樹木葬の場合、お参りや遺骨は? 知らない人と納骨される?【50代のお悩み・お墓について】

2018年9月25日
多くのアラフィーが抱えている悩みの一つ、お墓問題のお悩みや迷いに専門家がお答え。理想のお墓として多くの声が上がった“樹木葬”ですが、「樹木葬希望だけど、知らない人と一緒はちょっと…」、「お参りや遺骨はどうするの?」といった声も少なくありません。樹木葬の現状や、さまざまなタイプをお教えします。
教えてくれたのは…
第一生命経済研究所主席研究員 小谷みどりさん

奈良女子大学大学院修士課程修了後、’93年にライフデザイン研究所(現第一生命経済研究所)入所。生活設計論、死生学、葬送学が専門で、講演やメディアなど幅広く活動。著書に、『お墓どうしたら?事典』(滋慶出版/つちや書店)、『変わるお葬式、消えるお墓(新版)』(岩波書店)などがある。

【お悩み】樹木葬希望ですが、知らない人と一緒に納骨されるのには抵抗が

A.樹木葬は樹木を墓石のかわりにしたもの。集合型や個人型など、さまざまなタイプがあります

樹木葬=土に返るというわけではありません
理想のお墓として多くあがったのが、「樹木葬」。とはいえ、比較的新しい形式だからか、「お参りはどうするの?」「自然に返るというイメージがあるけれど、遺骨は残らないということ?」「夫婦で入ることはできる?」など、疑問や不安の声も少なくなかった。

「樹木葬は、墓石のかわりに樹木が植えられるスタイル。シンボルツリーが1本植えられていて、ほかの人の遺骨と一緒に収蔵される共同墓タイプもあれば、木のまわりに個々の納骨スペースが設けられた集合タイプもありますし、個々に仕切られた区画に個人や夫婦で納骨され、それぞれ樹木が1本ずつ植えられるタイプもあります。『誰と一緒にお墓に入るか』を考えて、選ぶとよいのでは?

 なお、自然に返るイメージがありますが、遺骨は土中に埋められるものの、土に返るわけではありません。火葬した骨なので、土中に残ります」と小谷さん。

 火葬した遺骨を収蔵するということは、墓地として許可を受けた場所でしか行うことができないということ。庭といった自分が所有する土地に、勝手に埋めるのは違法だということも覚えておきたい。さらに心にとめておきたいのが、樹木が枯れる場合もあるということ。

「自生している樹木を利用するのはごく一部で、大半は植樹。なので、今後どうなるかわかりません。実際、すでに木が枯れてきていて頭を悩ませている墓地もあるんですよ。木が枯れた場合、植え替えはしてくれるのか、その費用はどうなるのかなども、確認しておきましょう」

 樹木葬と並んで支持を集めたのが、散骨。遺骨を細かく砕き、パウダー状にして海や山などに撒く方法だ。

「お墓をもちたくない人に人気で、特に近年増えています。遺骨がないため、お墓の継承問題からも解放されますしね。ただ、遺族が『供養の際、どこに手を合わせればいいかわからない』と困惑するケースもあるようです。なので、すべて撒いてしまうのではなく、一部手元に遺しておくのもおすすめ。また、海や山といっても勝手に撒くことはできません。自治体によっては散骨禁止区域を設けていますので、リサーチが必要です」

 なかには、「散骨希望だけど、遺族が実行してくれるか心配。遺言書に記しておけばいい?」という質問もあった。

「遺言書は、相続財産に関するもの。お墓は相続対象ではないため、遺言書に記しても効力はありません。ただ、遺言書やエンディングノートといった“見えるかたち”で希望を伝えるのはよいと思います。遺族が躊躇しても、『故人の意思だから』と、納得する材料にもなりますから」

 お墓のあり方は、ここ十数年で大きく変わった。現状を知り、現代を生きる私たちだからこその賢い選択を!

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