50代女性必読! 美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが語る「大人の洗練」とは?

美容記事の企画や化粧品開発などで幅広く活躍する美容ジャーナリスト・齋藤薫さん。本当にエレガンスな人は、どのような人なのか? 洗練された大人を目指すエクラ世代に必要なヒントを、齋藤薫さんが語る。
Profile
齋藤 薫

齋藤 薫

さいとう かおる●女性誌編集者を経て、美容ジャーナリスト、エッセイストに。多数の連載エッセーをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど、幅広く活躍。近著『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)など著書も多数。

大人の洗練…誰かがどこかで、あなたを見つめている。憧れと尊敬を持って

本当にエレガントな人は、服が目立たない。逆に、遠くから“服が歩いてくるような人”は、存在が目立たない。洗練とは、本来が慎み深いものなのだ。ところが不思議なことに、そういう控えめな洗練ほど、じつは見た人の脳裏に焼きつくもの。装いと存在が丸ごと忘れられなくなるものなのだ。

何年か前のこと、街で見かけたその人は、何でもないシャツとワイドパンツを身につけていた。“何でもない”としか言えないほど、シンプルでさりげない。それでも、その人はハッとするほど輝いていた。ある意味で、地味なのに派手! 何てかっこいいの? 以来ずっと記憶に残っている。あの人は一体何者? という興味がつきないのだ。そこまで深く人を魅了するのが、大人が持つべき存在美と言うものなのではないだろうか。

気がつくと私は、同じようなシャツと、同じようなワイドパンツを探していた。ファッションは真似から始めるものだから。でも、何でもない服ほど、なぞることは難しい。似たようなシャツとパンツは持っているのに、やっぱり何か違う。極めてオーセンティックなデザインですら、明らかに時代とともに進化していることに気づかされた。一見同じに見えても、気配が違う。シルエットが違う。定番の服なのに、何だか今っぽい。それがトレンド以前の時代のニュアンスと言うものなのだろう。センスある人は、そこまでをよく知っている。時代の息吹と共に生きているから、単なるオシャレを超え、その人自身が忘れがたいほど、かっこよく見えるのだろう。

大人は、ただ単にオシャレな服を着たからオシャレに見えるのではない。経験やキャリア、それによって積み重ねられてきた知性や奥行き、人の気持ちや時代を読み取る感性が、オシャレとして映えるのだ。もっと若いうちは、服にステイタスを借りることができた。でも大人になったら反対に、そうしたものが滲み出てこないと、どんなに高価な服も高級に見えないし、上品そうな服も、上品に見えない。ハイブランドの服もオーラを放たないのだ。

そこで大人は、服と自分が高め合うような関係を築いていくべき。例えば、ジャケットを着ると、自然に背筋が伸びるような“着こなしの運動神経”を研ぎ澄ませたり、日常の装いにも思い切ってボリューム感あるジュエリーをつけたりする思いきりや勇気も必要だ。

大丈夫。それこそ半世紀近くも、自分自身で服を選んできた50代、そういうスキルはとても自然に備わってきている。重要なのは、決して消極的にならないこと。これからの大人は、着ることに余計なブレーキをかけてはいけない。極端な話、サングラスでオープンカーを走らせても、決して軽薄に見えない年齢になったのだから。大ぶりのキャプリーヌを被っても大げさに見えない、ちゃんと粋に見える、そういう年代になったのだから。

大胆さにも、慎重さにも、無意識のうちに“オシャレの反射神経”が効き、これ以上やってはいけないという加減がわかるから、年齢なりの知性や気品が宿っているから、それだけでどんな装いにも高級感が生まれる。逆にいかに静かな装いでも、人をハッとさせられるのだ。なのに、着ることに消極的になってしまったら、人生レベルで損をする。むしろこれからがオシャレの本番、そのくらいに考えておきたいのである。

いや本来、本気のオシャレは大人のもの。でも今までの日本は、50代にもなると精一杯のオシャレをしてはいけないような、妙な思い込みがあった。そうした間違った呪縛を解き、多くが思う存分オシャレをする気概を持った最初の世代が、今のエクラ世代ではないかと思う。だからこそのJマダム!

かくして、洗練された大人に心奪われるのは、そこに尊敬が含まれるから。存在ごと忘れられなくなるのもそれがため。だから地味でも眩しいほど輝くのだ。50代からは、オシャレのためのオシャレはしない。あくまでも自分という存在美の覚醒のために、服を着て欲しい。誰かがどこかで、あなたを見つめているはずだから。憧れと尊敬を持って。

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富岡佳子2
富岡佳子3

メンズライクなダブルジャケットに細い肩ひものマキシ丈ワンピースという、正反対のイメージのあるセットアップが新鮮。この意外性もエレガントでかっこいい。
ジャケット¥94,600・ワンピース¥63,800/イレーヴ イヤカフ¥440,000・ピアス¥300,300・時計¥539,000・リング(左手)¥1,042,800・(右手)¥356,400/ブシュロン クライアントサービス(ブシュロン) バッグ¥347,600/トッズ・ジャパン(トッズ)靴¥137,500/アマン(ペリーコ)

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