’26年大河ドラマ『豊臣兄弟!』ほか「歴史エンタメ」進化中!時代に宿る"知の快楽”が大人を刺激する

その時代の魅力に現代のセンスが加わり、歴史を新鮮な視点で楽しむエンターテインメントが続々。今こそ注目必至の作品を厳選!

ムロツヨシさん×佐藤二朗さん対談

定着したイメージをくずすと新しい魅力が見えてくる

ムロツヨシ 佐藤二朗
[ムロさん]ジャケット¥198,000(NEEDLES)・靴¥34,100(TROENTORP)/以上ネペンテス ネックレス¥33,000/ur その他/スタイリスト私物

ムロ 時代劇というと、子供のころに身近だったのは、やっぱり『水戸黄門』や『遠山の金さん』。僕が小学校時代にテレビで見ていた黄門さまは、西村晃さんでした。

佐藤 初代・東野英治郎さんの次だ。

ムロ そう。だから、時代劇で学んだのは歴史そのものというより、悪いことしたらバレますよ、いつか痛い目にあいますよという、道徳的なことが強かったかもしれません。

佐藤 俺は、『座頭市』と……昔はお正月に長時間の時代劇を放送してたんだよね。その中の1作で、名優・萬屋錦之介さんが出演されてた、それこそ坂本龍馬の話(『竜馬がゆく』’82年放送)。錦之介さん演じる龍馬が近江屋で暗殺される場面で、頭を斬りつけられて血が噴き出す瞬間、画面が白黒になって「脳が……脳が……」っていうんだよ! 衝撃的で、今も忘れられない。

ムロ うわー。あとは、やっぱり大河ドラマかな。『どうする家康』(’23年)で豊臣秀吉をやらせてもらいましたけど、放送中、銭湯に行くと年配のかたがたに「太閤と同じ湯に!」なんていわれたりして。

佐藤 ハハハ。俺は『平清盛』(’12年)で貴族の役をやったとき、毎回、お歯黒を塗ってました。新鮮だったなぁ。映画でも、最近はいろんなタイプの時代劇が出てきたよね。『侍タイムスリッパー』(’24年)なんて、深い時代劇愛を感じたもん。

ムロ うん。人ってやっぱり、その時々で変わるんですよね。だから、時代劇や、そこに登場する人たちの描き方が解釈によって変わるのは当然で、そこに時代劇の魅力があるのかもしれない。僕らの新作『新解釈・幕末伝』も、まさに幕末という時代の解釈の違いがテーマで。

佐藤 幕末って、熱いよね。出てくる人が皆、ものすごい熱を発してる。

ムロ そんな中で、僕が演じる坂本龍馬は、いつも「まあまあまあ、なんとかなるんじゃないですか?」といってる、調子のいいタイプ。で、そんなんじゃ時代は動かないよ!ってまわりからいわれても、結果、動かしちゃってる。今の世にもこんな人がいたらいいんじゃないのかなという、僕の願いもこめています。

佐藤 西郷隆盛はもちろん大偉人で、これまで名だたる俳優たちが演じて、名作を生み出してきた存在。体つきや「おいどんは」という薩摩弁にも、定着したイメージがあったよね。でも、今回は『新解釈』だから。実は蚊の鳴くような声でしゃべる人だったかもしれないよ?と、ある意味、これまでのイメージを壊してみようと。

ムロ フフフ。でも、二朗さん演じる新解釈・西郷隆盛の感情の変化が、ストーリーの軸を担ってますよね。

佐藤 だから、福田雄一作品で期待される笑いも、今回、俺は完全に封印した。もう血は流したくないけど、国のためには戦うしかなかった西郷の葛藤を伝えようと思ったんです。

ムロツヨシ 佐藤二朗

「あの時代」も、きっと時代劇にできるはず!?

