「オスラー・ヴィンヤーズ ノース・オタゴ オードリーズ ピノ・グリ2015」はそんなとらえどころのないピノ・グリの中でも、一度飲んだら何げなく記憶に残る個性派だ。トロピカルフルーツの甘い香りとスパイシーなニュアンスに、いつのまにか魅了されてしまう。
生まれはニュージーランド南島のノース・オタゴ。ここは新しいワイン産地として注目される冷涼な地で、元医師のジム・ジェラム氏が醸造家で義弟のジェフ・シノット氏とタッグを組み、エレガントなワインを誕生させている。特にヨーロッパの美食シーンで評価が高い造り手だ。
料理を合わせるなら、あえて中華と。優しい甘酸っぱさが甘酢や豆板醤などにピタッとはまり、特に酢豚との相性は抜群! 個性的な味同士をテーブルで美しくまとめてくれるのだ。たとえるなら、目立つタイプではないのに、生徒会長とも不良少年とも自然体で仲よくできる“ほんわか女子”のよう。ぼわっと見えても実は奥が深い。“不思議ちゃん”はひと口ごとに魅力を増してくる。