イラストレーター・小迎裕美子さんがレクチャー! 大河ドラマ『光る君へ』に夢中です【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#60】

NHKの大河ドラマ『光る君へ』ご覧になっていますか? 第一回から欠かさず見ているシオヤ、回を重ねるごとにハマっています。主人公である紫式部と、清少納言についての著作もある、イラストレーターの小迎裕美子さんに、見どころを伺ってみました!
ウェブエクラ編集長 シオヤ

ウェブエクラ編集長 シオヤ

50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
大河ドラマで平安時代が舞台になるのは、実に何年ぶりのことなのでしょうか? 実は時代劇があまり得意でないシオヤ(出演者が全員同じ髪型や似たような衣装だと、見分けがつきにくくて……と、言い訳)ですが、いま絶賛放映中の『光る君へ』は放映前からとても楽しみにしておりました。

と言いますのも、長年お世話になっているイラストレーター・小迎裕美子さんのご著書『新編 人生はあはれなり… 紫式部日記』を拝読しまして、あまりの面白さに、俄然この紫式部と源氏物語の世界に興味がわいたのです。
小迎裕美子 紫式部日記
この絵柄にピン!ときた方も多くいらっしゃると思います。こちらのご本はコミックエッセイで、マンガと文章とを共に作者・小迎さんが手掛けていらっしゃるのですが、これが本当に分かりやすくて、面白い! 先に出版された『新編 本日もいとをかし!! 枕草子』とぜひ併せて読むのをオススメしたいのですが、平安時代に生きた二人の女性、シキブ(紫式部)とナゴン(清少納言)の人となり、そして作品とが周りの人々と共にイキイキと描かれていて、1000年以上も前に生きた二人の女性に、共感しまくること請け合いなのです。
ご本により、紫式部と源氏物語の世界への扉をパタパタと開いてもらったシオヤは、初回からリアタイで「光る君へ」を見始めたのですが(録画も準備)、……これが面白い! 回を重ねるごとにどんどん引き込まれていく面白さ! 既に大変評判もいいですし、ファンの方も多いことと思いますが、聞けば小迎さんもドラマにハマっていらっしゃるとのこと。
シキブとナゴンの世界をライフワークにしていらっしゃり、同世代の小迎さんなら、きっとさらに『光る君へ』を楽しむポイントをご存じなはず! ……と伺ってみると、二つ返事で快諾してくださり、今回はエクラ読者のために特別に、描きおろしイラスト付きで見どころを教えてくださいました。以下、小迎さんのコメント(太字)とともにお届けします!

<1.すばらしい源氏物語へのオマージュ>

小迎裕美子 源氏物語オマージュ
「ドラマ『光る君へ』の中には、源氏物語を知っていると二重に楽しめる仕掛けが、あちこちに散りばめられているんです。たとえば……子どもだった三郎(藤原道長)とまひろ(紫式部)が出会うシーンは、源氏物語中の光源氏と紫の上が出会うシーンを彷彿とさせますし、黒木華さん演じる源倫子が猫を追いかけて御簾から顔を見せてしまうシーンは、女三の宮と柏木のシーンだな、と。それから、ドラマでは美しい公達も見どころなんですが、源氏物語の有名な『雨夜の品定め』もしっかり再現されていましたね。毎週ドラマを見ながら、こういう源氏オマージュ、なシーンが出てくると「ハイ!来た!」的にエアでクイズボタンを押しつつ、源氏物語を知らない夫にマウントとっています(笑)」(小迎さん)
……そう、「雨夜の品定め」! 高校の古文の授業で、ヤング貴族男子(公達)たちがあれやこれや女子の品定めをする有名なこのシーンが出てきたときには、シオヤもイラッとしたものでした。女子校だったので、おそらくクラス全員で「イラッ」としていたのではないかと思います(笑)。
しかし「光る君へ」の公達は、みなさん本当にお姿が美しくて……。巷では「F4(『花より男子』の)みたい!」と話題のようですが、とくに藤原公任役の町田啓太さん! あまりに公家装束がお似合いで、シオヤは初めて見た時にリアル・光源氏かと思いました。平安時代の装束や宮中の様子も美しく、これもまた見どころですね。

<2.どうなる!? 道長&まひろの恋の行方>

小迎裕美子 道長とまひろ
「ドラマでは、吉高由里子さん演じる主人公の紫式部と、柄本佑さんの藤原道長が”幼馴染で恋愛関係”という設定なんですよね。紫式部は『まひろ』、道長の幼少期は『三郎』という名で呼び合っているのですが、子ども時代に出会った二人が思わぬ展開で再会を繰り返し、お互いを気にかけていくのですが……もう回を追うごとにどうなっていくのか……、見守りたいと思います。」(小迎さん)
 藤原道長といえば、遠い昔授業で習ったイメージでは「オレ、欠けてるところなんて1ミリもない満月だし!」と権勢を誇ったゴーマンこの上ない人物、といったところなのですが、柄本佑さんの道長は、もっと繊細で、女子を気遣う優しさのある三男坊。このお坊ちゃま・道長と、苦労人で現実をわきまえた紫式部の恋模様……。大河ドラマとは思えぬ(いいイミで)「きゃ~♡」という展開もあり、もうどうなっていくんだか。目が離せないとは、まさにこのこと! ひたすら次回が気になります