ムロ 時代劇には扮装の楽しみもありますよね。龍馬もですけど、昔の人は刀を提げてたりする。武器を持つって、今の僕らにはない価値観で。

佐藤 捕まっちゃうもんなぁ。

ムロ それに、命の危険がずっと身近にあるってことじゃないですか。その危機感を思い知らされました。

佐藤 確かにね。この作品も江戸末期が舞台だけど、出演してる『歴史探偵』で識者の話を聞いてると、江戸時代って知れば知るほどおもしろいんだよね。太平の世の中になって、皆の気持ちに余裕が生まれて、文化が栄えて……例えば、数学が流行したのも江戸時代。町人たちが数学クイズを出しあって遊んだりしてて。

ムロ へえーっ。

佐藤 江戸期に始まった浮世絵はその後、明治の時代にジャポニスムとして広まって、世界中で日本ブームが起こったわけじゃない? それを知ると、俺らの先祖って偉大!って改めて感じるし、なにより、やっぱり平和って尊いんだなと思うよ。

ムロ 本当に、そうですね。平和で、豊かな……。あの、それでいうなら僕、ひとつ希望があるんですけど。

佐藤 何?

ムロ 僕、縄文時代を舞台にしたドラマをやってみたいんですけど、時代劇に興味をお持ちの読者のかたにも、ぜひ応援していただきたくて。

佐藤 えーっ!?

ムロ 「激動の縄文から、弥生へ」って時代劇があってもいいじゃないですか。大河ドラマにどうかって、ことあるごとにいってるんですけど、誰も振り向いてくれません。でも僕、ぜんぜんあきらめてませんから!

佐藤 それは……ちょっとなぁ(笑)。でも、「武士はこういう人」とか「町人はこう」とか、歴史の定番のイメージを、それこそ新解釈でくずしながら演じるのって、どの時代でもおもしろいだろうなと思う。ほんと、いろんな可能性があるよ。

「あの時代」も、きっと時代劇にできるはず!?
ムロツヨシ 佐藤二朗

「時代も、人も、移り変わっていく。その時ごとの解釈が、時代劇の魅力のもと」――ムロツヨシ

ムロツヨシ

ムロツヨシ

むろつよし●’76年、神奈川県生まれ。最近作に映画『身代わり忠臣蔵』『アンダーニンジャ』、ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』、舞台『muro式.トイ』など。Netflix「九条の大罪」が’26年春に配信予定。

「歴史を知るたび、先祖の偉大さと平和のありがたさを、しみじみ感じるよ」――佐藤二朗

佐藤 二朗

佐藤 二朗

さとう じろう●’69年、愛知県生まれ。最近作に映画『爆弾』『THE KILLER GOLDFISH』など。NHK『歴史探偵』は毎週水曜22:00〜。’26年5月に原作・脚本・主演を務める映画『名無し』が公開される。

映画『新解釈・幕末伝』

映画『新解釈・幕末伝』
Ⓒ2025 映画「新解釈・幕末伝」製作委員会
’26年大河ドラマ『豊臣兄弟!』ほか「歴史エンタメ」進化中!時代に宿る"知の快楽”が大人を刺激する_1_8
Ⓒ2025 映画「新解釈・幕末伝」製作委員会
’26年大河ドラマ『豊臣兄弟!』ほか「歴史エンタメ」進化中!時代に宿る"知の快楽”が大人を刺激する_1_9
Ⓒ2025 映画「新解釈・幕末伝」製作委員会

動乱の時代を率いた二大英傑は、実はこんな人? コメディの帝王、福田雄一脚本・監督による斬新な幕末史を最強タッグで。「僕と二朗さんで真ん中を、という夢がかないました」とムロさん。「幕末の熱と前のめりな現場の熱がリンクしているはず」と佐藤さん。共演に山田孝之、広瀬アリスほか。12月19日公開。

作家・今村翔吾さんインタビュー

’22年に直木賞を受賞した今村翔吾さんは話題作を次々に発表するだけでなく、映像化にも意欲的。そこにこめられた思いとは?

