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モネの絵に思う、色々のこと。

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金と銅色が美しく輝き、木の影がさっと斜めに入る時間帯。「いやあ、九段下交番は夏の夕方4時台に限りますなあ〜」という方がきっと世の中に何人かはいらっしゃるはず。

印象派のモネの連作もそのような光の効果を追ったものでありまして、『エクラ』9月号では、ポーラ美術館の『睡蓮の池』と、現在、上野で展示中のロンドン・ナショナル・ギャラリーの『睡蓮の池』などを比べております。

『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』(〜10/18、入場は日時指定予約制、国立西洋美術館)には、もうひとつ睡蓮が登場する作品がありました。それが写真3枚目。オランダ風景画の名手、ロイスダールの『城の廃墟と教会のある風景』です。

全図からすれば、インチキみたいな部分拡大(※城壁が池に映るあたり)。しかし、モネの睡蓮の連作も、視野のごく一部を切り出すようにして描かれていることを忘れてはなりません。

モネが誇った水の庭も、そのまま絵にすると余計なものだらけ。描く対象を限定し、それを大きく描くことであの瞑想的な画面に至り、そこからオランジュリーの大装飾画へと発展させることができたのだろうと思います。


モネというと、「知ってる」「見飽きた」「どれも同じで退屈」と思いがちですが、見比べるとなかなかどうして奥が深いです。

誌面では、あくまで「見たままに徹したモネ」という視点で紹介しました。絵に取り掛かる前には庭師に余計な水草などの掃除をしてもらい、睡蓮の配置も整えさせたといいますし、池の前に座りってつぶさに観察を続けた印象派の画家らしい姿を想像するのは容易です。

しかし、シビアな時間帯ならば、「今の感じ、すごくいい!」と思った5分後には光は変わってしまいます(特に日の出、日の入りの頃)。見たままに徹しようとすればするほど、油彩で描き止めるのは不可能。さらに言えば、「ひとつのモチーフの多様な有り様を描き分ける」には、誇張の必要も出て来るはずです。同構図の絵をいくつも並べる展覧会をアトリエでシミュレーションしたならば、その段階での「調整」の可能性も……。

今回しげしげとモネの絵を見つめたことで、そんな気持ちを強くしました。しかし、結論を出すには、まだまだたくさんの絵を見直さなければなりません。とりあえず最初の目的地はもう決まっています。誌面で紹介した2点の『睡蓮』と(ほぼ)同構図の作品が大原美術館にあるので、そちらから。

こんな暢気な目的の旅に、ふらっと出かけられる日がまた来るといいですね。何でもかんでもリモートで、とはいかないものです。
(編集B ※3月の内覧会で撮影)

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