2026年4月9日に「本屋大賞」の受賞作が発表され、大賞に朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』が選ばれました。そこで今回は、毎月お届けしている連載「今月のおすすめ本」で紹介したおすすめ本の中から、朝井リョウさんの『正欲』と『そして誰もゆとらなくなった』をピックアップ。ゴールデンウィークのおうち時間にぜひチェックしてみて。
『正欲』
常識と魂を揺さぶる、作家生活10周年記念作
朝井リョウ
新潮社 ¥1,870
不登校の息子をもつ検事、男性恐怖症ぎみの女子大生、特異な性的嗜好を隠し孤独に生きてきた寝具店勤めの女性。やがて世間を揺るがす児童ポルノ事件で逮捕される者たちと深くかかわり合うことになる3人の視点で、物語は進んでいく。読むほどに、これまで信じていた「あたりまえ」が粉々に打ち砕かれる。正しい性欲ってなんなのか。この世に、あってはならない欲望や、いてはならない人間が存在するのか……。多様性という言葉に託して著者が投げかける問いは、重い。
『そして誰もゆとらなくなった』
クヨクヨが吹き飛ぶ爆笑エッセー集
朝井リョウ
文藝春秋 ¥1,540
〈わんぱくな便意〉に翻弄されトイレを求めて夜の銀座をすり足で高速移動したり、ホールケーキを19日間で5個平らげ脂質異常症になったり。直木賞作家が卓越した表現力を駆使して描くトホホ体験に、おなかの皮がよじれまくり。吹き出すたび、悩みや疲れも飛んでいきそう。
※エクラ掲載記事を元に、再編集したものです。価格は掲載時の価格です。
『正欲』撮影/伊藤奈穂実 原文/細貝さやか ※エクラ2021年7月号掲載
『そして誰もゆとらなくなった』撮影/新谷真衣 原文/細貝さやか ※エクラ2022年11月号掲載