カット割りをイメージして殺陣(たて)のシーンを執筆

カット割りをイメージして殺陣(たて)のシーンを執筆

歴史エンタメで今最も注目されている作品のひとつが、Netflixで配信中の「イクサガミ」。明治初期を舞台に、大金獲得を目ざす強つわの)たちが、決められたルールで戦いながら京都から東京へ向かう“バトルロワイヤル”で、圧倒的な迫力が大きな話題になっている。その原作者・今村翔吾さんは、ある使命感をもってこの作品を書いたという。

「直木賞を受賞して自分の作品作りについて改めて考えたとき、“今までは小説家としての基礎作り。これからは応用編をやっていこう”と思いました。僕には“もっといろいろなかたに本を読んでほしい”という強い気持ちがありますが、時代小説の読者にはシニア世代や男性が多く、若者や女性にも間口を広げなければと痛感しています。そのためのひとつとして考えたのが映像化をイメージして小説を書くこと。『イクサガミ』ではドラマのカット割りを提案する感覚で殺陣のシーンを書いたので、ドラマやゲームで映像に親しんできた人たちが読むと、頭に場面が浮かんでくると思います。東海道の旅ものでもあり、サバイバルゲームでもあり、いろいろな要素があるストーリーなので、たくさんのかたに楽しんでいただけるはず。“原作を読んでみたらこっちもおもしろかった”と思ってもらえたら本当にうれしいですね」

「時代小説は、人間の本質や真理を描かざるを得ないもの。だからおもしろい」

小学5年生のときに池波正太郎の『真田太平記』全16巻を読破したのをきっかけに、時代小説で描かれる人間ドラマに没頭してきたという今村さん。“小説家になるのが夢”となり、ダンスインストラクターなどを経て、書き始めたのは30歳のとき。2年後に念願のデビューを果たすが、それ以来考えているのは“デジタル全盛の今、アナログな時代小説だからこそできること”だ。

「暦や時刻のように現在とはシステムが異なるものがあるなど、時代小説には読者に説明が必要なものが多々ありますが、やりすぎると飽きられてしまう。文字が多すぎて、本を開いたときの見た目が黒っぽくなるのも読者に飽きられる一因。僕は改行したりして、余白を作るようにしています。一方、作中では科学捜査が使えず指紋もとれないから、トリックは作り放題(笑)。文明の利器が排除されることで人間の本質や真理を描かざるを得なくなる。かえって物語としてのおもしろさが増すのではないでしょうか」

「不当な評価を受けている歴史人物を、弁護士になったつもりで再解釈したい」

 幼少期から寸暇を惜しんで時代小説や史料を読み続けてきただけに、“身近なできごとやニュースからテーマを思いつくと、頭の中から背景の時代や主人公になる人物を見つけることができる”と今村さん。

「作品になったものをあげると、秀吉配下の若者たちを描いた『八本目の槍』は、同窓会をきっかけに、変わりゆく仲間の人生と変わらない友情を書こうと思った小説。『じんかん』は悪評高い戦国武将・松永久秀が主人公で、SNSでの炎上が話題になったときに頭に浮かんだ人物です。僕は不当な評価を受けている歴史上の人物を解釈し直したいという気持ちが強い。彼らの弁護士になったつもりで書くと筆がのりますね」

今村さん

“自分を振り返る力”が大事になってくる理由

今村さんは執筆だけでなく書店経営や読者向けのイベントなど多彩な活動にも精力的。そこで実感しているのは女性読者のパワーなのだとか。

「デビューしたころ、僕の読者は男性が8割。でも今は女性が半分近くまで増えてきました。女性読者の特徴は、一度おもしろいと思ったら口コミやSNSなどいろいろな手段を使って作家や作品を推してくれること。読者同士のつながりも圧倒的に女性のほうが強くて、サイン会にチームを組んでやってくるかたたちもいます。とにかく女性読者は楽しむのが上手。作家としては本当にありがたいし、“本にはそういう力があるんだな”ということも感じますね」

“人生に必要なことはすべて学んだ”と語るほど時代小説に魅入られてきた今村さんだが、読者として感じている醍醐味についてうかがうとこんな答えが返ってきた。

「フィクションとはいえ時代小説には史実が含まれていることが多く、“最近もこんな事件があったな”とよく思う。昔の話でもリアリティを感じるし、どうすればいいのか示唆されている気がします。もうひとつ、時代小説の魅力は旅と相性がいいこと。物語の舞台になった場所を訪れると“あの登場人物も同じ景色を眺めたのかな”などと思い、タイムスリップしたような感覚に。食事や景色など、観光の楽しみはいろいろあると思いますが、事前に小説を読んでいると旅がより豊かになります」

