【大人のベストコスメ】齋藤薫×倉田真由美が選ぶ「だから使わないと損!」なコスメは?
アラフィーの肌の未来を変える最新コスメが今年も続々登場。美容界の動向を知りつくした美容ジャーナリストの齋藤薫さんと倉田真由美さんに、下半期を振り返りながら、お二人が愛用しているコスメの「使うべき理由」をたっぷり語っていただきました。
ジャーナリスト特別賞【齋藤 薫×倉田真由美】
くらた まゆみ(写真右)●鋭い視点と美的好奇心をもち、エイジングケアからインナーケアまで、その最先端に精通。女性誌などに執筆し、本誌で「数字が語る美の力」を連載中。
さいとう かおる(写真左)●エッセイストとしても活躍。コスメについてはもちろん、女性の生き方や精神性にまで踏み込んだ説得力ある文章に、女性たちからの圧倒的な支持が。
ランコム ジェニフィック アドバンスト N
「改めて常在菌と美肌の関係に着目。No.1美容液の底力を見せつけた」
倉田真由美さん
肌の常在菌と健やかさや見た目とのつながりを、15年にもおよぶ研究によって徹底検証。「肌や体にある菌は、その量よりもバランスが大事。そこを整え、エイジングに強い肌に導く美容液は、洗顔後すぐの肌にすっと浸透するテクスチャーもさすが」(倉田さん)。栄養源となるプレバイオティクス成分が菌の成長を助け、肌の防御力と回復力を高める。50㎖ ¥14,000
エスト エストG.P. エンリッチド セラム
「タンパク質循環という最新アプローチで肌を底上げ」
倉田真由美さん
肌の組成の30%近くを占めるタンパク質。その多くは体内で「リサイクル」して補われているが、その機能が低下するとさまざまなエイジング悩みに。そのシステムを整える3ステップの美容液から、肌にハリをもたらすラインのエマルジョン状セラムを。「説得力あるアプローチに納得。美容液でありながら、乳液として使えるコクと保湿力」(倉田さん)。80g ¥12,000
アルビオン フローラドリップ
「植物×発酵の力に独特のテクスチャーや香りをのせた思わずクセになる化粧液」
齋藤 薫さん
「使われている植物は、それぞれがもつ成分がひとつも重ならず、その効果を補い合うよう厳選した、というこだわりぶり。どこか中毒性のある使用感も特徴的」(齋藤さん)。植物×麴による発酵から生まれた万能化粧液は、あらゆる人のそのときの肌トラブルに応え、肌のなめらかさやハリ感、ツヤ、明るさなど、美肌に必要な要素すべてにアプローチ。160㎖ ¥13,000
クレ・ド・ポー ボーテ セラム リッサーリッズS
「ミゾが膨らむ実感! しわ改善美容液の激戦をリード」
齋藤 薫さん
「さまざまなしわ改善成分が出てきても、やはりレチノールの安心感と効果実感は揺らがない」(齋藤さん)。表皮にしなやかさを与え、真皮のヒアルロン酸産生やコラーゲン繊維の強化、自己再生力の改善など多角的なアプローチで、深く刻まれたしわも改善。高濃度の純粋レチノールと、4つの最先端美容医療テクノロジーの融合が頼もしい。20g(医薬部部外品)¥30,000
肌と体や脳とのかかわりを追究してエイジングケア美容液が進化!
齋藤 特に大人の肌にうれしい美容液が豊作だった今年下半期。目新しい成分とかテクスチャーのおもしろさに頼るのじゃなく、各社が独自の『理論』で勝負するものを出してきたのは、再び王道のエイジングケアの時代がきた!という意味で象徴的でしたね。それも肌そのものが主体で、肌の力を見直すとか、生体本来の働きをテーマにしたものが多かったのが、今期の大きな流れ。
倉田 そうですね。例えば注目を集めたランコムの「ジェニフィック アドバンストN」。あれは『美肌菌』というキーワードがキャッチーでした。当初は肌の奥の奥にアプローチしていたのが、進化を重ねて今回は常在菌という、肌の表面にあるものに着目したのがまさに今っぽい。腸内細菌のバランスが免疫力など人の健康に大きくかかわっているのと同じように、肌の常在菌も体内のさまざまな機能にまで影響を及ぼしている可能性があるんですって。この先も常在菌をはじめ、菌のバランスはスキンケアでも重要なテーマになるかも。
齋藤 ジェニフィック以外にも、今期は『洗顔後すぐ』の美容液に、ちゃんと『効かせる』気概を感じるものが多かった。クレ・ド・ポーの「ル・セラム」もそうね。
倉田 「ル・セラム」は、使ったあとの肌を10倍鏡でじっくりと見てみたら、キメが明らかに整っていてびっくり!
