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見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑤「椿の花咲く頃」

本誌でおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ第5回は、'19年下半期のナンバーワンドラマとの呼び声も高い、こちらの作品。コメディ、サスペンス、ヒューマン、ロマンス……と、さまざまな要素が複雑に絡まる、まさに“今どき”の韓流ドラマを堪能あれ!
椿の花咲く頃

キーワードは「椿」。テーマは「愛」と「絆」。

椿の花言葉をご存知ですか? 花の色によっても多少異なるみたいですが、概ね「控えめな愛」「私は常にあなたを愛します」「完全な愛」…などなど愛にまつわるものが多いようです。年齢を重ねてくると、愛という言葉を真正面に口にするのは、恥ずかしさもあってなんだかちょっと抵抗を感じてしまうのですが、あなたはいかが? 

「絆」という言葉にも同様の響きがありますが、年齢と経験を重ねて、いろんなことが自分の中でパズルのように組み合わさり、解き明かされていくようになると、実態のないものだからこそ余計にそうひねくれてしまうのかもしれません。そもそも、そんなものあるの?ってね。人間関係に疲れて帰ってきた日なんて、なおさらです。
で、このドラマは、椿(韓国語ではドンベク)という名の、でも、花言葉とは真逆の、常に不運に見舞われながら愛情薄き生活を送ってきた女性の物語。と書くと、なんだかど〜んと暗く重い韓国ドラマを想像しそうですが、仕立ては洒脱なコメディタッチ、サスペンスの要素が巧みに組み合わされたエンタメ性高いロマンス&ヒューマンドラマで、実は、昨年の下半期に観た韓国ドラマの中で私が最も夢中になったのがこの作品。もちろん、そのテーマは「愛」と「絆」。
椿の花咲く頃
舞台となるのは、オンサンという小さな田舎町(実際には存在しない架空の町ですが、ロケ地は釜山の近くにある昔日本人が多く住んでいたところなのだそう。ノスタルジックな町並みが私たち世代にどこか懐かしく、それだけでも親近感バリバリ)。ここに、シングルマザーのドンベク(コン・ヒョジン)が引っ越してきたところから物語が始まります。

幼い頃は母親に、成人しては最愛の恋人に捨てられ、ひとり産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちで店は大繁盛するものの、ドンベクに対する女たちからの風当たりは当然きつく、あからさまにのけものにされたり、さんざ嫌味を言われたり。でも、母親から捨てられたという過去を持つドンベクは、自分に自信がもてず、女性陣に言われるがままいつも口ごもってばかり…。

椿の花咲く頃

私たちが待ち望んでいたのは、実はこんなヒーローだったのかも……

そんなドンベクの前にひとりのヒーローがあらわれます。この町出身の警察官ヨンシク(カン・ハヌル)。ソウル勤務だったヨンシクは、問題を起こしてオンサンの派出所に左遷されてくるのですが、実は捜査勘に優れる正義感バリバリの直球型青年。町でふと見かけたドンベクに一目惚れし、猪突猛進にドンベクへのひたむきな好意を示すようになるのです。そんなある日、ヨンシクはカメリアの店の壁に不穏な落書きを見つけて…。

ドラマでは、カブリと呼ばれる姿なき連続殺人鬼の不気味な影をところどころに忍ばせながら、主人公ドンベクとヨンシクのロマンスを中心に、町の人々をめぐるさまざまな愛と絆が、娘の、母の、息子の、父の、夫婦の、男女の、それぞれの立場で、時にユーモラスに、時にじ〜んと切なく、丁寧に繊細に描き出されていきます。

なかでも、周囲の目線や偏見をものともせず、ただひたすら“好き”という気持ちだけで突き進むヨンシクの愛の形は、女性ならば誰しも共感するところ。完全無欠の王子様でも大金持ちの御曹司でもなく、ただの平凡な警察官。でも、この真っ直ぐで温かな想いこそが実は私たちが待ち望んでいたヒーローだったのかもしれない、とマジで思わせてくれるのです。

そして、その一途な想いが、ドンベクを変え、ドンベクの想いが、また、人のココロを変えていく。特別な力を持たずとも、想いさえあれば、人は人の奇跡になれる、というこれはそんな物語。つい、いろいろと裏読みしては疲れてしまいがちな大人のひねくれ心もじんわりほんわりほぐしてくれる湯たんぽみたいな優しい温かさ。愛と絆っていいものね、なんて久しぶりに心素直にさせてくれる名作です。
椿の花咲く頃