 さらに時代小説は“人生でいつか役立つもの”をもたらすことも。

「読書を続けるうちに自然と身につくのが知識や教養。特に時代小説にはそれらを培う力や読む人に“自分を振り返って考えさせる力”がある。最近“ライフハック”という言葉をよく聞きますが、今は即効性が求められる時代。でも長い人生の中には

それだけでは解決できない問題もあって、そこに対応できるのが知識や教養から得たものだと思う。僕がここ数年感じているのは、“恥の文化”が薄らいでいるのではということ。他者の気持ちを想像する力が弱い人が増えて、恥じらいや遠慮がない人が目立ってきたというか。そういったことを考えるとき、時代小説にはなにかしらの学びがあるのではないかと思っています」

今村 翔吾

今村 翔吾

いまむら しょうご●’84年、京都府生まれ。関西大学文学部卒。ダンスインストラクターなどを経て’17年に『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’20年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞を、同年『じんかん』で山田風太郎賞を受賞。’22年『塞王の楯』で直木賞を受賞。大阪「きのしたブックセンター」など書店のオーナーでもある。

今、最も注目したい、今村作品

Netflixシリーズ「イクサガミ」独占配信中
Netflixシリーズ「イクサガミ」独占配信中
「イクサガミ」

今村翔吾

講談社文庫

各¥770~¥1,067

Netflixで’25年11月から全6話配信中の「イクサガミ」は、明治11年、伝説の剣客・嵯峨愁二郎が病で苦しむ妻子の治療代のために莫大な賞金を賭けた"遊び"、「蠱毒(どく)」に挑むというストーリー。岡田准一、藤㟢ゆみあ、清原果耶、東出昌大など豪華キャストが出演。主演の岡田はプロデューサーとアクションプランナーも兼務。原作は文庫で読める

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』

今村翔吾 

祥伝社文庫 ¥814

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』は落ちぶれた江戸の武家火消・松永源吾がある藩の火消組織再建を依頼される話。13作まで刊行中の人気シリーズ第1作

『塞王の楯』(上・下)

『塞王の楯』(上・下)
『塞王の楯』(上・下)

今村翔吾 

集英社文庫 各¥880

『塞王の楯』は戦国時代の一乗谷城の戦いで家族を失った少年が主人公。石垣職人"穴太衆”の塞王に腕を見込まれて成長するが、鉄砲職人"国友衆”にはライバルとなる男がいた。争いの意味を問う直木賞受賞作

直木賞作家多し! 時代小説界を支えてきた作家たち

今村さんは時代小説の流れを第1~7世代に分けてこう解釈している。「黄金期を築いたのが第3世代。人気と実力を兼ね備えた作家ばかりで、その後の時代小説作家はどうしても彼らと比較されることになりました。第5世代には佐伯泰英さんや髙田郁さんなど、手にとりやすい文庫書き下ろし時代小説でヒットを飛ばしているかたがたが。第6世代で目立つのが朝井まかてさんなど実力派女性作家たち。僕はその後の第7世代だと思いますが、映像を意識しはじめた世代でもありますね」。直木賞作家が多く、時代小説の底力を実感する顔ぶれだ。

第1世代

直木三十五 大佛次郎 ほか

第2世代

吉川英治 海音寺潮五郎 山本周五郎 山岡荘八 ほか

第3世代

池波正太郎 司馬遼太郎 藤沢周平 山田風太郎 遠藤周作 ほか

第4世代

宮城谷昌光 北方謙三 浅田次郎 ほか

第5世代

佐伯泰英 山本兼一 髙田郁 ほか

第6世代

朝井まかて 澤田瞳子 ほか

第7世代

永井紗耶子 蝉谷めぐ実 今村翔吾 ほか

今が"旬”の「歴史エンタメ」をピックアップ!

