元フードディレクターの店主が暮らしの道具をセレクトする『日日(にちにち)』【京都、素敵な主がいるお店】

フードディレクターをしていた東京を離れ、夫のエルマー・ヴァインマイヤーさんが二十数年前に開いた『日日』を築100年余りの日本画家の旧邸で新たに始めたという奥村文絵さん。京都ならではの美しいお店で扱うのは、国籍や時代の流れに動じることなく生まれた工芸品や職人の手仕事でつくられた暮らしの道具。セレクトする品はもちろん、その見せ方にも注目です。

ものづくりの世界へ誘う美意識がつまった空間

『日日(にちにち)』

奥村文絵さん

夫のエルマー・ヴァインマイヤーさんが二十数年前に開いた『日日』を築100年余りの日本画家の旧邸で新たに始め、運営と企画を手がけている奥村さん。フードディレクターとして仕事をしていた東京を離れ、取り巻く環境は一変。ものを売る仕事も京都暮らしも初めての経験だった。
「この建物は京都だから出会えた物件で、各分野に精通した職人さんにお力を借りて実現できた空間です。京都にルーツがない私たちが純和風の邸宅をどう使うか、暮らしの道具をどう見せるか、毎日通った改修の現場が楽しくて」
座敷に目積畳を敷き詰めて天井照明を外し、木を植え、知恵を出しあい端正ですがすがしい空気が漂う空間をつくった。扱うのは国籍や時代の流れに動じることなく生まれた工芸品や、職人の手仕事でつくられた暮らしの道具。セレクトはもちろん、その見せ方にも妥協せず、漆盆を見せるための陳列箱をつくり、緊張感を放つ器には花を飾って空気を和ませている。トークイベントも開催され、作家の思いや情熱にも触れることができ、東京のスタイリストや器好きがこぞって通うアドレスに。
「ものを売るだけでなく、つくり手の姿勢を伝えるのもギャラリーの務め。ものづくりの世界につながる道すじをつけ、足跡を残せる存在でありたいですね」
『日日』
会の主旨に合わせて展示の仕方も替え、信頼関係を築いた30名ほどの作家のものを扱う
『日日』
仁城義勝や角 有伊(かど ゆい)などの漆盆が収まる陳列箱
『日日』
奥村さんが生けた花とともに、器の個性や魅力を楽しむことができる
『日日』
食に関する企画や商品開発の仕事に携わってきた奥村さん。エルマーさんのポリシーを引き継ぎ、手仕事を伝える展示会を年7~8回企画している
『日日』
造園家・菅藤恵輔さんによって生まれた、明るく開放的な和の庭
『日日』
建物の一角に設けた喫茶『冬夏』。無農薬のお茶やカカオ、生菓子を作家の器で楽しめる。¥1,500~
『日日』
庭で季節を、空間で和を感じながら、ものづくりの世界へと引き込まれる
『日日』
京都市上京区信富町298
☎075・254・7533
10:00 ~ 18:00 ㊡火曜
『冬夏』カウンター6席

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