主演は、視聴率女王とも称される韓国の大人気女優、コン・ヒョジン

主演のドンベクを演じるのはコン・ヒョジン。ラブコメの女王とも高視聴率女王とも称される韓国でも大人気の女優さんで、決して正統派美人ではないけれど、モデル出身なだけあってスタイルもよく、笑うと三日月型になる目もとがとってもキュート。ドンベクが“超美人”という設定なため、そこに違和感を感じるという韓流仲間もおりましたが、一見つかみどころのない不遇まみれのシングルマザーという難役を軽やかな自然体で圧倒的リアルな存在として描き出す演技力はやっぱり彼女ならでは(ちなみにKBSの2019年の演技大賞を受賞)。

一方、ドンベクに一途に愛を注ぐヨンシクには、除隊後初のドラマ出演として注目を浴びたカン・ハヌル。これまでもさまざまなキャラクターを演じ分けてきた実力派ですが、どちらかといえば知的でクールな印象が強かった彼が、ちょっと田舎臭い警察官を好感度高く演じていて、私の周囲ではハヌル・ペン(ファン)が急増中。豊かな表現力で、終盤にいくにつれ、どんどんどんどん魅力を増幅させていく姿には、やっぱり惚れずにはいられません。脇を固める俳優陣も芸達者揃い。一癖も二癖もある町のさまざまなキャラクターを愛すべき存在として、魅力たっぷりに描き出すパワフルさがスゴイ。
椿の花咲く頃
もちろん、最後までぐっと心をひきつけて飽きさせない脚本力と演出力も言うまでもなくすばらしく、ドラマ序盤で散りばめられた複雑な伏線が、回を追うごとにそれぞれ引き合うようにひとつにまとまっていく緻密な構成(捨てシーン、捨て伏線がひとつもない!)も、細胞のひとつひとつに刻みつけたくなる心に響くセリフの数々も、ともすると臭くなりそうな場面を寸でのところでさらりと軽やかにかわしていくセンスあふれる痛快さも、ハートウォーミングな物語を連続殺人という緊張感でピリッと引き締める抜群の味付けも、どれも秀逸。

ちょっと心が荒んできたなと感じたら、ぜひ、このドラマで、心のクリーニングを。シルクのような優しく柔らかな風合いがふわっと蘇ること請け合いです。椿の花言葉を胸にかみしめながら、1話1話、どうぞじっくり味わってくださいませ。
椿の花咲く頃

その言葉、気になる! ドラマのハングル・ワンポイントレッスン

【좋아한다 진짜 좋아한다】(チョアハンダ チンチャ チョアハンダ)「好きだ、本当に好きだ」

このセリフ、もうおわかりですね。そう、直球青年ヨンシクのセリフです。ひと目をはばからずドンベクに好意を示すヨンシクですが、周囲の視線を気にするドンベクは、町の人々にこれ以上陰口を言われるのは嫌だと2人で人目の多い場所を歩くのを拒みます。その気持ち、確かにわかります。でも、そんなドンベクに「男女が裏でコソコソしていたら噂の的になるけれど、みんなに公然と『好きだ、本当に好きだ、僕はドンベクさんのことが好きで、彼女は僕の誇りなんだ』と自分の気持ちを表せば、誰も陰口をたたかない」と訴えるのです。じ〜ん。前半の胸キュンシーンのひとつです。

 愛情を示すハングルとして日本では「사랑해요 (サランヘヨ)」(愛しています)がなじみ深いですよね。でも、日本の日常では「愛しています」という言葉はめったには使わない。そこで、このセリフ。「좋아한다 진짜 좋아한다 (チョアハンダ チンチャ チョアハンダ)」は「好きだ、本当に好きだ」の意味。

「좋아한다」(好きだ)の原形は「좋아하다(チョアハダ)」で「好きだ、好む」という動詞になります。で、「好きです」なら「좋아해요(チョアヘヨ)」。日本ではむしろこちらのほうが現実的。「私はあなたが好きです」だったら「나는 너를 좋아해요(ナヌン ノルル チョアヘヨ)」となるわけです。私の人生でもう一度告白するシーンに恵まれたら、ぜひ、こちらのセリフを使ってみたいとたくらんではいるのですが、なかなか機会には恵まれません。残念ながら。

間に挟まれている「진짜(チンチャ)」は日本語の「本当」「マジ」にあたる言葉。ちょっと口に出して言ってみてください。響きが可愛いと思いません? 語尾を上げて「?」をつければ、「本当?」「マジ?」の意味。もし、男子に「나는 너를 좋아해요(ナヌン ノルル チョアヘヨ)」と告白されたら、「진짜(チンチャ)?」と聞き返してください。ドラマと同じ胸キュンセリフが返ってくるかもしれませんから。ドラマで登場するのは4話。ぜひ、お聴き逃しなく。
椿の花咲く頃
山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

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