華組 細谷奈弓ブログ

細谷奈弓

細谷奈弓

会社代表・うつわコンサルタント®

夫と10代の娘2人の4人家族。海外6カ国で生活後、器の仕事をしながら50歳手前でメルカドバッグ&アカプルコチェアブランド『¡CHÉVERE!(チェベレ)』を立ち上げました。大好きなファッション、食、器をはじめ、興味のあることや日々楽しんでいることをブログで発信していきたいと思います。

Instagram:belmomento_nayumi

Instagram:nayu_simple.chic

世界No.1シェフが東京にオープンしたミシュラン二つ星レストラン「MAZ」へ

2023年「世界のベストレストラン50」No.1であるペルーのレストラン「CENTRAL」の姉妹店「MAZ」へ。オープン1年半あまりでミシュラン二つ星を獲得した今大注目のレストランです!
かねてからずっと行きたかった
ペルーのレストラン「MAZ」(マス)へ、
Jマダムのミキティちゃんと行ってきました。
MAZ 看板
こちらのディレクターを務める
ヴィルヒリオ・マルティネス氏は
ペルー在住時にお気に入りで何度か伺っていた
「CENTRAL」のメインシェフ。

私がいた当時は地元ではすでに有名とはいえ
世界的にはそこまで、、、という感じでしたが、
その後急速に知名度を高めていき、
昨年「世界のベストレストラン50」の
世界No.1レストランに選ばれました。

そんな彼が満を持して
2022年に東京・紀尾井町にオープンしたのが「MAZ」。
そもそもペルー料理とはどんなものなのか?
これ、本当によく聞かれます。

簡単に言えば、
「ベースとなるインカ帝国時代からのアンデス食文化に、
植民地化したスペインや
日本人や華僑の移民などによる異食文化が
融合されて生まれた料理」
ペルー エリア別地図
ペルーの食文化は
・Costa(コスタ・沿岸地帯)→リマ(首都)を中心とする沿岸エリア
・Sierra(シエラ・山岳地帯)→アンデス(マチュピチュがあるエリア)
・Selva(セルバ・森林地帯)→アマゾン

の3つのエリアから成り立っていて、
①それぞれが独自の食文化を持っていたこと
②インカ帝国時代は物流が発達していて、
他エリアからの食文化の影響も受けた
ことから食文化がさらに豊かになったのだそう。

そこに海外(スペイン、日本、中国など)
の食文化が融合し、
ペルー独自の食文化が確立されました。
LIMA MERCADOS
(リマに住んでいた時によく行っていた市場。左上:新鮮な生卵と牛タン1頭買いしていた農業大学の市場 右上:「リマの千疋屋」と勝手に呼んでいたお気に入りのフルーツ屋 下段:和食に欠かせない野菜やスパイス類が充実していた市場)
今や普通に手に入るトマト、ジャガイモ、
サツマイモ、トウガラシ、トウモロコシは
全部ペルー原産。

特にトマトは
ペルー→メキシコ→スペイン→イタリアと渡り、
イタリア料理の今があるのはペルーのお蔭
と言っても過言ではありません。

しかもペルーには独自のお醤油(シジャオ)文化もあって
和食をベースにしたお料理は
NIKKEI(ニッケイ)と呼ばれ、
日本人の舌に合うお料理もたくさんあります。
前書きが長くなりましたが、
ここからはMAZについて書きたいと思います。
MAZ 入口
レストランは紀尾井町ガーデンテラス内にあり、
入口は一見わかりづらい印象。
しかも予めお店から伝えられたコード番号を
入力しないと中に入れないシステムになっています。
MAZ トトラ葦のオブジェ
(トトラ葦はペルーで古代から舟や家を作るたに使われてきた水草。世界一高地にある湖・チチカカ湖内にあるウロス島はこのトトラ葦で作られた浮島で有名)
店内はテーブルが7卓20席とこじんまりしていて、
インテリアはシンプルでとてもスタイリッシュ。
薄暗い照明の壁にはトトラという葦を使った
ペルー人作家によるオブジェが目を引きます。
  • MAZ 食材説明①

