大人のショートブーツは高くても良いものを 五選

秋の気配を感じる季節になると心惹かれるのがショートブーツ。トレンドを追うのも楽しいけれど、今大人が履くべきは、作り手のこだわりが生み、育んだ"名品"。あなたの今年のパートナーは、この5ブランドから!
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1.馬具工房から始まる伝統が生んだ新名品
HERMÈS
もともとダンサーとしても活躍していた、シューズ部門のクリエイティブ・ディレクター、ピエール・アルディ。自身の経験から靴に求めるのは、エレガントなデザインであってもあくまで“足に優しい靴”。履いたときに土踏まずを心地よくサポートするインソールや、足を包み込むような設計など、足を入れた瞬間にわかる、うっとりするような気持ちよさが最大の魅力だ。
 その履き心地のよさはエルメスの宝ともいわれる、上質なレザーがあってこそ。エルメスは、バッグはもちろん靴にも、最高品質のレザーを使用。足なじみよく、優しく包み込まれるような上質レザーの心地よさは、ショートブーツならなおさら実感できるもの。抜群の安定感と歩きやすさを実現した機能美はもとより、洗練されたデザインも魅力だ。

今回選んだこの1足も、そんなこだわりが生きる新作。型押しの控えめなツヤが美しいブラックレザーとマットなホワイトレザーの異素材コンビネーションがモード感をプラス。ディテールまで行き届いた履き心地を追求するデザインで、9㎝ヒールながら安定感ある履き心地を実現している。

ギリーシューズをモチーフにしたギザギザのディテールが個性的な「プルーフ」。すっきりしたトゥのラインと美しい後ろ姿が印象的。ショートブーツ「プルーフ」(H9㎝)¥186,000・ワンピース¥710,000/エルメスジャポン(エルメス)
2.ヒールと履き心地を両立させた魔法の一足
TOD’S
ヨーロッパのみならず、世界中の女性に愛されるトッズの靴。その代名詞にもなっているドライビングシューズ「ゴンミーニ」は、日常使いできるイタリアンスタイルシューズとして広く愛され、ソールに施された100個以上のラバーペブル(ゴム突起)はゴンミーニだけでなく、ブランドのトレードマークにもなっている。
製品を作る工程中はもちろん、サンプルの履き心地の調査などのチェックも、何度も何度も繰り返す。これはイタリアの靴職人たちが昔から行っていたやり方と同じ。それらを採用しつつも、効率的な生産ラインを構築しているのが、トッズ最大の特徴。繰り返し行われる厳密なチェックがあるからこそ、細部に至るまで高い満足度が得られるトッズの靴。特に足首まですっぽりと包まれるショートブーツならよりいっそう、その履き心地を満喫できるはずだ。

下にいくにつれやや太くなる特徴的なヒールと、かかとにあしらわれたラバーぺブルがポイントのショートブーツ。カーフスエードが優しく足を包み込み、内側のジッパーで履いたり脱いだりもラク。ソール部分にもラバーペブルが施されているからとても歩きやすい。ショートブーツ(H7㎝)¥76,000・レザーコート(ベルトつき)¥733,000/トッズ・ジャパン(トッズ) タイツ/スタイリスト私物
3.靴通もうなる正統派英国ブランドの逸品
Church’s
チャーチは、トーマス・チャーチとその3人の息子、アルフレッド、ウィリアム、トーマスジュニアが1873年に、中世から靴産業で栄えたイギリス・ノーサンプトンに設立。
チャーチは非常に手間ひまのかかる製法を採用していて、ほかには類を見ないほど複雑な工程の靴作りで知られている。現在もノーサンプトンの工場でその全工程を職人が手作業で行っており、工程数は250にもおよぶという。

センスある女性が愛する定番ショートブーツとして世界中で愛されているのが、サイドゴアタイプ。今季はこれにモンクストラップが施されたスタイリッシュなモデル「STELLA」も登場。つややかなバーガンディカラーが新鮮な印象。秋冬のおしゃれにチャーチの名品ショートブーツがあれば、おしゃれの格が数段上がるはずだ。


定番の「KETSBY」にダブルモンクを施した「STELLA」は’17年秋冬の新作。素材は、樹脂加工を施したカーフ素材のポリッシュドフメカーフを使用し、雨に強く、お手入れも簡単。バーガンディカラーでエレガントに仕上げられた一足は、新名品の一番手。ショートブーツ「STELLA」(H4㎝)¥74,000・傘¥28,000/チャーチ 表参道店(チャーチ) トップス・スカート・タイツ/スタイリスト私物
4.独特の色とツヤ、美しきレザーに魅せられて
Berluti
そのアーティスティックな雰囲気の靴で、パブロ・ピカソやジャン・コクトー、さらにはアンディー・ウォーホル、イヴ・サンローランなど、名だたる芸術家たちをも魅了した、高級紳士靴ブランド、ベルルッティ。
そんなベルルッティから待望のウィメンズコレクションが発表されるというニュースが話題になったのが今春。実は、これまでもグレタ・ガルボやパティ・スミス、ソフィー・マルソーなどの女性たちがビスポークや特注品の靴を愛用していたという事実もあり、ウィメンズコレクションは、まさに満を持しての登場だ。ラインナップは、メンズとは違う木型を使った5型。

なかでも注目したいのが、英国風の美しさとシューメーカーのノウハウが融合した「クラシック チェルシー ブーツ」。透明感あるヴェネチアレザーに芸術的なパティーヌが施され、うっとりするような美しさ。コートなど重衣料に目がいきがちなこの季節の足もとに、圧倒的な存在感を醸し出してくれるはずだ。

’60年代にイギリスのモッズたちの間で流行したトラディショナルな乗馬アイテム。それをモダンに作り直したチェルシーブーツ。女性用モデルでは、スピンドルラインを強め、つま先の贅沢なアーチを強調。「クラシック チェルシー ブーツ」(H2.5㎝)¥204,000・コート¥342,000・パンツ¥171,000・バッグ¥249,000・スーツケース¥950,000/ベルルッティ・インフォメーション・デスク(ベルルッティ)
5.履いた人から虜になるアイコニックで小粋な相棒
Maison Margiela
メゾン マルジェラは、フランスを拠点とするファッションブランド。アイコン的存在として広く知られているのが「タビ」シューズ。伝統的な日本の履物である足袋に着想を得て、その2つに割れたつま先のフォルムと、円柱型のシリンダーヒールを特徴とするブーツからスタートしたシリーズだ。
’89年春夏コレクションに登場した初の「タビ」ブーツは、その画期的なシルエットと個性あふれるスタイリッシュさで話題となった。以来20年以上の歴史をもち、その間、毎シーズン、さまざまなカラーや加工、バレエシューズ、パンプスなど多くのフォルムでアップデートされている。独特のフォルムなのに、足を入れると、内部で足指がほどよく固定され、ヒールにありがちな不自然な力のかかり具合がまったく感じられない。

8㎝のヒール高も気にならず、とてもラクに歩くことができる。脚だけでなく体の健康も気になるエクラ世代こそ愛用したい伝説のブーツ。一度履いたらその快感ともいえる装着感の虜になるはず。

本当の足袋のようにバックのフックで開閉する。華やかな光沢のあるパテント素材が新鮮。「タビ」ブーツ(H8㎝)¥140,400・ツイードジャケット¥345,600・ツイードスカート¥102,600・シャツ¥105,840・ショルダーバッグ¥248,400/メゾン マルジェラ トウキョウ(メゾン マルジェラ) 楽器ケース・タイツ/スタイリスト私物
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