新コレクションもお目見え! 大人だからこそ楽しい、東京国立博物館へ【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#96】

東京国立博物館が、一部リニューアルし、新たな文化財も公開して「東博コレクション展」としてリニューアルスタートすることに。スペシャルサポーターの佐々木蔵之介さんも駆け付けた内覧会に行ってきました。
ウェブエクラ編集長 シオヤ

ウェブエクラ編集長 シオヤ

50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
東京国立博物館 建物
上野の東京国立博物館にいらしたことは、ありますか? 東博(以下、略します)の表慶館や法隆寺宝物館にはイベントなどで時折伺うのですが、行きたかった2022年の「国宝展」も行けず、本館でしっかりと展示を見た記憶はとんとなく……。常々、行ってみたい、とは思っていたのです。

その東博では、所蔵品や寄託品で構成される文化財を「総合文化展」と称して常時5つの展示館で約3,000件展示しているそうですが、この4月から「東博コレクション展」と名称を変え、同時に本館の第11室をリニューアルし、新たな展示内容になるとのことで内覧会が開かれました。

当日はスペシャルゲストもいらっしゃるとのことで、わくわくしながら伺いますと……。
東京国立博物館 佐々木蔵之介 トークショー
俳優の佐々木蔵之介さんが、「東博コレクション展」スペシャルサポーターに就任されたとのことで、浅見龍介副館長とトークセッションをされていました。京都出身で、二条城の近くで育ったという佐々木さんは、文化財とは幼いころから身近な存在であったとか。静かな博物館の中で、説明を聞きながら展示を鑑賞されたのを「贅沢な時間」と話しつつ、スペシャルサポーターに就任されたことを「大変光栄です」と語っていらっしゃいました。
東京国立博物館 第11室
今回のリニューアルにあわせて、2022年に「東博コレクション」に加わった《金剛力士立像》(平安時代・12世紀)が公開されることに。展示される第11室(彫刻)を見学させていただきました。この天井の高い重厚な石造りの建物。細かい意匠を見ながら歩くだけでも、アガります……!
  • 東京国立博物館 金剛力士立像

    金剛力士立像(吽形)

  • 東京国立博物館 金剛力士立像

    金剛力士立像(阿形)

入口を入ってすぐに、どーん!と姿を現す「金剛力士立像」。平安後期に作られ、滋賀県栗東市にかつてあった蓮台寺の門に安置されていましたが、台風の影響などで大破。とても細かい修理の結果、このような立派な姿を取り戻して展示にいたったそう。どちらも高さ3メートル近い立像は、ど迫力です!

東博では今回のリニューアルで新たに3台の展示ケースが導入され、高透過ガラスとケース内照明で、作品の細部や彩色までより分かりやすく見られる環境になったとか。こういった進歩はうれしいですね。
東京国立博物館
第11室に置かれている像が、どれもとても美しく展示されていることに驚きます。照明が効果的で、まさに宝である文化財が、さらに神々しく見えます。しかも確かに細部まで分かりやすい! こちらの「不動明王立像」は11世紀の木造彫刻だそうですが、銅像かのような重厚さ。
東京国立博物館
こちらは「大日如来坐像」。11~12世紀のものだとか。美しい像が背景から浮かび上がり、さらに存在感を増して感じられる展示です。高い天井に広々とした空間の中、貴重な彫像がたたずむ第11室、厳かでありながらワクワクする場であります。

本館のミュージアムショップでは、「金剛力士立像」のトートバッグやアクスタなども新発売されたそう。忘れずに立ち寄りたいところです。
さて、この内覧会では、法隆寺宝物館の新しい展示も拝見させていただきました。エントランス前の水面に建物が映り、いつ来ても美しい宝物館です。
東京国立博物館 宝物館
東京国立博物館
そもそも法隆寺宝物館は、明治11年(1878年)に奈良の法隆寺から皇室に献納され、戦後は国に移管された宝物300点あまりを収蔵しているのだそうです。同じく古代美術のコレクションとして知られる正倉院宝物が8世紀の作品が中心である一方で、こちらにはさらに古い7世紀の宝物も多いのだとか。
東京国立博物館 法隆寺宝物館
法隆寺献納宝物の「伎楽面」31面が、一括して国宝1件に新たに指定されることが決まったそうで、そちらも内覧会で見せていただきました。
保存上の観点から、金曜・土曜のみの限定公開だそうなので、ご覧になる際は注意してみてください。

エントランスから歩を進めて「第3室」に入ります。
東京国立博物館
……ありました! こちらがその「伎楽面」。7~8世紀、飛鳥時代のもので、中世には廃絶してしまった芸能の「伎楽」で使われた面、とのことですが、どれもイメージしていたより大きく感じます。31面のうち、一部お貸出し中だったりするものもあり全てが一堂に会して、というわけではないのですが、一つ一つが趣があって、面白い! 
東京国立博物館
「伎楽面 太孤児」と説明があります。「伎楽面 太孤父」というものと対になっているそうで、子どもの面なのでしょうか。クスノキ製で、31面のうち、最も古い7世紀のものだそうです。
東京国立博物館
「伎楽面 酔胡王」は、かなり大きな面です。酔胡王とは、調べてみると「泥酔した胡(古代ペルシャ)の王」という意味だそうで、高い王冠をかぶっています。
こちら、人がかぶるもの、と考えるとかなり大きいです。桐製で8世紀につくられたものだそうですが、現代人よりはるかに小柄であろう、昔の人々がこれをかぶって、歩いたり舞ったりしていたのか……と考えると「……それはかなり大変だったのでは……」と思わざるをえないサイズ感。そんなことを感じられるのは、実物が見られる博物館ならではです。
東京国立博物館
横から見ると、また滑らかな立体感がよく分かります。どの面も、とてもイキイキとした表情ですが、お顔の造形のなんて細やかなことでしょう。精緻でありながら、大胆でもあり、1000年以上経った今、こんな傑作が見られる幸せを感じつつ、また佐々木蔵之介さんのおっしゃるように「贅沢な時間」を楽しみました。
東京国立博物館の桜
外に出ると、この時はまだ桜が。国立博物館をはじめ、上野公園には立派な美しい建物がたくさん! 素晴らしい建物に桜が映えて、夢のような時間でした。

博物館から、しばらく足が遠のいている方もいらっしゃるかと思います。子どもの頃は分からなかった、博物館の魅力。今回久しぶりに博物館を訪れてみて、それは確実にあると思いました。エクラ世代だからこそ分かる、その魅力に触れにいらしては如何でしょうか。

<東京国立博物館 東博コレクション展(平常展)

〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

JR上野駅公園口、鶯谷駅南口より徒歩10分

開館時間:9時30分~17時 毎週金・土曜日は20時まで

休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)

※伎楽面は作品保護のため、金・土曜のみ法隆寺宝物館で公開

▶︎東京国立博物館の詳細はこちら

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