グルメな50代に絶対おすすめ!美食最前線・富山への旅【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#25】

北陸ならではの日本酒、お魚はもちろん、素敵なワイナリーや、通が集まるレストラン…「最近グルマンが目指すのは、富山」なのだそう。その噂を聞きつけ、友人と話題の富山を旅してきました。
ウェブエクラ編集長 シオヤ

ウェブエクラ編集長 シオヤ

50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
富山駅
 この春、エクラ編集部では二人の編集部員が、偶然それぞれプライベートで富山旅行に行ってきました。うち一人は、私シオヤです。たまたま友人が「宿泊もできる素敵なワイナリーの予約が取れた!」と誘ってくれたため「行く行く!」と旅のプランにのったのですが、そもそもエクラの編集会議で「いま、とってもアツいんです!」とグルメ担当が推していたのが、富山。ワクワクしながら、グルマン達から熱い視線が注がれている富山への旅を計画しました。
富山県氷見市にあるワイナリー「セイズファーム」の看板
1日目。この日の目的地は「セイズファーム」です! セイズファームは富山県氷見市にあるワイナリー。2007年に開業し、ブドウ畑に醸造施設、レストランに宿泊棟もあります。セイズファームのワインは、シオヤの周りのワインラバーたちにも大人気。ある日そのうちの一人が「1日1棟貸し切りの宿泊棟の予約が取れた!」と嬉しい連絡をくれました。とても美味しいレストランも併設されていて、ワインラバーたち憧れの場所なのだそう。

その日がくるのを指折り数えて待ち、着いたその日は快晴! 氷見の丘の上のセイズファームは、緑がキラキラと輝いておりました。
富山県のワイナリー「セイズファーム」のショップやレストランがある建物
チェックインのため、ショップやレストランがある棟へ。ショップでは、セイズファームで作られているワインをはじめ、ジャムやはちみつ、またおしゃれな雑貨なども販売されているので、訪れるだけでも楽しいと思います。
  • 富山県のワイナリー「セイズファーム」のテラスカフェ

  • 富山県のワイナリー「セイズファーム」のワイン

外にはテラスカフェもあります。まだまだ日の高いうちから飲むワインの美味しさったら(笑)!この日は友人たち総勢6名で伺ったのですが、みな笑顔がこぼれまくります。グラスワインをいただきましたが、軽食やスイーツもあるようです。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の宿泊棟のリビング
富山県のワイナリー「セイズファーム」の宿泊棟のキッチン
さて、おしゃれな宿泊棟を早速探検してみます。リビングの奥には、立派なキッチンが。食器もフルで揃っており、氷見の市場でお魚などを調達して、自炊される方もいるそうです。大きなダイニングテーブルには、椅子が12脚も。リビングは、広々として、とっても気持ちのよい空間です。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の宿泊棟の寝室
寝室は3室あり、それぞれにシングルベッドが二つ。私たちは6人で伺いましたが、やはりある程度人数がいるご家族やグループで行った方が楽しめそうです。お部屋は、それぞれ同じように木のフレームのベッドに、白い寝具、白いパジャマが用意されていて、北欧風のシンプルでおしゃれな作りでした。部屋ごとに違うヴィンテージ家具が置かれていて、ちょっとした違いを見るのが楽しいです。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の宿泊棟のバスルーム
バスルームも素敵です! 大きなジャグジーがあります。昼間は自然光がさんさんと降り注ぐ明るいバスルームです。写真には映っていないのですが、手前にある洗面台も、シックで素敵でした。

