【介護保険、これだけは覚えておきたいQ&A】利用基準は?受けられるサービスは?

「介護保険」制度ができて約20年。実は3年ごとに見直されている! 保険料の額から納入する期間、利用できる年齢やサービスまで、介護保険制度にまつわる基本知識を、Q&A形式でわかりやすく解説。
教えてくれたかた
河北美紀さん

河北美紀さん

かわきた みき●銀行に10年勤務後、’13年、アテンドを設立し、高齢者リハビリデイサービスを開所。著書に『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)など。

Q.毎月いくら払っている?

A.第2号保険料は全国平均で月6829円

介護保険料は、収入や居住地域の自治体が定めた保険料率によって変わるが、’22年度の第1号保険料の月額平均は6014円、第2号保険料は6829円(見込額)。会社員の場合、保険料は労使折半なので、給与天引きされているのは、実際に納めている保険料の半額。そのため、全額自己負担となる第1号被保険者になると保険料が高くなるケースもある。「少子高齢化がすすむ日本では、介護保険料は今後ますますの上昇が懸念されています。’40年には第2号保険料が9000円前後になるという試算もあるほどです」(河北さん、以下同)。

介護保険

Q.いつまで払うの?

A.亡くなるまで。介護保険サービス受給者となっても払います

満40歳になると介護保険制度の被保険者となり、40歳になった月から保険料の徴収がスタート。40~64歳の第2号被保険者は健康保険の保険料と一括で徴収され、65歳以上の第1号被保険者は、原則年金から徴収される(年金を受け取っていない場合や年金額が年額18万円以下の場合などは、自治体から送られる納付書で自ら納める)。

「海外居住者や生活保護受給者といった特別なケースを除き、満40歳から亡くなるまで介護保険料を納める義務があります。介護保険サービスを受けるようになったとしても、保険料納入が免除されるわけではありません」

Q.利用できる基準は?

A.65歳以上は、介護状態になった要因を問わず、誰でも利用可能

介護保険サービスを利用できる年齢は原則65歳以上。要介護認定を申請し、介護が必要な状況にあると認定されれば、要介護度に応じたサービスや費用の補助が受けられる。「ただし、介護保険料の未納があると、利用できない期間があることも。納付書を使って自分で納める場合、うっかり忘れることも少なくないので、事前に親に確認しておきましょう」。

介護保険

Q.65歳未満は利用不可?

A.特定疾病で介護が必要と認められれば、40~64歳でも利用できます

「40~64歳の第2号保険者は、基本的には介護保険サービスの利用はできません。ただし、特定16疾患に罹患し、介護が必要だと認定されれば、利用が可能になります」。特定16疾病に当たるのは、がん(末期)や関節リウマチ、骨折を伴う骨粗しょう症、初老期における認知症、早老症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患など。

Q.どんなサービスを受けられる?

A.訪問介護のほか施設での介護+医療サービス、福祉用具の貸与などさまざまです

介護保険サービスは、入浴や食事、排せつの介助といった利用者の身体に直接触れる身体的介護や、掃除や洗濯、買い物など身体に触れずに行う生活援助といった「介護」だけにとどまらず、介護とともに医療行為やリハビリ、療養指導などを一体的に提供する「介護+医療」や、要介護にならないように健康管理や運動指導などを行う「介護予防」など多岐にわたる。これらサービスは自宅で受けるだけでなく、デイサービスに出向いたり、施設に入所して利用するパターンもある。「車椅子や介護用ベッド、杖といった福祉用具の貸与や購入も介護保険サービスで利用できます。また、自宅で介護するためにバリアフリー化する場合は、工事費20万円を上限に7~9割のリフォーム費用の補助もしてもらえます」。

▼こちらの記事もチェック!

What's New

Feature
Ranking
Follow Us