お墓が遠い…老後の管理は? 現代のお墓悩みに専門家が提案 【50代のお悩み・お墓について】

2018年9月20日
多くのアラフィーが抱えている悩みの一つ、お墓問題のお悩みに専門家が指南。「お墓が遠方で困っている」という方は「墓じまい」や「改葬」も一案です。実際にすべきことや、その際に起こりうる問題の解決策も丁寧に解説します。
教えてくれたのは…
第一生命経済研究所主席研究員 小谷みどりさん

奈良女子大学大学院修士課程修了後、’93年にライフデザイン研究所(現第一生命経済研究所)入所。生活設計論、死生学、葬送学が専門で、講演やメディアなど幅広く活動。著書に、『お墓どうしたら?事典』(滋慶出版/つちや書店)、『変わるお葬式、消えるお墓(新版)』(岩波書店)などがある。

【お悩み】お墓が遠方で不便なので、老後も管理できるか気がかりです

A.家族や親族の同意を得て、「墓じまい」や「改葬」するのも一案

改葬するなら、場所や施設、形式など慎重に検討を
「このかたのように、お墓が遠方にあって管理ができず、困っているという話はよく耳にします。『自分たちの死後、子供にとってそのお墓の存在が重荷になるのでは』と心配する人も多いですね」と、 小谷さんは指摘。前述のとおり、墓地に納骨されているなら、年間管理料を払い続けるかぎり、お墓は存続する。とはいえ、お参りする人がまったくいないというのもしのびない。それを避けたいなら、 思いきって「墓じまい」するのも一案だ。

「その際すべきは、家族や納骨されている人とつながりのある親族との話し合い。関係者に説明せず、独断で決めてしまうと、あとあとトラブルに発展するかもしれませんから」

 墓じまいについて合意が得られたら、次は、今後お墓をどうするかの相談を。
「墓じまいするということは、お墓に納骨されている遺骨を取り出すということ。今後それをどんなかたちで供養するか、将来を見据えて慎重に検討してください。お墓を引っ越す『改葬』にするのか、お墓はもたずに、散骨や手元供養にするのか。改葬にするなら、場所は今の住まいの近くにするのか、それとも縁のある土地にするのか。施設にしても、寺院墓地や民間霊園、公営墓地などさまざまですし、お墓の形式も、従来の墓石を置くタイプに納骨堂、共同墓に自然葬など、選択肢が増えています」

 ちなみに共同墓は、骨壺から遺骨を取り出し、血縁関係を超え、さまざまな人が一緒に納骨されるタイプで、「合祀墓」や、「合葬墓」「合同墓」などとも呼ばれている。初めは個人や主婦、家族だけで納骨され、十三回忌までなど一定期間が過ぎたら、合葬されるところもある。いずれにしても、承継を前提としないため、お墓を継ぐ人がいない人や子供への負担を気にかけている人は、一考の価値がありそう。

「家族や親族で墓じまいの同意ができたら、墓地管理者に相談することも忘れずに。遺骨を取り出すのは、行政の認可が必要で、提出書類には墓地管理者の承認が不可欠。特に寺院墓地の場合は、これまで供養してもらったお礼をきちんと伝えると同時に、お布施をお渡しするのがおすすめです」

 さらに墓じまいには、既存のお墓の撤去費や遺骨の取り出し費が必要となり、新たにお墓をつくる場合は、それも予算に入れておかなければならない。

「改葬は、骨壺だけを移動させるケースが大半ですが、もし墓石も移動させるなら、かなりの額がかかります。こうした費用は、墓地や地域によって違いがあるので、早めにリサーチしておきましょう」

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