【皮膚のできもの①】少し隆起した肌色、茶色、黒色のイボ「脂漏性角化症」
皮膚の表面にできる代表的なできものの一つ、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、少し隆起していて表面がざらざら、でこぼこしているのが特徴。良性腫瘍なので必ず治療の必要はないものの、見た目が気になる場合の治療法や、とても似ていて間違いやすい“皮膚がん”との見分け方を専門医に伺いました。
教えてくれたのは…

銀座ケイスキンクリニック 慶田朋子先生
医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。皮膚疾患から美容皮膚科まで幅広く診療。著書『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が話題。

日本医科大学武蔵小杉病院 桑原大彰先生
日本医科大学形成外科講師。医学博士。形成外科専門医。フィンランドにて皮膚腫瘍や軟部腫瘍の再建を学び、帰国後現職。現在、同病院形成外科にて皮膚腫瘍外来を担当。
頭や顔など日光が当たる部位にできやすい少し隆起した肌色、茶色、黒色のイボ
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
「脂漏性角化症は表皮の良性腫瘍の一種。老人性イボともいわれ、老化現象のひとつですが、体質によっては20代ごろから徐々に増えてくることも。少し隆起していて表面がざらざら、でこぼこしているのが特徴で、色は肌色から薄茶色、焦げ茶色、暗黒色などさまざま。頭や顔、首、手の甲など手のひらを除くあらゆる部分にできます。遺伝的素因や、日光(紫外線)による光老化でできるとされ、特に日光に当たりやすい顔、頭、首、背中、手の甲によく見られます。最初は1~2㎜程度と小さいのですが、徐々に大きくなって隆起し、大きいものだと2~3㎝ほどになることもあります。良性腫瘍なので必ずしも治療の必要はありませんが、顔や手の甲などにできて見た目が気になる場合や、髪をとく際に引っかかるなど生活に支障をきたす場合に治療を受ける人が多いようです」(慶田先生)
《特徴》
【できる位置】
顔、頭、体幹
頭、顔~首、手の甲、体幹など手のひらや足の裏を除くあらゆる部分にできる。特に、日光が当たりやすい顔、頭、首、背中、手の甲にできやすい。
【色】
肌色、茶色、黒
色は、肌色や薄茶色、焦げ茶色、暗黒色などさまざま。大きさは1~2㎜の小さなものから、2~3㎝ほどのものまである。
《治療法》
●治療法1●
CO2レーザー
「CO2レーザーで脂漏性角化症を蒸散させ、皮膚表面からごく浅く削りとる方法。傷はごく浅く、出血もないので傷あとをほぼ残さず治せます。局所麻酔をして行います」(慶田先生)

●治療法2●
液体窒素による凍結療法
「液体窒素で凍結させ、脂漏性角化症の組織を物理的に破砕する方法。麻酔や手術は不要ですが、色素沈着が残りやすく、一度でとれないことが多いので美容的にはあまりおすすめできません」(慶田先生)
●治療法3●
手術
「脂漏性角化症でも大きいものや、皮膚がんの疑いがあるものは、手術で切除することがあります。切除して病理組織診断を行うことで、正確な診断ができます」(桑原先生)
《Q&A》
Q.「CO2レーザー治療をしても、再発することはありますか?」
A.「再発は少ないですが、脂漏性角化症が大きくて治療でとり残しがあったりすると、再発する場合もあります」(慶田先生)
Q.「放っておいたら、大きくなりますか?」
A.「大きくなっていきます。7~8㎜を超えた場合、CO2レーザーで一度にとると傷あとが残りやすいので少しずつとる必要があります」(慶田先生)

とても似ていて見分けづらいがんの話
ほくろなどと間違えやすい皮膚がんの見分け方を、慶田先生、桑原先生のお話をもとにまとめました。
ほくろなどと間違えやすいので注意が必要
できものだと思っていたら皮膚がんだったということは少なからずあるので要注意。皮膚がんにはさまざまな種類があり、なかでも特に頻度が高いのが基底細胞がん。ほかにも悪性黒色腫(メラノーマ)や、皮膚がんの前段階の日光角化症などがある。早期治療をすれば完治が望めるが、ほくろやシミなどと間違えて見落としやすいので、皮膚科専門医の診察を受けることが大切。下のような症状があったら一度診察を受けて。
皮膚がんの見分け方
●ものすごく黒い
ほくろは色が均一なのに対し、皮膚がんの場合は色にムラがあったり、ものすごく黒かったりするのが特徴。
●ひきつれている感じがする
皮膚がんの場合、その部分の皮膚がひきつれているような感じがすることがある。
●境界線があいまい
色素斑の輪郭がギザギザになっていて境界線があいまいだったり、色がにじみ出していたりしたら皮膚がんの可能性あり。
●急激に大きくなる
小さかった色素斑が短期間で急激に大きくなったら要注意。特に直径が6㎜以上になったら皮膚科に受診を。
●左右非対称
ほくろのように左右対称でなく、皮膚がんは、左右非対称のことが多い。
●くずれて潰瘍になる
色素斑がくずれて潰瘍になっていたり、じゅくじゅくした感じがあったり、痛みやかゆみがあったら皮膚がんが疑われる。
【基底細胞がん】
皮膚の表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞から発生するがん。80%以上が顔に見られ、特に鼻まわりなど顔の中央に多く、原因には紫外線の関与が疑われている。初期は小さな黒い斑点なので、ほくろと間違いがち。転移することは少なく、手術で切除しきれれば完治することも多い。
【悪性黒色腫】
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラニンをつくるメラノサイトという細胞ががん化したもの。皮膚や爪に黒いシミや、盛り上がったほくろのような形で現れるのが特徴で、日本人では脚や足の裏に最も多く、次に頭、顔、首に多く見られる。早期に手術して完全に切除すれば完治するが、真皮内に浸潤すると化学療法も必要で予後不良。
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