「最初にも触れましたが、アクティブな活動と、座りすぎの問題は切り離してとらえてください。積極的に運動をしていても、習慣化した座りすぎによる健康リスクを相殺できるわけではない。まずは、長時間の座位行動をやめること。適度にブレイクを入れるようにしてください」
ちゃんとした運動でなくて、ブレイク程度でいいもの?「座りすぎの解消にはその程度でOK。左上のグラフのように、食後血糖値を下げるなどの効果は、ブレイク時の運動強度によって大きな差は生じません。座り続けるのをやめて、立って少し動く。まずはそれだけ。座りすぎを解消したうえで、運動を取り入れられれば最高です」
まず、“座りすぎず”、ありきだと。「はい。かつては立って行う低強度の活動がもっと身近にありました。しかし、今は家電や照明の操作は手元のリモコン、電話を別の部屋までとりにいくことはなく、連絡も携帯電話やメールですみます。ふき掃除もできるロボットが登場する時代なので、立って動く機会を意識的につくる必要があります。そのひと手間を習慣化していただければ、座りすぎの問題は解消可能。それによって、かえって集中力が高まり、作業効率が上がるメリットも期待できますよ」