【Web限定】韓国・千年の美食を巡る 全羅道の旅①

day1:全州

2018年9月2日
韓国の食の中心地、全羅道(チョルラド)を食べ歩き。ソウルや釜山から、ちょっと足を延ばして郷土料理に舌鼓!
 ソウルに何度か通ううちに、食いしん坊仲間から「美食といえば全羅道」と幾度となく聞かされて来た。ソウルで美味しいと評判の店で腕をふるうのは、この地方出身の人が多い。そんな韓国の台所と言われる食の宝庫、全羅道を2泊3日で食べ歩き。辛いだけじゃない、脈々と伝わる奥深い味わいともてなしに満たされた食の旅となった。今年は全羅道の北部に位置する全州(チョンジュ)と南の羅州(ラジュ)が合併し、全羅道となって千年ということもあり、国内外でこの地方にスポットが当たることも多いそうだ。「全羅道訪問の年」にぜひ足を運んで欲しい。

 まずソウルから向かったのが全羅北道、全州。高速バスターミナルから1時間に何本も直行バスが出ている人気の観光スポットだ。2時間ほどで到着する全州のバスターミナルからは、タクシーですぐの全州韓屋村へ。朝鮮王朝発祥の地に残る、伝統家屋が800棟密集する一帯だ。カラフルな伝統衣装、韓服で歩く老若男女で賑わい、まるでタイムスリップしたよう。レンタル韓服での記念撮影ブームで、今や最も人気の修学旅行の定番スポットだというのにも頷ける。映画やドラマの時代劇のロケ地でもあり、とにかくフォトジェニックな街並みだ。夕飯は、「孤独のグルメ」にも登場した「トバン」というチョングッチャン(納豆汁)の店へ。小上がりに懐かしい花柄のゴザが敷かれるカジュアルな店内、テーブル数も少ないが、地元の人々に愛されるオモニ(お母さん)の味の宝物のような一軒。強烈な納豆臭に好みは分かれるが、食いしん坊ライターはこちらが大好物。この店のそれは、味付けされた豚肉などテーブルに乗らないほどのおかずとともに出される。この日の汁物は海老の味噌汁で、桜海老のような小海老と大根の味噌汁が美味しすぎて衝撃を受ける。チョングッチャンももちろん大豆のふくよかな味わいが素晴らしく、初めてビビンバにしていただいた。ここ全州はビビンバの発祥の地とも言われているそうだ。
 
 7つものマッコリタウンがあることでも有名な全州なので、夕食後、流れ作業的にマッコリ居酒屋へ。韓国の地方は美味しいマッコリ(地酒)の宝庫。平日なのに大盛況だ。2002年から親しまれて来ているカジュアルな雰囲気の「イエッチョンマッコリ」では、2リットルのマッコリが薬缶で供され、そのおつまみとして、焼き魚、貝のスープ、チョッパル(豚足)、カンジャンケジャンなどが豪勢にテーブルを埋める。マッコリを追加注文するたびに異なる料理が運ばれてくる、、、。そのどれもが美味!そしてリーズナブル!ほろ酔い気分で伝統家屋を宿泊施設にした「同楽園(ドンナグォン)」に向かう。韓国に来たのなら一度は体験したい韓屋ステイも快適だった。手入れされた庭に並ぶ甕の一部は現在も使用中。味噌などの調味料にも定評があるのが全羅道だ。
 
 翌朝は、飲みすぎた人にも最適な、酔い覚ましにもなるもやしクッパ、コンナムルクッパの名店「三番家(サンボンチッ)」へ。クッパとは、韓国版のスープ茶漬けのようなもの。1200年の歴史を誇る全州の、南部市場にある人気店で、イワシなどでとった出汁には辛さの中にも清らかさがあり五臓六腑に染み渡る。辛さが三段階から選べるのも嬉しい。タウリンたっぷりのイカ(オジンオ)を追加注文してさらに加えてもいい。サイドディッシュの生卵の器にはスープを入れ、海苔をちぎって加え食すのが流儀だ。韓方の効いた、シナモン味の甘酒のような母酒(母の心の酒ということだがアルコール度数が低く、酒ではないのだとか)もこの地方ならではの美味。千年の美食旅、一泊でもすでに満腹、大満足であった。
  • 「トバン」にて。テジプルコギ定食が9000ウォン!
  • 納豆チゲ、チョングッチャン
  • テジプルコギ(豚のプルコギ)はエゴまで巻いて
  • 納豆汁の具を混ぜご飯、ビビンバにして。仕上げはごま油
  • 「イエッチョンマッコリ」。地元客と観光客で大盛況
  • そば粉のクレープのようなメミルジョンピョンもおつまみ
  • 「同楽園」の韓屋は庭を囲むように建てられている
  • 部屋のディテールも可愛らしい韓屋ステイ
  • 「三番家」のコンナムルクッパと母酒

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