実は女性以上に大変!? 夫の更年期Q&A【基礎知識編】

更年期の症状は女性だけでなく、実は男性にも。将来の健康にもかかわる問題だからこそ、ともに助けあってのりきっていきたいもの。夫婦で知っておきたい夫の更年期の症状や対処法などをお届けします。
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Q.女性の更年期とは何が違うのでしょうか?

A.一番大きな違いは、その時期です。女性のように"節目" がないのが男性更年期。

女性の更年期の症状は、卵巣機能の低下や停止によって、女性ホルモンの分泌量が"急降下" することから起こってくる。つまり、閉経というわかりやすい節目がある。
 一方、男性の更年期は、幅広い年代で現れるのが特徴で、明確な時期が特定されていない。男性ホルモンは、生涯にわたってゆるやかに減り続けるからだ。一般的には40代を過ぎたら要注意だが、男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、ストレスや睡眠不足、過度な飲酒など、生活習慣による影響で減りやすいため、30代で更年期の症状が出てくる人もいれば、逆に70歳になっても30代と同様のテストステロン値を示すような人もいる。「男性更年期には、女性の閉経のようなきっかけがないため、理由もわからず不調だけが重なっていきます。加齢か疲れによる不調と思い込みやすいのです」。
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Q更年期と老化は同じことでしょうか?

A.男性ホルモンの減少は老化現象のひとつといえます。

「男性更年期の症状は、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が低下することで起こります。テストステロンの分泌量は身長と同じで個人差が大きく、もともと多い人もいれば少ない人も。しかし、多くの人は加齢とともにゆるやかに減っていくので、誰でも更年期になる可能性はあります。男性ホルモンの減少と老化が、ある程度リンクしているのは確かです」
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Q.夫を見ているとつらそうなのですが、 放っておいても大丈夫でしょうか?

A.男性の更年期障害はじっと待っていても改善しません。

「ご主人が心配なのですね。女性の更年期障害は、閉経後しばらくして女性ホルモンが欠乏した状態に体が慣れてくれば、落ち着いてくる人がほとんど。対して男性の更年期障害は、男性ホルモンの減少に伴う"病気"。一過性のものではないところも大きな違いです。性ホルモンの急激な変化は心身への負担が大きく、早めに手を打たないと、糖尿病やメタボ、うつ病といった病気に一気に進んでしまう可能性があります。じっと待っていてもよくなることはありません。あまり気になる場合は、受診をすすめてみてください」
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Q.LOH症候群は血液検査などで わかるのでしょうか?

A.はい。血液検査を含めた検査や問診を行いLOH症候群かどうかを診断します。

「男性ホルモンには、テストステロン、ジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステロン、アンドロステンジオンがあり、多くは精巣でつくられて血液に送られます。そのため、血液検査で男性ホルモン値(メインのテストステロンの血中量)がわかり、泌尿器科や男性更年期外来で測定できます。健康診断のつもりで毎年同じ時期に測定しておくと、変化も把握しやすいでしょう。本当にLOH症候群かどうかは、問診、血液検査のほかにもさまざまな検査を行う必要があります」。気になる人は、受診の前に、ネットで公開されている男性更年期のセルフチェックもおすすめ。
教えてくれたのは…
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メンズヘルスクリニック東京 院長 小林一広先生
北里大学医学部卒。精神科医の立場からメンタルヘルスケアや頭髪治療、男性更年期の診察・治療などに力を注ぐ。精神保険指定医。
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