【雨宮塔子 大人を刺激するパリの今】セレクトショップの新カフェ

雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。8回目のテーマは「パリにあるセレクトショップの新カフェ」。パリを代表するセレクトショップ「メルシー」の2つのカフェを紹介していただきます。
『ル・ユーズドブックカフェ』の中庭が見える席で。

『ル・ユーズドブックカフェ』の中庭が見える席で。「秋の雨の日もいいですし、赤い『チンクエチェント』が雪をかぶっていたりする風景もきれいなんです」と雨宮さん。ここではパソコンを持って仕事をしたりせず、ひとり時間や親しい人との時間を楽しむ

『ル・ユーズドブックカフェ』の午前のメニューから。手前は卵、バターとコンテチーズのタルティーヌ(€13)、右上はフロマージュブラン、自家製グラノーラとフルーツ(€10)

『ル・ユーズドブックカフェ』の午前のメニューから。手前は卵、バターとコンテチーズのタルティーヌ(€13)、右上はフロマージュブラン、自家製グラノーラとフルーツ(€10)

❷手前の黒い椅子のほうが『ル・ユーズドブックカフェ』のテラスで、奥のピンクの椅子のほうが新しくできた『メルシー ノワール』のカフェ

手前の黒い椅子のほうが『ル・ユーズドブックカフェ』のテラスで、奥のピンクの椅子のほうが新しくできた『メルシー ノワール』のカフェ

キャロットケーキ(€8)

1キャロットケーキ(€8)

クロック・ ムッシュとサラダ(€19.50)。④⑤とも『ル・ユーズドブックカフェ』。軽食のメニューが充実しているのもこのカフェのいいところ 

2クロック・ムッシュとサラダ(€19.50)。1.2とも『ル・ユーズドブックカフェ』。軽食のメニューが充実しているのもこのカフェのいいところ

『メルシー ノワール』のスイーツ。手軽にテイクアウトできるラインナップになっている

『メルシー ノワール』のスイーツ。手軽にテイクアウトできるラインナップになっている

懐かしくて新しいパリ「メルシー」のカフェ

パリのカフェといえば、いつもの常連さんが新聞を読んでいるようなイメージがありました。けれども、今回ご紹介する「ノワール」のようなコーヒーショップが市内に続々とオープンしたことで、だいぶ変わってきている気がします。私の場合、アポイント前の時間調整に利用したりしますが、コーヒーの味が確かなのもうれしいところです。なかでもパリを代表するセレクトショップ「メルシー」に新しく入った「ノワール」は、特にかわいらしいしゃれた雰囲気。ジョギング帰りにコーヒーを買う人がいたり、ベビーカーをはさんで若いカップルがひと息ついていたり……。そこには開放的でどこかアメリカのような空気感があるように思います。

「メルシー」のカフェといえば『ル・ユーズドブックカフェ』が昔から私のお気に入り。本に囲まれ、中庭が見える席で雨を見ていたりするとものすごく落ち着く。何もしない時間を愛(いと)おしいと思える空間なのです。ずっと変わってほしくないパリと新しいパリ。そのコントラストがこの2つのカフェに象徴されています。

DATA

111 boulevard Beaumarchais 75003 Paris

『Merci NOIR』
月〜木曜8:00〜18:00、金曜8:00〜19:00、土曜9:00〜19:00、日曜9:00〜18:00
https://merci-merci.com/pages/le-cine-cafe

『Le Used Book Café』
10:00〜18:00
https://merci-merci.com/pages/le-used-book-cafe
いずれも無休

【雨宮塔子 大人を刺激するパリの今】セレクトショップの新カフェ_1_7

この日のファッションは黒。ジャケットはMANGO。’24年のヴィクトリア・ベッカムとのコラボレーションシリーズ。パンツは数年来愛用しているJOSEPH、足もとはAMINA MUADDIのミュール

Le contraste entre les deux cafés symbolise l'ambiance actuelle de Paris.

――2つのカフェのコントラストが、今のパリの気分を感じさせてくれます。

Toko Amemiya

Toko Amemiya

フリーアナウンサー・エッセイスト。6年間のアナウンサー生活を経てTBSを退社。フランス・パリに渡り、フランス語、西洋美術史を学ぶ。’16年から3年間『NEWS23』のキャスターを務める。その後拠点をパリに戻し、執筆活動のほか、美術番組への出演や現地の情報をメディアに発信している。新刊『MY HOME, MY LIFE.』(光文社)が好評発売中!
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