<3.気になる♡ 謎めく男たち>

小迎裕美子 直秀
「すでに巷では『胸躍る、少女マンガ展開!』と評判ですが、少女マンガに欠かせない、ときめく男子たちが次々現れるのも『光る君へ』から目が離せない理由の一つ。とくに、毎熊 克哉さんが演じた架空キャラ「直秀」は、主人公・まひろがピンチの時に現れる、謎めいたイケメンとして、ハートを鷲掴みにされました。なんかこう……登場の仕方といい、謎めいた雰囲気といい『キャンディ♡キャンディ』のテリュースみたい! と思ってしまって……。悲劇的な最期を迎えますが、もう出てこないんでしょうか直秀……(涙)。謎の男といえば、これから登場する松下 洸平さん演じる「周明」が気になります。直秀ロスの穴を埋めてくれるのでしょうか……? 期待してます!」(小迎さん)
『キャンディ♡キャンディ』に『花より男子』、胸がわくわくする王道の少女マンガ展開がめくるめく構成は、私たちの大好物(笑)。『光る君へ』は、脚本は大石静さんですし、ぐっと心つかまれるセリフがいっぱいで、「まひろ」同様見ているこちらまで、毎回ヒロイン気分を味わわせていただいております。ヒロイン気分、といえば冬野ユミさん手掛ける音楽も忘れてはなりません。オープニングとエンディングに流れるドラマチック、かつキラキラっ☆としたピアノ曲(オープニング曲のピアノ演奏は、反田恭平さん)も心ときめきますし、劇中に流れる音楽も、意外なところで意外な音がついていたりして、楽しくて気が抜けません!

<4.目が離せない! 花山天皇>

小迎裕美子 花山天皇
「わがままでエキセントリック、悲劇的な政争にも巻き込まれる花山天皇を演じる本郷奏多さんが、サイコーすぎて……。花山天皇が出てくるシーンが楽しみで仕方ありません。ちょっとひねた若き天皇の役なんですが、本郷さんが本当にハマっていらして、ピッタリ! 女御の藤原 忯子への寵愛が深すぎてヤバいところや、陰謀にまきこまれていってしまうピュアさ加減も、なんだか放っておけないキャラクター。この後もまだまだ事件があるはずなので、期待しています!」(小迎さん)
本郷奏多さんはじめ、ドラマのキャスティングの妙も見どころの一つ。シオヤは、学識深くマジメな公卿・藤原実資役のロバートの秋山竜次さんが大好きなのですが、まひろに仕える乙丸役の矢部太郎さんも、イメージぴったりのキャスティングですし、お笑い芸人さんたちがとても魅力的に配役されているのに、毎回感心してしまいます。清少納言役が、面長美人のファーストサマーウイカさん、と聞いた時には「そうきましたか!」とこちらもエアで膝ポン! でした。

<5.やっぱり魅力的! たくらみ”ヴィラン”枠>

小迎裕美子 道兼 詮子 晴明 倫子
「個人的に”悪女”が好きでして。吉田羊さん演じる詮子や、黒木華さんの倫子が、この先どう悪女化していくのかどうか、気になります。倫子は、あの『ウフフフ……』と優しい笑顔の裏に絶対何かを隠してそうな感じ! 怖いです……。詮子も既に、ハッキリともの言うキャラクターですが、この先”一条天皇の母”という切り札を手に、どんな活躍(暗躍)をしてくるのか楽しみですし、ヒロインのまひろも、ある意味どうダークサイドに落ちていくのか否か……。陰謀渦巻く平安の宮中、これからも魅力的なヴィランがたくさん登場しそう!」(小迎さん)
先ほど「時代劇が苦手」と書いたシオヤですが、「光る君へ」は登場人物がそれぞれかなりハッキリとキャラ立てされていて、分かりやすいのも人気の理由の一つかと察します。最も分かりやすい悪役、藤原道兼(道長の兄)や、陰陽師の安倍晴明(メイクが強烈!)は、見るからに尋常じゃない感じ。ところで、この小迎さんのイラストの道兼と晴明も、ちょっと似すぎ! で素晴らしいです……。

<6.ライバル☆清少納言サイドが盛り上がりそう>

小迎裕美子 清少納言 
「紫式部がライバル視していた清少納言との関係は政治がらみでも最も重要な山場になるので、ナゴン登場のパートは、この先相当分厚くなるのでは? と、勝手に予想しております。ナゴンが仕える『定子さま』役が高畑充希さん!ということで、ナゴンとの尊い名シーンの数々が、どこまで繰り出されるのか楽しみでなりません。 そして定子の兄弟である、藤原伊周(三浦翔平さん)& 隆家(竜星 涼さん)の麗しいブラザーズはどう描かれるのでしょう? ドラマのヒロインはシキブですが、ナゴン側の盛り上がりにも期待しています!」(小迎さん)
清少納言の本格的な登場はこれからですが、枕草子にあれこれ書き連ねるシーンもきっと出てくることでしょう。清少納言の仕える「定子」サロン vs 紫式部の「彰子(道長の娘)」サロンの様子は、きっと美しい衣装のお姫様たちが集う絵巻物を見るような感じなのではないかしら……と胸躍ります。これからの『光る君へ』の放映を楽しみにしつつ、紫式部&清少納言の二人の様子、ぜひ小迎さんのご本で予習・復習してみてください。ドラマが何倍も楽しめること、間違いなしです! 

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