俳優・鈴木亮平さんインタビュー《前編》最新作で演じた主人公との共通点とは?

演じる役の振り幅が大きすぎて、いつも私たちは驚かされてばかり。最新作は主演した人気ドラマの劇場版で、演じる主人公は本人そっくりといううわさも。乗りに乗っている俳優・鈴木亮平の仕事に懸ける思い、人生に立ち向かう信念を聞いてみた。

誰かのためにがんばっているすべての人に捧げたい

この男、油断できない。もちろん、いい意味で。最近の出演作だけでも、映画『孤狼の血 LEVEL2』で見た人全員がビビる凶暴な男を演じたと思えば、『エゴイスト』ではゲイの男性を繊細に、魂をこめて演じた。そして社会派TVドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』ではヒロインの元カレ・斎藤を演じ、視聴者からは“鈴木亮平ってこんなにセクシーだった!?”と大きな反響が。振り幅、大きすぎ。

「そう、かもしれないですね(笑)。僕は不器用なりにも、ちゃんと役に向き合いたいので、かなり前から準備して、その人間がなぜ、そういう人物になったのかを自分なりに納得して演じています。できているかどうか、わかりませんが(笑)」

笑顔の鈴木亮平さん

そして4月公開の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。演じる医師の喜多見幸太は、どんな状況でもあきらめずに患者を助けようとする、熱い男。医師や看護師チームとともにオペ室搭載の大型車両で被災現場に赴き、救命医療に体を張って奔走する。優秀で頼りがいのあるリーダーは、まさに原点回帰のハマり役。鈴木さんの人柄やイメージを盛り込んで、〈あてがき〉された役らしい。

「喜多見と僕に共通項があるとすれば、問題が起きたときの戦い方でしょうね。僕は人とぶつかるのが得意じゃないので、勢いや強気で押しきることはしないんです。剛じゃなく柔で、みんなが最終的に納得してくれるのを待ちます」


でも、相手のいいなりにはならない。「ですね(笑)。喜多見も、相手に突っ込まれるとにっこり笑って『ですねー』とその場をやりすごす。そこ、似てるかもしれません」

力や権威を使わず、相手を尊重し寄り添い、自分の行動で示して共感を待つ。新しいリーダー像がそこにある。

「最初に取り組んだとき、本作は医療従事者に捧げたいと思いました。災害とかコロナとか、続いているので。あの方たちは本物のヒーローです。でもやっているうちに、だけじゃない、と。毎日、誰かのためにがんばって生きている人は、ほかにもたくさんいる。親の介護をされているかた、子育てに明け暮れているかた、自分じゃない誰かのために力をつくしているすべてのかたに、捧げたい。そう思うようになりました」

(インタビュー後編へ続く)

鈴木亮平さんバストアップ
すずき りょうへい●’83年、兵庫県生まれ。2006年に俳優デビュー後、’14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインの夫役を演じ、脚光を浴びる。以降、映画『孤狼の血 LEVEL2』、大河ドラマ『西郷どん』、ドラマ『レンアイ漫画家』『エルピス─希望、あるいは災い─』など、出演作が途切れない。’24年公開予定のNetflix映画『シティーハンター』で主演を務める。

Information

劇場版『TOKYO MER』〜走る緊急救命室〜

オペ室搭載の大型車両で、事故や災害現場に駆けつける救命医療チームの活躍を描いたテレビドラマが映画化。横浜のランドマークタワーで大規模な爆発事故が発生。都知事直轄の救命医療チーム「TOKYO MER」のチーフドクター・喜多見(鈴木)は、いち早く現場へ向かおうと主張するが、厚生労働大臣が新設した「YOKOHAMA MER」の鴨居チーフ(杏)が真逆の意見をぶつけ対立。そんな中、地上70階に取り残された193名の中に、喜多見と再婚した千晶(仲里依紗)がいることが判明。爆破が連鎖し、混乱で重傷者が続出する絶望的な状況の中、喜多見は取り残された人々の、そして千晶の命を救えるのか。4月28日(金)より全国公開。

シャツ¥33,000(サバイ)/HEMT PR

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