【今月のおすすめ本】イギリス在住の保育士・ブレイディみかこさんの『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』ほか4冊

アラフィー女性におすすめの本をピックアップ。実際に起きた公営住宅占拠運動をベースにした小説『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』ほか、計4冊をご紹介。

『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』

大事なのは、他者と自分自身へのリスペクト

大事なのは、他者と自分自身へのリスペクト

ブレイディみかこ

筑摩書房 ¥1,595

再開発と福祉予算の削減がすすむロンドン。施設からの退去を命じられたシングルマザーたちが、誰かの助けなんて待っていられないと立ち上がる。ベストセラーを続出する英国在住のコラムニスト兼保育士が、実際に起きた公営住宅占拠運動をベースに書いた初めての小説。社会から軽んじられ自尊心を抱けずにいた主人公が、自ら動くことで自分も社会も変えていく姿に胸アツ。文句や愚痴をいうだけじゃなく、彼女たち同様〈自分へのリスペクトが起動させる未来〉を信じて動きたくなる。
 

『いい子のあくび』

"いい子" を装いきれなくなる前に必読!

“いい子”を装いきれなくなる前に必読!

高瀬隼子

集英社 ¥1,760

仕事でも私生活でも“いい子”であり続けてきた直子は、ある日、歩きスマホの人をよけるのをやめる。ぶつかってケガをするのも覚悟のうえで。主人公の小さな抵抗が思わぬ悲劇を生む表題作をはじめ、不公平な社会で生きる女性たちの息苦しさを丹念にすくいあげた3編に共感!
 

『その本は』

あふれる遊び心にクスクス、ワクワク、ときどきホロリ

あふれる遊び心にクスクス、ワクワク、ときどきホロリ

又吉直樹 ヨシタケシンスケ

ポプラ社 ¥1,650

王様の病床でふたりの男が交互に、世にも珍しい本を紹介していく。〈その本は、かなり大きな声で笑う〉〈その本は、しおりを食べる〉などと始まる話の奇想天外ぶり! 芥川賞作家でもある漫才師と人気絵本作家がタッグを組んだ心躍る一冊。とぼけたイラストと古書風の装丁もgood。
 

『禍(わざわい)』

不気味さもおもしろさも超弩級、想像力の極限に迫る短編集

不気味さもおもしろさも超弩(ど)級、想像力の極限に迫る短編集

小田雅久仁

新潮社 ¥1,870

書物を読むのでなく食うことで得られる快楽を描く「食書」、人体の一部を苗のように畑で育てる「農場」など、吐き気を催すほど気味が悪いのに、とてつもなく蠱惑(わく)的な7編を収録。吉川英治文学新人賞と日本SF大賞をダブル受賞した気鋭が生み出す悪夢は、読む者を虜(とりこ)にする。

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