上品なほろ苦さの奥に甘さを秘めた、秋の夜長にぴったりのワイン【飲むんだったら、イケてるワイン】

凝縮感のある果実味と繊細な酸味が印象的な「ヴィーニャ・コボス ブルマーレ マルベック ルハン・デ・クージョ 2016」。上品なほろ苦さとその奥にある甘やかな味わいは、どこかエモーショナルで、秋の夜長にこそ開けたくなる一本です。

思いきり感情を解放したくなる夜もある。アルゼンチンの情熱と哀愁をお供に

VIÑA COBOS(ブラマーレ マルベック ルハン・デ・クージョ)

ヴィーニャ・コボス ブラマーレ マルベック ルハン・デ・クージョ 2016

ワイン
ひと口飲んで、頭の中に流れたのはピアソラの曲。マルベックという品種独特のほろ苦さと温かみが、バンドネオンの哀愁に満ちたリズムを思い起こさせた。「ヴィーニャ・コボス ブラマーレ マルベック ルハン・デ・クージョ 2016」。凝縮感のある果実味と繊細な酸味が印象的だ。「ヴィーニャ・コボス」は、カリフォルニアで天才醸造家と称されるポール・ホブス氏が、かつては大衆向けとされていたアルゼンチンのマルベックに大きな可能性を見出して立ち上げたワイナリーで、“ラグジュアリー系マルベック”を次々と生み出し、世界でも高い評価を得ている。

魅力は、なんといっても上品なほろ苦さとその奥にある甘やかさにある。どこかエモーショナルで、秋の夜長にこそ開けたくなる味わいだ。女性には、ふと心の襞(ひだ)から小さな悲しみのかけらがこぼれ落ちる夜があって、そんなとき、ワインの“静かな熱”が優しく寄り添ってくれるように思えるのだ。イメージするのは、感情に素直に、情熱的に生きるアルゼンチンの女性たち。「人生は甘くて苦い。私は精一杯人生を愛してきたの」──。そう語りかけてくるような感覚。だから、ちょっと落ち込んだ日は、とっておきのチョコレートと一緒に。大人だからこそわかる甘苦い味は、きっと地球の裏側からの、私たちへのエールなのだ。
ワイン
マルベック100%。ワイン産地として名高いメンドーサのルハン・デ・クージョ地区の上質なブドウで造られる。ブラックベリーやカカオの香りをもち、アロマティック。ステーキやすき焼きなど、肉料理との相性は抜群。750ml ¥5,600 /ワイン・イン・スタイル
教えてくれたのは……
あんざい きみこ●ライフスタイル誌やワイン専門誌で料理やワイン、旅などの記事を手がける。国内外のワイナリーや醸造家取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ

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