-
シャネルの展覧会「la Galerie du 19M Tokyo」が開催!パリ「le 19M」の魅力に迫る
le 19Mは、パリ19区と開発が進むオーベルヴィリエ地区の境に立つ、ランドマーク。メゾンダールのアトリエと併設で、一般ビジターにもサヴォアフェールのすばらしさを実感・体験できるスペースが。
森英恵、生誕100年記念の展覧会が開催中!元祖「ヴァイタル・タイプ」の創作の原点とは?
ヴァイタル・タイプとは
いきいきとして、さっぱりとすがすがしく、 仕事に暮らしに、自分らしく取り組む女性 ――森さんが『装苑』で提唱した女性像。
始まりは習い事。新婚生活が暇で、隣町の洋裁学校へ
“あすは日曜日、のんびりできると思うと口笛を吹きたくなる。土曜の夜って、なんて素敵なんだろう”
これは20代後半の森英恵さんが、当時の女性誌につづった日記の中の一文だ。こんな文章もある。
“仕事に入る前に、新宿の店の近くで、パンや肉や果物などの買い物をすませる。「変わったジャムが食べたい」という子どもたちのために桃のジャムを買い、チーズの好きな夫には、スイス製のを切ってもらう”
やりがいのある仕事をもち、家に帰れば母であり妻である人の、いきいきとはずんだ気持ちが伝わってくる。
若いころから晩年にいたるまで、雑誌のインタビューや著書で自身を語ることを厭(いと)わなかった人だ。国際舞台で活躍する厳しさ、つらさ、おもしろさや家族への思い、時には本音も、包み隠さぬ言葉で彼女は紙上に残してくれている。
デザイナーになったのは、「習い事」がきっかけだった。1946年に東京女子大学を卒業後、すぐに結婚したが、専業主婦の暮らしは退屈すぎる。当時住んでいた町の隣の駅、吉祥寺にあるドレスメーカー女学院に通いはじめた。「家事だけのために10本の指はいらなかった。家族の服くらい自分でつくりたい。そんな軽い動機で、新婚3カ月目に洋裁学校に入ったんです」
自分を変えたいと思うとき、習い事をしてみるのは私たちの常套手段。森さんも始まりはそうだった。もともと、絵を描くことなどが好きなアーティスト志向。洋裁の勉強を始めると「これがとてもおもしろいんですね。まもなく妊娠しましたが、それでも夢中で続け、結局、卒業するまで2年間、通いました」。
学校を出ると、服づくりへの情熱が冷めやらず、結婚時に実家が持たせてくれた貯金と、夫の援助を元手に新宿に洋装店「ひよしや」を開店。彼女の服はまたたく間に大人気となった。お手伝いさんに細かく指示を出してふたりの息子の世話を頼み、森さんは“女ナポレオン”の異名をとるほどに睡眠時間を削って働いた。
仕事になんとかキリをつけて、幼稚園のお迎えに行くと、みんなが帰った誰もいない園庭で、自分の息子ひとりが遊ぶ寂しい情景をたびたび目にした。「かわいそうだと思いました。でもそのころはまず人生の基盤をつくることに無我夢中でね。結婚と出産をすませて、とにかく20代の内に、自分の仕事に取り組む環境とライフスタイルをつくってしまいたかった」
そんな森さんが「デザイナーをやめてしまおうか」と思い悩んだことがある。日本ファッション・エディターズ・クラブ賞を受賞した34歳のころだ。
自分のために、パリでシャネルスーツを注文した日
あまりにもハードな生活。それに自分がつくり出すモードと、当時の日本人のライフスタイルが合わない矛盾にも悩んでいた。“こどもたちも幼かったし、こんな激しいくらしはもうたくさんだといった気分で、ちょうどよい機会だからデザイナーをやめてしまいたいと本気で考えた”と著書『あしたのデザイン』(新潮文庫)に書いている。
このときは懇意にしていた洋裁雑誌の編集長に「疲れているからだよ。仕事から離れてパリに行ってらっしゃい。それから決めればいい」と助言され、思いきってパリへ飛んだ。
1カ月間、フランス語の学校へ通い、午後はひとりカフェでお茶を飲むゆったりとした日々。オートクチュールのショーをいくつか見て、ココ・シャネルの服を目前にした森さんは「人の服ばかりつくってきたので自分の服を仕立ててもらいましょう」とシャネルスーツをオーダーすることに。
シャネルのサロンへ行くと、ココ本人やスタッフの目に、森さんのまっすぐな黒い髪がひときわ美しく映ったようだ。それで黒髪に映える鮮やかなオレンジ色の布地をすすめられたが、1ドル360円の時代に数千ドルもする高価な服で、さすがに冒険することはできない。ベージュの地に、黒とオレンジと抹茶グリーンのネップが飛んだツイード地を彼女は選んだ。
明日はパリを離れるという日、白い大きな布張りに「CHANEL」と黒で押した箱がホテルに届いた。早速着てみて、森さんの心が変わった。スーツにはデザイナーの確固たる哲学が詰まっていた。
“女を知り尽くした服だと思った。(中略)鏡のなかの自分を見ながら、ゴムで結わえピンで止めた長い髪を、「東京に帰ったら、切ろう」と思った。パリをたつ頃には、この仕事を「面白そうだ、やっていこう」と考えるようになっていた”(岩波新書 森英恵『ファッション─蝶は国境をこえる─)より。
『生誕100年/森英恵/ヴァイタル・タイプ』
生誕100周年を記念した展示が
故郷、島根で開催する没後初となる大規模展覧会。映画の衣装、オートクチュールのドレスのほか、写真や映像などを含め約400点を通して、森英恵の生き方とものづくりの哲学を紐解く。「働く女性を応援してきた、森英恵のつくる服の質のよさに注目してほしい。間近に見られる貴重な機会です」と学芸員の廣田理紗さん。メトロポリタン美術館収蔵のドレスも特別展示。
Data
島根県益田市有明町515
開催期間/~12月1日
開館時間/9:30~18:00(最終入場は17:30)
定休日 火曜 観覧料/当日一般¥1,300