齋藤 10倍鏡!? それもすごい(笑)。確かに肌がすぐに膨らむ実感があるし、ローションの入り方も変わるのよね。この秋はしわ改善美容液もたくさん出たけれど、クレ・ド・ポーの「セラムリッサーリッズS」は一番高額だけれど即効性もあり、一歩リードしていたかな。ちなみにクレ・ド・ポーは『肌にも知性がある』ことをテーマにしていて、やはり肌そのものがもつ力に着目しているブランド。要は肌がもつ能力をちゃんと機能させられる肌は老けない、ということで、理論としての説得力はあると思うの。
倉田 『好奇心』に着目したポーラの「B.A グランラグゼⅢ」も考え方としておもしろいなと思いました。好奇心をもっていきいきとしている人は若い、ということにはなんとなく誰もが気づいていたでしょ?
齋藤 でもその「なんとなく」を、科学的に解明して、化粧品に落とし込んだのは画期的。弾力のある肌に触れると好奇心がわいて、好奇心をもった人の肌は老けないという良循環に導くというのは、不思議でもあるけれど、脳と肌には、やはり間違いなく関係があるんでしょうね。
倉田 実際、脳科学者の先生によると、脳の好奇心にかかわる部位をよく使っている人の脳は、若いんですって!
古来認められた力を見直しつつ誰も見たことのない肌の未来へ
齋藤 話は戻るけれど、エイジングケアにかかわる『菌』の働きといえば、発酵はやっぱり本当に侮(あなど)れない。その今期の代表格がアルビオンの「フローラドリップ」かしら。自社栽培した植物の選び方から計算しつくし、さらにそれらの有用成分の数を、あらかじめ計画された発酵によって、果てしない掛け算のように増やすなんて。
倉田 今、どこも効率化を図る中で、わざわざ秋田県白神山地のふもとに研究所をつくり、肌により効果を出すための植物を育て、独自の研究を進める。どこか時代に逆行するような取り組みも、古くて新しいですよね。
齋藤 確かにあの姿勢は称賛に価すると思う。そしてどんなに世の中が進化しても、植物はやっぱり驚くほど生体としてよくできていて、その新たな力を引き出したのは発酵。古くからあるものは長く使えて、未来にもつながっていくんですよね。
倉田 基本を見つめ直すといえば、人の体をつくるタンパク質の研究も。ヒトゲノムの解析も一段落して、これからは『タンパク質の解析が要注目』とは聞いていたけど、ここ数年で確かにタンパク質の「質」に目が向けられることが増えてきた。その中でも『タンパク質の循環』に着目したのが、エストの「GPサイクルセラムケア」。人間の体に必要なタンパク質は、食事でとるよりも体内にあるものをリサイクルしているほうが多いんですよね。それを生かすという方向性は最新だし、納得できました。
齋藤 この製品は、お手入れの3ステップがすべて美容液というのも、お決まりのケアに飽きてきたところに響きましたよね。それぞれに効果感もきちんと出すし。ちなみにエストが12月から打ち出す「バイオミメシス ライン」というのはもう未来のコスメ。新たに開発され、そこに採用された繊維の技術は計り知れない可能性を秘めていて、マークしておいて損はないと思う。
倉田 エストの本体の花王はさまざまなカテゴリーの製品をつくっていて、その技術を化粧品にも生かせるのが強みですね。
齋藤 エクラ世代は化粧品の進化に悠々と間に合って、肌の未来は明るい、と断言!
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