「最近、検診にはメリット、デメリットがあるため、デメリットが上回る検診は受けるべきではないという方針を厚生労働省が出しています。デメリットには精神的負担のほか、X線被曝の問題、受けても早期発見につながらないなどさまざま。最低限受けるべきは、自治体や企業で実施される健康診断や、メタボリックシンドロームに着目した特定健診です。どちらも自治体が行っているものを利用すれば主婦やフリーランスの人も無料あるいは安価で受けられます。これらの健診は国が推奨し、受けることで病気予防や早期発見につながるという科学的根拠があります。また、厚生労働省が死亡率低減効果があるとして推奨している胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5大がん検診(下記参照)はぜひ受けましょう。任意で受ける人間ドックもいいですが、これらの最低限の健診を受けたうえで補うべきものを追加すればいいと思います」
補うべき、それ以外の検査とは?
「日本人の死因はがん以外に心疾患や脳血管疾患が多いので、家族にこれらの血管系の病気になった人がいる場合は脳や心臓のドックを受けておくのもいいですね。また病気を見落としがちな歯周病や緑内障など歯や目の検査もおすすめ」
最近、酸化度や糖化度などを調べられる老化対策や将来の病気予防目的の検査もあるが、これはどう利用するといい?
「検査結果が悪かったとき、生活習慣を変えられない人は受けても意味がありませんが、生活改善のきっかけになるなら受けてもいいと思います。閉経を迎えるエクラ世代は、今までと同じ生活をしていると血糖値や骨密度なども大きく変わる年齢で、生活習慣の見直しどきです。ですから健診や検診はただ受けるだけでなく結果をいかに生かすかが重要なのです。上手に活用を」