【お墓どうする?】50代の注目度が高い「海洋散骨」はセレモニー要素大!

そろそろ考え始めなければいけない、お墓のこと。しかし、「お墓はいらない」という人も多く、そんな方々から支持を集めているのが「海洋散骨」だといいます。一口に散骨といってもどのような方法があるのか。専門家が詳しく解説します。
教えてくれたのは…

シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん

第一生命経済研究所を経て、’19年から現職。著書に『お墓どうしたら?事典』(つちや書店)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など。

鎌倉新書「いいお墓」担当 藤田吉雄さん

お墓の基礎知識から全国の墓地情報まで提供する、日本最大級のお墓検索サイト「いいお墓」(https://www.e-ohaka.com)担当。

「お墓はいらない」という人からの支持率高し

 エクラ読者からも希望が多かったのが、パウダー状に砕いた遺骨をまく「散骨」。陸地の場合、許可された場所に限定されるため、「海洋散骨」がポピュラーだ(海洋散骨のガイドラインを制定している自治体もある)。

海洋散骨

「お墓はいらないという人に人気がありますが、実際は、墓じまいの方法として選ぶ場合以外は、遺骨の一部は残しておき、手元供養や納骨堂に納めるケースが多いようです。後日参拝したいと思っても、遺骨がないと、どこに手を合わせればよいかわからなくなってしまいますから。お墓は、いわば遺(のこ)された人のためのもの。自分の死後散骨を希望する場合も、家族の意見には耳を傾けていただきたいですね」(小谷さん)
 

海洋散骨の主な方法は、業者に遺骨を預けて散骨してもらう「代行散骨」、複数の遺族が同乗して行う「合同散骨」、ひと家族で船をチャーターする「チャーター散骨」の3つ。

「チャーター散骨は、散骨場所に着くまでに喪主のスピーチがあったり、同乗者が水に溶ける紙に手紙を書いて散骨時に一緒に流すなど、セレモニーも可能。法要クルーズなどもあり、新しい弔い方として認識されつつあります」(藤田さん)

海洋散骨
海洋散骨

東京湾を中心に全国の海で海洋散骨プランを実施する「ブルーオーシャンセレモニー」(blueoceanceremony.jp

<メリット>

●承継者が不要

●費用が抑えられる。業者に代行散骨してもらう場合などは数万円で済むことも

●年間管理料など、お墓の維持費がかからない

●お別れの儀式など、セレモニーも同時に行える

<デメリット>

●手元供養などとの組み合わせで、分骨して一部残すのではなく、全骨の海洋散骨を選択した場合、遺骨が残らない

●天候や波の状態によっては船を出すことができない

●船酔いの心配がある

<価格帯>

8万円程度〜

粉骨のみだと3万円程度から。他者と乗り合いになるか、親族でチャーターするかのほか、オプションの有無や内容によっても異なるため、上限額の目安はなし。

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