【金子ノブアキさんインタビュー】このドラマが何かのきっかけだったり2、3日分の燃料になれば

不倫、モラハラ、経済的DV。女性を苦しめる“クソ夫”を成敗する展開がなんとも痛快なドラマ『「離婚弁護士 スパイダー」〜慰謝料争奪編〜』。金子ノブアキさんは、主人公の元夫で同じく弁護士の一ノ瀬達也を演じている。
金子ノブアキ
衣装協力/ラッド ミュージシャン 原宿

「ドラマで描かれるのは極端なパターンですけど、自分も含めて、やっぱり男って生物的にアホなので(笑)。夫婦の間での“言ってよ”“察してよ”の応酬や日常のちょっとしたことから、気づいたら大変なことになっていたという場合もあると思うんです。でも、意見が対立したときは、絶対に男が謝るべきですね。基本的に男性と女性って、子供と大人ぐらい違うものだと思うので」

とはいえ、素顔の金子さんはダメ夫にありがちな靴下脱ぎっぱなしなどとは無縁の、デキる夫。

「逆に僕は神経質なので、撮影現場に持っていくものや音楽の仕事のものも全部、置き場所が決まっています。独身時代は物が少ない家だったんですが、子供がいるとそういうわけにもいかないので、そのあたりはちょっと寛容になれたと思います。あと、車の運転は自分の担当なので、雨だ!と思ったら車で家族を迎えにいったり、できることはやるという感じですかね。でも、かなり酔って帰ると、いったん落ち着こうと玄関前に座ってそのまま寝ちゃって、“はっ、あぶない!”というときがあります(笑)」

ドラマでは今後、達也の背景や抱えてきた問題も描かれ、その人物像が鮮明に浮かび上がってくる。「田島令子さん演じる母親とのシーンは達也にとって『〜慰謝料争奪編〜』のクライマックスともいえる、真に迫ったものになっていると思います。僕も現場で気になったことは細かい部分でも監督たちと相談するし、ライブ感をもって達也というキャラクターをつくっていけるのがうれしいですね。今、ドラマは配信が増えて、勢いで駆け抜けるというより残っていくものになっているからこそ、より丁寧にという意識はみんな強いと思います」

今作では、苦しみの先に新たな人生を自分らしく切り開いていく女性たちの姿も印象的だ。

「このドラマは、限りある人生をどう過ごすかというのも大きなテーマだと思うんです。そういうときにこのドラマが何かのきっかけや2、3日分の燃料になれば、我々は最高に幸せです。人生は若いうちに駆け抜けるものだと思っていたけど、逆でしたね。ジェットコースターでいうと、30代ぐらいまでは“いい景色だぜ”と進んで、そこから一気に時間の流れが早くなる。だから、うだうだ言ってないで、いろんなことをやらなきゃと思うし、ほどよく力を抜きつつ、人生後半を思いっきり楽しんでいけたらと思います」

金子ノブアキ

金子ノブアキ

かねこ のぶあき●’81年、東京都生まれ。ロックバンドRIZEのドラマーとして活躍。ソロでの音楽活動も精力的に行うほか、俳優としても活動。NETFLIX『今際の国のアリスseason1、2』(’20年/’22年)、映画『マッチング』(’24年)など出演作多数。現在は『劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵』が公開中。11月28日からAmazon Prime Videoにて『推しの子』が配信、12月20日には映画が公開に。

『「離婚弁護士 スパイダー」~慰謝料争奪編~』

『「離婚弁護士 スパイダー」 ~慰謝料争奪編~』
©NTV

理不尽な結婚生活に苦しむ女性たちのために戦う敏腕弁護士、美雲飛鳥が繰り広げる痛快リーガル・エンターテインメント。出演は高橋メアリージュン、金子ノブアキほか。日本テレビほか金曜24時30分〜放送中。セカンドシーズン『〜偽りと裏切り編〜』は’25年に放送予定。Huluでは放送に先駆け先行独占配信も。

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