び方」3つのポイント
「実家じまい」にあわせて知りたいことを、「シニアの暮らし 研究所」所長の岡本弘子さんに聞いた。今回は、実家じまいのあとの、親の住み替え先の選び方について。
さまざまな事態を想定し、仮説を立て、計画しておく
「親世代は体力や思考力など個人差が大きいですし、元気なうちに住み替えを希望する人もいれば、できるだけ住み慣れた家で暮らしたいと考える人もいます。そうした自分たちの事情や状況に合わせた“住み替え”を考えることが大切です」と、岡本さん。
親がいつ、どうなるかは、誰にも予想できない。だからこそ、「親がひとりになったら」「介護が必要になったら」「リフォームが必要になったら」など、さまざまな事態を想定し、どう対処するか仮説を立て、計画することが、住み替え成功のカギになる。
「介護が必要になった場合のパターンを複数用意されるご家族もいらっしゃいます。もしかしたら、“その時”がきたときに別の選択をするかもしれませんが、少なくてもある程度計画をしておけば、慌てることなく行動に移せるのではないでしょうか」

Point1 住み替え先は「親の体と精神状態」「地域性」「予算」で判断を
最適な住み替え先を見つけるポイントは、「親の状況」「地域性」「予算」の3つ。「まずは、親の心身がどういう状況にあるかを客観的にチェックしましょう。まだまだひとりで暮らせそうか、介護認定が視野に入ってきたかによって、介護サービスつきか否か、どの程度のサービスが必要かなどが判断できます」
シニアは順応性が乏しくなる傾向があるため、地域性も重要に。今の住まいや子供の家の近く、地縁があるところなど、親がなじみやすいエリアを選ぶと安心だ。予算は、初期費用だけでなく、ランニングコストも考えるのが得策。
「そのうえで、食事、サービス、環境など、親の嗜好に合ったところに絞り込みを。施設が“よいか悪いか”ではなく、親が望む生活をイメージし、“合うか合わないか”で判断してください」
Point2 費用は「100歳まで生きる」と仮定して試算すると安心
住み替えにあたって、避けて通れないのが「使える老後資金の額」。何歳まで生きるかによるものの、その予測は不可能。そこで岡本さんが提案するのが、余裕をもって、平均寿命より長めの100歳と仮定すること。
「それを前提に、年金を含む毎月の収入と預貯金や不動産などの資産をできるだけ正確に洗い出し、住居費を含む支出額の試算をしてください。すると、いつごろから、いくらの予算で、どんなところに住み替えられるかの目安が出ます。なお、この試算は一度して終わりにせず、5年ごとなど定期的に行うようにしましょう」
介護つき施設への住み替えは、80歳前後が多いものの、一般的には介護サービスの充実度と費用は比例する。老後資金が乏しいようなら、住み替えの時期を先延ばしにするのも一案だ。
Point3 「老後資金が乏しい親」でも入居できる施設はある
要介護度が高い人向けだけでなく、元気なシニアやちょっとしたサポートでOKな人向けなど、高齢者向けの住居は多種多様に。とはいえ、ネックになるのが費用の問題。老後資金が乏しい場合、どうすればいい?
「要介護度が上がると介護保険でカバーできることが増え、支出が抑えられます。なので、できるだけ長く現在のお住まいで生活し、要介護度が上がったら高齢者施設に入居するつもりで今から準備してはいかがでしょうか。数は多くありませんが、年金が少ない人や生活保護受給者が入居できる施設もあります」
その代表格は特別養護老人ホーム。また、民間が運営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の中にも、低収入者向けの料金を設定しているところがあるのでリサーチを。
高齢者向け住居の種類
シニア向け分譲マンション
【特徴】娯楽施設を備え、食事提供等のサービスを受けられる分譲マンション。介護サービスは外部業者利用が多いが、在宅介護事業所併設もある。購入費用は数千万円~数億円、管理費や食事代などで月10万~40万円程度。売却、賃貸、相続も可能。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
【特徴】高齢者向けのサービスがついた賃貸住宅。自立型と要介護型があり、介護サービスは外部や併設事業所を利用する。敷金として家賃の数カ月分を納め、月々の生活費は、家賃・管理費・共益費・水道光熱費+食事代などで20万円~100万円程度。
住宅型有料老人ホーム
【特徴】自立型と要介護型があり、介護サービスが必要になった場合は外部や併設業者と契約することになる。入居一時金は0~5000万円程度、月々の利用料は10万~100万円程度。
介護付き有料老人ホーム
【特徴】自立型と要介護型があり、介護を受ける場合は、ホームに常駐するスタッフから24時間介護サービスが提供される。入居一時金は0~数千万円と幅があり、月額利用料は20万~100万円程度。
特別養護老人ホーム
【特徴】地方自治体や社会福祉法人などが運営し、介護や療養上のケアが受けられる公共的施設。基本は要介護3~5が対象だが、状況によっては要介護1~2の人も入居できる。月々の費用は本人の収入や要介護度によって異なり、数万円~十数万円程度。

「シニアの暮らし 研究所」所長 岡本弘子さん
おかもと ひろこ●有料老人ホーム等の紹介センターで1万件以上の入居相談に対応し、’09年、「シニアの暮らし研究所」創設。有料老人ホーム・高齢者住宅選びの専門家として、メディアや講演など幅広く活動。
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