アラフィーは「死亡保険」卒業の選択肢も!【アラフィー・保険の見直し】

実はアラフィーは、保険を見直すちょうどいい時期。上手に見直せばムダな出費がなくなってお金にゆとりができるようになるはず。ファイナンシャルプランナーの清水さん曰く、アラフィーなら「死亡保険」卒業を視野に入れるのもひとつの手とのこと。その理由と具体的な見直し方法をSTEPごとに順を追って解説。

教えてくれたのは…

ファイナンシャルプランナー 清水 香さん

ファイナンシャルプランナー 清水 香さん

FP&社会福祉事務所OfficeShimizu代表、生活設計塾クルー取締役。社会福祉士。著書に『どんな災害でもお金とくらしを守る』(小学館クリエイティブ)ほか。

『死亡保険』

アラフィーならそろそろ卒業の選択肢も!

生計維持者が亡くなって困る人はいますか?

一家の大黒柱に万が一のことがあったら……、収入がなくなってしまう事態に。

「とはいえ『その収入がなくなって困る人はいるかな』と考えてみてください。独身のかたや子供がいない夫婦、子供がすでに大きい家庭なら、困る人がいないかもしれません。それなら、死亡保障はそもそも不要です」。

万が一の際の公的保障としては、働き方に応じて2種類の“遺族年金”が。

「遺族基礎年金は、18歳までの子供がいれば誰もがもらえます(下図)。会社員はさらに遺族厚生年金がもらえるので手厚いんです」

アラフィーになると子供が高校生以上になる人も多く、教育費の支払いのメドがついてくる時期。「万が一に備える大きなお金の準備は不要という場合も。保障を小さくするか、やめるのも手です」。
遺族基礎年金

【STEP1】「遺族年金制度」を知る

国の年金制度により、生計維持者が亡くなったときに私たちがもらえるのが遺族年金。「ただし、遺族基礎年金をもらえるのは、18歳までの子供、もしくは18歳までの子供がいる配偶者です。自営業は遺族基礎年金のみなので、下の子供が19歳以上だともらえないことを頭に入れておいて。会社員には加えて遺族厚生年金があり、遺族厚生年金は子供の有無にかかわらず要件を満たせばもらえるので死亡時の保障は厚めです」

【STEP2】会社員なら、ほかにも手厚い制度あり

会社員なら、さらに手厚い保障が。「上図のようにずっともらえる遺族厚生年金に加え、夫が亡くなったときに子供のいない40歳以上の妻に上乗せされる『中高齢寡婦加算』もあり。さらに勤務先からの退職金や、労働組合などから弔慰金などが出る場合も。勤務先の制度を調べておいて」。要注意なのが、共働きの場合。「会社員の妻が死亡した場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金が出ますが、いずれも子供が18歳まででストップ。保険も要検討です」。
死亡保険を見直す

【STEP3】公的保障や勤務先の制度を踏まえ、さあ、見直してみよう!

《公的制度と貯蓄でカバーできそう、または、子供がいない/子供が独立した人》

「保険を卒業」 という選択肢も

「貯蓄が足りている人はもちろんですが、大きな教育費がかかるような子供がいない家庭であれば、死亡保障の必要性は低い。毎月かかっていた保険料が、別のことに使えるようになります」

《共働きで妻も家計の多くを支えている人》

(妻の)定期保険や収入保障保険

「夫の保険ばかりを考えがちですが、共働きなら、妻に万が一のことがあった際に、妻の収入がなくなるだけでなく、夫が受け取れる公的給付が少ないケースもありダブルパンチに。妻の死亡保険も検討して」

《貯蓄が少なく、夫が自営業の人》

《子供はいないが夫・妻にお金を残したい人》

定期保険や収入保障保険

「自営業は厚生年金がなく、基礎年金のみなので、いざというときの遺族年金が会社員に比べて薄め。貯蓄が足りなければ、子供の教育費がかからなくなる時期までの間、死亡保険の検討を。また、子供がいない会社員で、万が一の際に遺(のこ)されたパートナーの生活費が足りなければ、保険を検討してみて。いずれもその際、終身保険に比べて、定期保険や収入保障保険なら、毎月の保険料が割安に抑えられます」

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