介護保険サービスはどうやって利用するの? 親のことが心配……と思ったらすぐに検討しよう!

親のためにも、自分のためにも、知っておいたほうがいい「介護保険」のこと。介護が必要になったからといって、自動的にサービスが受けられるわけではない。利用するには、要介護と認定してもらうための申請を自ら行うことが必須。認定がスムーズにされるよう、申請の流れや認定基準などをチェック。
教えてくれたかた
河北美紀さん

河北美紀さん

かわきた みき●銀行に10年勤務後、’13年、アテンドを設立し、高齢者リハビリデイサービスを開所。著書に『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)など。

どの区分に認定されるかで利用できるサービスが変わる

介護保険サービスを利用するには、市区町村の窓口に要介護認定を申請し、認められる必要がある。

「認定区分は要支援1から要介護5までの7つに分かれ、サービス利用時の支給限度額が異なります。特別養護老人ホームの入居は要介護3以上などの規定もあるので、適切に認定されることが大切」と、河北さん。

認定は、訪問調査員による利用希望者の心身状況に関する調査と主治医の意見書をもとにコンピューターが一次判定したのち、保健・医療・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が二次判定をし、約1カ月で結果が出る。訪問調査は、利用希望者の身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応といった5項目をチェック。家族が介護にどのくらいの時間を要しているかも判断材料に。

「『非該当』という認定になっても、地域包括支援センターなどが行う一般介護予防事業(65歳以上が対象)を利用することは可能です。また、介護認定の申請をしなくても、国が示す『基本チェックリスト』で介護予防が必要と判断されれば、訪問看護や通所リハビリなどが利用できるので、担当窓口に相談してみましょう」

要介護と認定されるまでの流れ

参考/河北美紀『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)

介護保険サービスはどうやって利用するの?

要介護度・要支援度別の状態区分と支給限度額

区分 要介護度の目安 支給限度額(月額)
要介護5 排せつや食事など、身のまわりのことに全面的な介護が必要。ほぼ寝たきりの状態 362,170円
要介護4 日常生活全般の介助が必要。 移動や立位がひとりでできない 309,380円
要介護3 日常生活、移動や立位の保持に一部介助が必要 270,480円
要介護2 日常生活、移動になんらかの介助を必要とする 197,050円
要介護1 日常生活はほぼ自立しているが、なんらかの介助や見守りを必要とする 167,650円
要支援2 身のまわりの一部介助や見守りを必要とし、改善の見込みあり 105,310円
要支援1 日常生活はほぼ自立。なんらかの介助や見守りを必要とし、改善の見込みが高い 50,320円
非該当(自立) 現在、日常生活において介護や支援の必要がない状態 0円

※上記は目安であり、状態が完全に一致するものではない。

参考/河北美紀『身近な人の介護で「損したくない!」と思ったら読む本』(実務教育出版)

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