    (スタッフの方が一つ一つ丁寧に説明説明してくださいます)

  • MAZ 食材説明②

    (こちらはアチョーテというベニノキ科の植物で、ペルーでは油に混ぜて調味料にしたり、着色料として使っています)

入店してまずは
入口のディスプレイされているペルー食材を
スタッフの方が説明して下さいました。

日本ではお目に掛かれない食材ばかり。
中には食べられる粘土というものもあって
さながら食の博物館みたい!

中には私が実際ペルーで普段使っていた食材もあり
懐かしさも感じました^^
  • MAZ メニュー案内

  • MAZ メニュー

    (MBSL=水深、MASL=海抜を意味します)

MAZでは
ペルーを高度ごとに分けて
9つの生態系でお料理を表現。
(メニューは3ヶ月毎に変わります)

食材は日本8:ペルー2という割合で
使われているそうです。

そのためここでしか味わえない
ペルー&日本のイノーベティブ料理を
思い切り堪能することができます。
全部載せると長くなるので
一部をご紹介。
1品目【浅瀬 -5MBSL】
  • MAZ 浅瀬①

    (食べられるのは奥のフィンガフードのみ)

  • MAZ 浅瀬②

    (見た目はゼリー状であっさり見えますが、口の中に入れた瞬間濃厚な蟹の風味が広がりました!)

毛蟹、セイコ蟹、ズワイ蟹のメニュー。
画像左は(確か)毛蟹のフィンガーフード。
脚の部分は全てオブジェ!
私たちはこれも食べられると思っていました(笑)

MAZ ワイン
MAZはペルー料理だけあって
南米のワインも豊富に揃えています。

今回私たちがオーダーしたのは
VILLARDというチリの白ワイン。

ソムリエの方(オーストラリア人)に
今日のお料理に合う白ワインを聞いたら
こちらを勧めて下さいました。

ソーヴィニヨンブランなので爽やかで
どんなお料理にも合うとのこと。

MAZのお料理は海・山・平地と
ジャンルが多岐に渡るので
こちらで大正解でした!
3品目【冷水域 -10MBSL】
MAZ 冷水域
ホタテ、あん肝を使ったお料理。
中の濃いグリーンはスピルリナ。
30億年前から存在した藍藻の一種で
50種類以上の栄養成分があることから
「スーパーフードの王様」とも言われています。

見た目も綺麗ですが、
新鮮なホタテもあん肝も
それぞれの味がちゃんと引き立っていて
この組み合わせがまた何とも凄い発想!
5品目【アマゾンの樹木 225MASL】
MAZ アマゾンの樹木
鴨、ポルコン茸、カニワを使ったメニュー。
ポルコン茸はペルーのきのこ。
現地では市場でも普通に買えて
オリーブオイル漬けになったものもあります。
(見た目は椎茸のような感じ)

カニワはキヌアと同じスーパーフード。
現地でも普通に食べられている穀物で、
キヌアよりも粒が小さいので
我が家では潰して粉状にしたものを、
きび砂糖と混ぜてお餅に絡めて食べていました。
7品目【アンデスの森 3260MASL】
MAZ アンデスの森
食べられる粘土「チャコ」と塩を合わせて
容器のように固めた中に百合根
を蒸し焼きにしたもの。
ペルーでは本来ジャガイモを使いますが
ここでは日本の食材を使っていました。

奥のソースはうる覚えなのですが、
ワカタイ(ペルーのハーブ)と
アヒアマリージョ(黄色い唐辛子)
だったような。。
ほくほくした百合根にこのピリ辛のソースが凄く合う!
【8品目 低地の森 120MASL】
MAZ 低地の森
8品目はルクマ、アサイー、バワハナッツを使った
デザートが登場。