’26年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』をはじめ、話題の歴史エンタメはほかにもたくさん。新たな気づきを得られる没入間違いなしの作品を紹介。

今村翔吾さんセレクト!もう一度堪能したい“豊臣家”を取り巻く物語

『豊臣兄弟!』で僕が注目したいのは秀吉の“負の部分”の描き方。彼にとって厄介な人物が何度も暗殺されますが、たぶん秀吉が秀長にやらせたのだと思う。史料を見ると、この兄弟はある時期から文字が急にうまくなっていて、ふたりとも勉強に励むマメな性格だったと推察されます。出自不明の優秀な兄弟が異例の出世を遂げるという奇跡をどう表現するのか。そのあたりも気になりますね。

今村さん

最初に読むべき“豊臣もの”

『新史 太閤記』司馬遼太郎

『新史 太閤記』司馬遼太郎

"猿"と呼ばれた貧農出身の秀吉が力量を見せはじめていた織田信長と出会い、彼の死後も才覚を生かして天下人にまで昇りつめていく壮大な物語。今も魅力があせない昭和のベストセラー。新潮文庫 上・下 各¥1,045

秀吉の“行政"をリアルに描く!

秀吉の“行政"をリアルに描く!

『五葉のまつり』今村翔吾

豊臣政権を支えた石田三成、浅野長政ら五奉行は、北野大茶会や刀狩りなどの任務をどうやって遂行したのか。力を合わせて難題に取り組む男たちの喜怒哀楽が伝わる、安土桃山時代の"お仕事小説"。新潮社 ¥2,530

奮闘する秀吉に親近感が!

奮闘する秀吉に親近感が!

『秀吉の活』

木下昌輝

就活、婚活、妊活、終活……出世のため、天下をとるため、栄華を維持するため、秀吉はさまざまな活動を必死に行った! 一生を10の活動時期に分けて、現代人にも通じる秀吉の人物像に迫ったユニークな小説。幻冬舎時代小説文庫 ¥1,045

偉大な茶人が秘めていた記憶

偉大な茶人が秘めていた記憶

『利休にたずねよ』

山本兼一

最後まで己の美学を貫いて秀吉に疎まれ、切腹を命じられた千利休。本人だけでなく秀吉や家康など、まわりの人物の言葉から彼の生涯と死の真相に迫った直木賞受賞作。’13年に市川海老蔵(現・團十郎)主演で映画化も。PHP文芸文庫 ¥922

兄の陰で豊臣政権を支えた弟

兄の陰で豊臣政権を支えた弟

『全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯』

堺屋太一

野心家の兄・秀吉の出世に貢献し、自身も”大和大納言”と呼ばれるまでになった秀長。”日本史上屈指のナンバー2”ともいわれる男の知られざる功績と人生を描いた、大河ドラマの参考書的な一冊。PHP文庫 ¥1,760

秀吉を支えた若き武将たちの絆

秀吉を支えた若き武将たちの絆

『八本目の槍』

今村翔吾

賤ケ岳の戦いで秀吉軍の勝利に貢献し、「賤ケ岳の七本槍」といわれた加藤虎之助(清正)ら7人の若者たち。やがて彼らは出世や愛などを求めて別々の道を歩むことに。タイトルの意味がわかるラストが感動的な連作短編集。新潮文庫 ¥935

編集部セレクト!

女性作家が書いた豊臣家の女たち

女性作家が書いた豊臣家の女たち

『さざなみの彼方』

佐藤 雫

秀吉の側室になった茶々と彼女の乳母子・大野治長の秘められた愛と波乱の人生の物語。史実に対する作者の解釈に納得することも多く、読み応え十分。集英社文庫 ¥990

『王者の妻』

『王者の妻』

永井路子

作者は女性視点で時代小説を書いた先駆者。本作では秀吉の正室・おねねを”夫が出世しても庶民の気持ちを忘れなかった女性”として描いている。終生仲睦まじい夫婦だったが、おねねが秀吉に対して常に冷静な観察眼をもっている点が新鮮。朝日文庫 上・下各¥990

『国宝』だけじゃない!江戸の“芝居もの”が静かにアツい

”あだ討ち”の秘密に仰天!

