廃油やブルーチーズなどにたとえられることが多いその臭いは、むんっと鼻につく刺激臭。しかし、実は「ノネナールそのものは、さほど不快な臭いではない」と五味先生。「汗に含まれるアンモニアや、汗の中の乳酸を細菌が分解して出すジアセチルとノネナールが結合すると、不快な臭いになる。ここに関与するのが、加齢です。汗の原料は血液で、汗腺には血管から血液を汲み取って、汗として排出する際、体に必要な成分を血液中に再吸収するろ過機能があります。この機能が加齢で低下すると、血中に毒素などの成分が残留。ノネナールと結合しやすい濃い汗になって、加齢臭を強くするわけです」
もともと、汗や皮脂腺の分泌を活発にする男性ホルモンの影響で、男性は女性より加齢臭が出やすい。そこに追い打ちをかけるのが、これまた男性に多く見られがちなメタボだ。
「メタボの人は脂肪を体内にため込んでいるので、加齢臭が強くなります。つまり、加齢臭は不健康のサイン。臭いの予防は、メタボの予防でもありますので、抗酸化作用のある食事を摂取し、活性酸素を増やすストレスや運動不足は解消するようにしましょう。また、加齢臭の大いなる問題は、他人に伝わることですので、体内からの予防はもちろん、臭いの発散を防ぐ外からの消臭も大事。加臭臭はわき、頭皮、首まわりといった皮脂腺の多い場所に発生しますが、じわじわと出てくるうえ、臭いに慣れてしまうと自分では気づかない場合も多い。そばにいる奥さまがぜひ、生活全般でサポートしてあげてください」