このルクマ、私が大好きなペルー原産フルーツの1つ♡
Lucuma
(左:生のルクマ 右:手作りルクマきんとん。「すや」の栗きんとんを真似て作りました。)
外は緑色で中は濃い黄色。

フルーツですが、味はまるでかぼちゃや栗みたい。
ほっこりした甘さあり、GI値が低いので
現地ではダイエットフードとしても
使われています。

右上はペルーにいた時に手作りした
栗きんとんならぬルクマきんとん。

こちら繊維質がけっこうあるので
裏越しが大変でしたが
ほくほくしていて
とても美味しかった記憶があります。
【9品目 アマゾニア 750MASL】
MAZ アマゾニア
最後は今巷で話題のペルーカカオを
ふんだんに使ったデザート色々。
(これを食べたくてこのお店に来る人もいるほど
人気のメニューらしい)

グラスに入った白い液体は
カカオパルプという
カカオを包んだ果肉部分を絞ったもの。
チョコレートとは一線を画し、
みずみずしく甘酸っぱいお味。
この果肉部分はカカオ豆発酵の際
一緒に使用するため
ジュースとして飲むことはほとんどない
レアなドリンク。

ここに行きつくまで色々食べたので
かなりお腹がいっぱいでしたが、
最後はやはり別腹、全部美味しかった!
MAZ メニューのイメージカード
お料理だけでなく演出も見事なこちらのお店。

お料理と共に出てきた上の9種類のイメージカードは
ペルーの作家さんが描いたものだそうです。
こちらはお土産にいただいたので
額装して飾りたいと思っています。

また今回出てきた個性的な器も
ペルーの陶芸家さんが作製したもの。
日本ではなかなか見かけない形や色もあって
器好きの私たちは何度も見返したりしていました。
MAZ ツーショット スリーショット
上:Jマダムのミキティちゃんと。
とてもグルメな方なので食への追及がとにかく凄い!
この日も色々とスタッフに質問を
投げかけていました。

下:シェフのサンティアゴ・フェルナンデス氏を囲んで。
メインメニューのお料理を
シェフ自らお皿に盛って下さったり、
気さくに写真にも応じてくださいました。
また私がペルーに住んでいて
CENTRALにも行っていたことを話すと
とても喜んでくれ、
ペルー話もすることができました^^
  
  • MAZ コーディネート①

  • MAZ コーディネート②

この時はこんなスタイルで伺いました。

Outer:Lisa Conte'
Shirts:PATOU
Bottoms:J.(ジェイドット)
Shoes:Fabio Rusconi
Bag:HERMÈS

照明が暗くてわかりにくいのですが、
バッグ以外はホワイト×ネイビーの
至ってシンプルなパンツコーデです。
MAZ 入口看板
2022年7月1日オープンからわずか1年半あまり。
昨年12月にミシュラン二つ星をいきなり獲得した
こちらのお店。
(予約を取ったのが11月末だったので
タイミングが良かった!)

食べることがとにかく大好きで、
ペルーにいた時も色々なお料理を堪能してきた私ですが、
今回改めてその奥深さと凄さを実感しました。

豊かな食文化が根底にあって、
そこからユニークなコンセプトの料理を介して
ペルーの生態系の重要性を国内外に紹介しているお店は
そうそうありません。
こちらはイノベーティブ料理のため
クラシックなペルー料理はありませんが、
お店に足を運ぶ価値は十分あると思っています。
(ちなみにこの数日後ミキティちゃんと
ペルー郷土料理も食べに行きました!
それはまたいずれご紹介します!)

実際まだペルー料理は知名度が低いので、
このブログを通じて興味を持って下さる方が
いらっしゃったら嬉しいです。

長くなりましたがご覧いただきありがとうございました!
★Instagramもやっています★

What's New

Feature
Ranking
Follow Us