さて、そうこうしているうちにディナータイムです。お部屋を出て、レストランへ向かいます。
富山県のワイナリー「セイズファーム」のレストランのワイン
セイズファームは宿泊はせずとも、もちろんレストランでのお食事だけの利用も可能です。「とっても美味しいらしいよ……」と友人たちとワクワクしながらテーブルへ向かいます。コースに、もちろんセイズファームのワインとのペアリングをお願いしました。既にワインが、いくつも冷やされています。
富山県のワイナリー「セイズファーム」のレストランで飲んだシードル
最初にいただいた泡は、なんとシードルです。セイズファームではリンゴを使ったシードルも作られています。実は東京でも、セイズファームのシードルをお店で見かけたことがあるのですが、違うラベルのものでした。この初めて見るラベルのシードル、これが「……本当に、シードル?」と思うくらい、とてもドライで美味しい! ともするとシードルって、甘すぎてお食事にはどうかな…?と思うものもありますが、このシードルは「グラニースミス、フジ、王実」と、なじみのリンゴの種類がラベルに並んでいるのが不思議に感じるほど、すっきりした辛口で、食前酒にぴったりでした。
富山県のワイナリー「セイズファーム」のディナーのアミューズ
さて、シードルとともに、アミューズが運ばれてきました。
お寿司?……と思いきや、下からのぞくのは、トーストです。小さな森と切株の、箱庭のようなプレゼンテーションに気分もアガります。わくわく!
富山県のワイナリー「セイズファーム」のディナー。アスパラガスを使った料理
富山県のワイナリー「セイズファーム」のディナー。氷見鰆を使った料理
富山県のワイナリー「セイズファーム」のディナー。蝦夷鹿を使った料理
アスパラ、氷見鰆、蝦夷鹿……食材だけがシンプルに書かれたメニューを眺めては「次は、いったいどんなお料理が……?」と期待が高まります。そしてこれが、どれも、とーっても美味しかった! 一皿一皿の美しさも素晴らしかったのですが、口にするたびに「……美味しい!」と友人たちと顔を見合わせてうなづきあう。その連続。「ああ、家の近くにこんなお店があったら通うのにな……」なんてことを囁きあっていたのですが、この美味しさの背景には、もちろんここが豊かな食材を生む富山という土地であることが、大きく関わっているのは間違いありません。その恵みに感謝しながら、コースを最後まで完食しました。
富山県のワイナリー「セイズファーム」のぶどう畑
翌日も快晴でした! ワイナリーの緑も鮮やかに輝いています。
富山は立山連峰をのぞむ土地。緑と山と海と、目からいっぱいの自然を取り込みます。

お願いしていた朝食が、レストランからお部屋に運ばれてきました。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の朝食
サラダにフルーツ、キッシュにスープ……とてもシンプルですが、基本、洋食派のシオヤにはたまらないメニューです。最初仲間うちでは「朝ごはんは、氷見の市場に食べに行こうか?」なんて話も出ていたのですが、早起き苦手なシオヤには、このお部屋でゆっくり新鮮なお野菜とフルーツと美味しいコーヒーをいただく朝食が、大正解でした。ちなみに氷見の市場の食堂、軽く見学だけしに行ったのですが、とても人気で行列を覚悟、だそうなので、いらっしゃる際には時間をよく確認されることをオススメします。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の醸造所の内部

朝食後、ワイナリーの醸造所を見学させていただきました。セイズファームの畑には12000本のブドウの木が育っているそうで、一つの苗からワイン2本分のぶどうが収穫されるそうです。

2007年から開拓されたセイズファーム、そもそもは氷見で江戸時代から続く魚問屋「釣屋」が起源と聞いて驚きました。この「つりや」ブランドの瓶詰めは、東京でも何度か購入していたからです。おしゃれなパッケージで美味しい、つりやの「かき燻製オイル漬け」や「ほたるいか素干し」は、お土産にもぴったり。その「つりや」さんが、「セイズファーム」を作られたとは……。土地を開拓して、ブドウの苗を植えて育て、収穫してワインをつくるのは、もちろん一朝一夕でできることではありません。多くのご苦労があったことと思いますが、こうしてワイナリーで作られる過程や歴史を伺って、完成したワインをいただくと、また美味しさも格別に感じられます。

グルメな50代に絶対おすすめ!美食最前線・富山への旅【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#25】_1_19
可愛いわんちゃんがいました。「川上犬」という長野の由緒正しい犬種だそうで、お名前は「マイコ」ちゃん。シオヤと同じ名前!!……と勝手に感激して、写真をパチリ。
こんなに自然豊かなところで暮らせたら、わんちゃんも幸せですよね。
富山県のワイナリー「セイズファーム」の入り口
とっても素敵なワイナリー、セイズファーム。名残惜しいですが、素晴らしい季節に訪れることができたことと友人に感謝しつつ、これでお別れです。