”あだ討ち”の秘密に仰天!
Ⓒ 2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会 Ⓒ 2023 永井紗耶子/新潮社

映画『木挽町のあだ討ち』

永井紗耶子の直木賞受賞作が柄本佑・渡辺謙共演で映画化。芝居小屋近くで美しい若衆によるあだ討ちが起きてから1年半。「顛末を知りたい」という武士が現れて、関係者に話を聞くが……。芝居心と人情が胸にしみる、感涙必至のミステリー。’26年2月27日全国公開。

どこまでが”芸のため”?

どこまでが”芸のため”?

『万両役者の扇』

蝉谷めぐ実

気鋭の役者・今村扇五郎に熱を上げるお春が彼の女房に近づいて知った、恐るべき献身ぶりとは。扇五郎を中心に、常軌を逸するほど芸の世界に入り込み、歯車がずれていく人々を描いた濃密な作品集。新潮社 ¥1,980

作者は若き”歌舞伎マニア”

作者は若き”歌舞伎マニア”

『かぶきもん』

米原 信

人気役者の三代目・尾上菊五郎と七代目・市川團十郎は性格も芸風も違うライバル。ふたりに狂言作者・鶴屋南北がからむと、思いがけない事件が起きて……。初心者でも歌舞伎に興味がわく、痛快な一冊。文藝春秋 ¥1,870

老後、街づくり、文明の対立……現代に通ずるテーマで魅了!

幼友だちと老後に同居!⁉

幼友だちと老後に同居!⁉

『姥玉みっつ』

西條奈加

ひとりで静かに暮らすお麓の長屋に、能天気なお菅と派手好きなお修が転がり込む。さらに身元不明の少女も引き取ることになり……。江戸を舞台に老後の心得と人間模様を描く、後味さわやかな小説。潮出版社 ¥1,760

大都市の知られざる歴史

大都市の知られざる歴史

『札幌誕生』

門井慶喜

幕末から明治にかけて近代都市・札幌の建設に着手した島義勇。アイヌ民族の娘で札幌へ移住後、同胞への思いを歌集にしたバチラー八重子など、5人の目を通して開拓の歴史をつづった感動作。河出書房新社 ¥2,475

英国人女性作家と通訳の旅

英国人女性作家と通訳の旅

『イザベラ・バードと侍ボーイ』

植松三十里

開国直後、下級武士の息子・鶴吉は通訳としてイザベラと旅へ。貧しい日本を恥じる鶴吉と現実を伝えたいイザベラは衝突するが……。異文化の理解について考えさせられる、史実をもとにした小説。集英社文庫 ¥858

誰もが知る歴史のイメージが変わる!?"あの戦乱”に新解釈

応仁の乱前夜の一揆

応仁の乱前夜の一揆
Ⓒ 2016 垣根涼介/新潮社 Ⓒ 2025 「室町無頼」製作委員会

映画『室町無頼』

飢饉や疫病が蔓延した京都で、無能な権力者に戦いを挑むべく現れたのは、無頼漢で剣の達人・蓮田兵衛。そこへ個性的なアウトローたちが集結、空前絶後の暴動が始まる。垣根涼介の原作を大泉洋主演で’25年1月に映画化。Blu-ray&DVD発売中(Blu-ray ¥7,700、DVD ¥4,400/発売・販売:東映ビデオ)、Amazon Prime Videoにて配信中。

戊辰戦争+フィクション

戊辰戦争+フィクション
Ⓒ 2024 「十一人の賊軍」製作委員会

映画『十一人の賊軍』

明治初期の戊辰戦争の陰には新潟・新発田(た)藩の裏切りがあったという史実をもとにした集団抗争時代劇。絶体絶命の藩が砦を守るべく集めたのは、”無罪放免”を信じた罪人たちだった。山田孝之、仲野太賀主演で’24年に映画化。Blu-ray&DVD発売中(Blu-ray ¥5,500、DVD ¥4,400/発売・販売:東映ビデオ)、Netflixほかにて配信中。

亡き織田信長がもの申す!

亡き織田信長がもの申す!

『去年、本能寺で』

円城 塔

11編のうち表題作は織田信長の"死後の魂"が本能寺での死について語ったり、秀吉がやったことに苦言を呈したり、自分につけられたイメージへの思いを述べたりする話。奇想天外なイメージが圧倒的! 新潮社 ¥2,090

Follow Us

What's New

Feature
Ranking
Follow Us