アクセス/東京からは萩・石見空港からがおすすめ。東京・羽田空港から萩・石見空港までは約90分、空港から美術館がある益田市内まで車で約10分と、アクセスがいい。一日2便ある。
島根県立石見美術館(島根県芸術文化センター内)
屋根も壁面も、地場産の石州瓦で覆った赤茶色の美しい建物。メンテナンスフリーなガラス質の表面で、建築家・内藤廣いわく「数百年はこのままの状態を保つ」。美術館は大小4つの展示室をもち、スケールの大きな企画展を開催。美術館創設の準備段階から森英恵にアドバイスを仰ぎ、ファッションのコレクションに力を入れるほか、職員の制服も森英恵がデザインしている。
-
【パリクリエイターたちのインテリア】50代が参考にしたい「こだわりの住まい」を披露
クリエイターたちにとって、住まいはいわば作品であり、想像力を培う場所でもある。パリ左岸の3人の女性デザイナーたちの家をたずねて、クリエイションとライフスタイルの本質を探った。
-
10月は何色を着るのがおしゃれ?50代をセンスよく見せるトレンドカラー別の秋コーデ
秋服が欲しいけど何色を選べば素敵に見える?今季のトレンドカラーであるブラウン、ベージュ、グレーは、どれも品よく、こなれ感を演出できる大人に似合う色。派手すぎず、それでいて地味に見えない。この3色をどう着こなすかで、印象はぐっと洗練される。
What's New
-
松ヶ崎由紀子さん「自然の中で自由に過ごすことが自分らしい豊かな時間」【エクラ華組 心のラグジュアリーが育つ時間vol.9】
アラフィー読者モデル エクラ華組の連載「"心のラグジュアリー"が育つ時間」。第9回は、骨格パーソナルスタイリストとして活躍する松ヶ崎由紀子さん。松ヶ崎さんが、心の豊かさを育むために大切にしていることについて話を伺った。
カルチャー
2025年12月3日
-
決してとは決して言わないこと。ーNe jamais dire jamais.【フランスの美しい言葉 vol.44】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年12月1日
-
愛の喜びは束の間しか続かず、愛の苦しみは一生続く。ーPlaisir d'amour ne dure qu'un moment, Chagrin d'amour dure toute la vie.【フランスの美しい言葉 vol.43】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年11月24日
-
【柚香 光さんインタビュー】メンタルもフィジカルも、変貌する主人公のように私も変わっていきたい
大河ファンタジー小説『月の影 影の海 十二国記』のミュージカルに出演する、元宝塚歌劇団花組トップスターの柚香光さん。舞台への意気込みをはじめ、男役の芸をひたすら磨き、センターに立ち続けた日々をふり返る。
カルチャー
2025年11月22日
-
【雨宮塔子 大人を刺激するパリの今】豊かな田園風景が広がる、夢のオーベルジュ
雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。最終回のテーマは「夢のオーベルジュ」。パリから1時間の別世界『ル・ドワイエネ』をご紹介。
カルチャー
2025年11月18日
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
「幹細胞コスメ」大人の最適解とは?
シミ、シワ、たるみ、毛穴悩みに。大人肌のスキンケアの最適解
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
大人のきれいめデニムを探しているなら
イタリアの感性と日本の職人技の美しき融合、ジーフランコのデニム
-
年末年始の華やぎシーンは自信のある髪で!
人気ヘアマスク「Gyutto(ギュット)」で美映え髪に
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
【40代・50代におすすめの髪型カタログ】おばさんぽくならない!冬に似合うショート・ボブ・ミディアム・ロング別ヘアスタイル
最近同じ髪型でも以前と比べてスタイルが決まらない…。髪のうねりや薄毛、白髪など40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知って…
-
50代、冬のアウターは何を買う?カジュアルにもエレガントにも決まる「最旬アウター」36選
冬のおしゃれを左右するアウター選び。軽さや暖かさはもちろん、素材の上質感やシルエットの美しさまで、エクラ世代には機能性と洗練さが欠かせない。カジュアルにもエレガントにも映える一枚を選べば、日常から特…
-
秋から冬まで長く楽しめる!季節の変わり目に活躍する「50代のアウター」【ファッション人気ランキングTOP10】
ウェブエクラ週間(2025/11/16~11/22)ランキングトップ10にランクインした人気ファッションをピックアップ!毎日のコーディネートに取り入れやすく、秋から冬まで長く楽しめる「50代のアウタースタイル」をご紹介…
-
12月は何を着る?50代に似合う服が見つかる!最新ファッションコーデ・アイテムカタログ
40代50代女性におすすめのコートやパンツ、ワンピースなどの最新ファッションアイテムや話題の美容アイテム、生活雑貨など、今買うべきアイテムを厳選してご紹介。トレンドを上手に取り入れ、自分らしく上品なスタ…
-
冬のおしゃれが華やぐ!上品で女性らしい「50代のボブへア」19選
季節の変わり目こそ、髪型で印象をアップデート。50代の女性にこそ似合う、上品で女性らしい「秋のボブヘア」を厳選。顔まわりを美しく見せる工夫や、秋の装いに映えるスタイル満載。