せっかくなので、さらに車を走らせ、南下します。
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「世界文化遺産」が富山にもあると聞いて向かったのは、緑深い山の中。東京ではできない森林浴気分で歩いて行った先は……。
南砺市・五箇山の「相倉合掌造り集落」
南砺市・五箇山の「相倉合掌造り集落」です。シオヤはかねてより「白川郷の合掌造を、一度見てみたい」と思っておりました。「真っ白い雪の中に佇む合掌造りの家」の写真を見て、長年勝手に憧れていたわけです。白川郷=岐阜県、なので、富山県と合掌造りが頭の中で結びつかなかったのですが……。この白川郷を北上すると県境を越えて富山県南砺市になり、このエリアをまとめて「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として1995年に世界遺産登録されたそうです。不勉強にも知りませんでしたが、こうして思いがけず訪れることができ、大満足。この集落には宿もあり、「世界遺産に泊まる」という経験もできるそうですよ。
新緑眩しい山の中から、富山市の中心部目指して移動します。
富山市ガラス美術館と富山市立図書館本館などが入居するTOYAMAキラリの内部
いきなりモダンな建物の写真で、合掌造りとのギャップが大きすぎる展開なのですが……。こちらは富山市の中心部にある「富山市ガラス美術館」と「富山市立図書館本館」などが入居する「TOYAMAキラリ」という建物で、隈研吾さんの設計だそうです。富山はガラスの街でもあって、このガラス美術館は6年前にも訪ねたことがあり、とても良い美術館だったので、友人たちを誘って再訪してみました。また同じ建物内にある図書館も、吹き抜けから様子を伺うことができ、とてもおしゃれで充実した施設のよう。また「家の近くにこんな素敵な図書館があったらいいのに……」と羨ましく思いました。
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さて、富山市の中心部から電車に乗って、「岩瀬」と呼ばれるエリアに来ました。こちらはもともと、明治初期に建てられた廻船問屋が立ち並ぶ街並みを保存し、レストランやギャラリーなどおしゃれなお店に生まれ変わっている注目のエリア。氷見の「つりや」もありますし、お酒の「満寿泉」の蔵元もこちらにあります。伺った時間が遅かったので、閉まっているお店も多かったのですが……。
富山県の岩瀬エリアにあるクラフトビール醸造所とパブを併設したお店「kobo brew pub」の入口
素敵なお店を見つけました。「kobo brew pub」とあります。どうもビールが飲めるようです。お酒好きな友人たちとともに、中へ入ってみました。
kobo brew pubの内観
  • kobo brew pubの中の大きな醸造施設

  • kobo brew pubのペールエール

中はとてもおしゃれな作りで、お店の中央には大きな醸造施設があります。クラフトビール好きには、たまりませんね。この後にディナータイムが迫っていたため、美味しそうな軽食には手を出さず、さくっと一杯だけいただいたのですが、このペールエールの美味しかったこと! さっぱりとした柑橘の風味が爽やかで、歩き回った疲れとのどの渇きが吹っ飛びました。
富山県にある注目レストラン「ピアット スズキ チンクエ」の外観
さて、このエリアに新しくできた注目のレストラン「ピアット スズキ チンクエ」へ向かいました。東京・麻布の名イタリアン「ピアット スズキ」の名を冠し、2019年にこちらにオープンしたお店だそう。私たちはディナータイムに伺いましたが、素敵なお庭があり、ランチタイムも気持ちよさそう。
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  • グルメな50代に絶対おすすめ!美食最前線・富山への旅【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#25】_1_29-2

  • グルメな50代に絶対おすすめ!美食最前線・富山への旅【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#25】_1_29-3

のどぐろをはじめ、富山の海の幸、山の幸がたっぷり配されたディナーは、大満足の美味しさでした。友人たちとワインもそれなりにいただきましたが、とっても美味しい上にかなりなお値打ち、といえる内容だと思います。上の中央の写真は、実はトイレへ向かう途中のカット。古い建物をうまく生かして作られているので、ヒストリカルなのにモダン、という素晴らしいデザインで、思わず写真におさめてしまいました。
長くなりましたが、富山への旅、多くの方におすすめしたいです。東京から新幹線でのアクセスも良くなりましたし、何より今はまだそこまで観光客が押し寄せていないので、人ごみに疲れることもなく、移動もスムーズ。今後、エクラ本誌でも富山の特集を企画しておりますので、どうぞお楽しみに!

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