「私の国」の主演俳優ヤン・セジョンさんインタビュー【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ番外編①】

雑誌エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子の連載「見ればキレイになる⁉韓流ナビ」第10回でご紹介したドラマ「私の国」。このドラマの主人公、ソ・フィを演じた、若手注目株の俳優、ヤン・セジョンさんのインタビューがソウルから届きました!
ヤンセジョン
 ヤン・セジョンのデビュー作は、「浪漫ドクター キム・サブ」という、名優ハン・ソッキュ主演の医療ドラマで(シーズン2も製作された、私も大好きなドラマのひとつです)、主人公の敵役の息子で医師という若手では二番手役ながら、そのイケメンぶりに少ない出番にも関わらず多くの注目を集め、2017年放送の「愛の温度」では、恋に臆病な年上ヒロインを一途に思い続けるイケメンシェフを演じ、二番手から主人公へと躍進。私のまわりでも、情熱的で優しく頼もしいその年下男子っぷりにメロメロにとろけきった“かなりな年上女子”が続出したほど。

 その彼が初めて時代劇に挑戦したということで話題になったのが「私の国」。彼が演じるソ・フィは、身体の弱い妹を抱える貧しい暮らしのなかで、新たな国に自分の理想の暮らしを夢見て武官を目指すという青年。馬を駆り弓や剣を使いこなし命がけで戦闘に身を投じる、これまでにないワイルドな役柄にあわせて、1年以上もかけて伸ばしたという長髪姿も、放送前からかなりの話題に。

ヤンセジョン
――ソ・フィの役づくりにおいて、どんな準備をしましたか?

これまでの作品でもそうだったように、まずは台本に集中しました。それから僕だけでなく、共演する先輩方、それからドファン(共演のウ・ドファンのこと)をはじめとした同年代の俳優みんなと一緒に、撮影が始まる前に3カ月ほどアクションスクールと乗馬の練習に通っていました。台本を読み込みながら、稽古をしました。
――滝のシーンなどでたくましい体つきを披露されましたが、体を鍛えるトレーニングはしましたか?

暇さえあればドファンと一緒に常に運動をしていました。あの水中シーンを撮った日は、ドファンと一緒にしっかり(筋肉)運動をして、パンピングをしてから撮影に臨んだことを覚えています。
――アクションスクールに通われたとのことですが、実際の実力は?

えーっと(照れ笑い)、今はわかりませんが……撮影が後半部に進むにつれて、実際に自分が当てたいと思う的に矢を当てられるようになりました。カメラのアングル的に映像には写っていませんが、ドファンも僕も「ここに当てたい!」という部分を狙うと、何度か失敗はありましたが、ほとんど当てることができていたように思います。

私の国のヤン・セジョン
――感情を表現するシーンもたくさんありました。感情は前もって作るタイプですか? それともその場で感じることを大切にするタイプですか?

それはどちらもあるように思います。まずは脚本家さんが書いた登場人物の感情というものがありますよね。そして、その感情は撮影を重ねるたび、(俳優の心の中にも)自然に情緒として折り重なっていきます。その感情が折り重なった状態で共演者の俳優たちと会ったとき、これはヤン・セジョンとウ・ドファン、あるいはヤン・セジョンとチャン・ヒョク先輩(イ・バンウォン役)としてではなく、劇中の登場人物として会うわけです。ですから、答えはあらかじめ決まっているわけではなく、撮影現場で発生する相手役からの刺激、リアクションによって、感情表現というものは変わっていくものだと思います。
――ソ・フィの性格面などについて魅力を感じた部分は?

妥協しないところ。道理に合わないことに対して、決して妥協しないというところが魅力だと思いました。見る人によっては「融通がきかないな」と感じられたりもするとは思いますが、現実に妥協せず、自らの信念に従って、妹や守らなければならないこと、父から学んだこと、そうしたものをたゆまず押し出していく力、それが魅力的だったと思います。
――ソ・フィはとても大変な役だったと思いますが、今回の役を通して変化はありましたか?

2020年は周囲の方々に恩返しをする一年にしたいと思うようになりました。フィという役を演じて、終わってみると、そんなふうに恩返しをしていきたいという欲求が芽生えました。フィが僕に与えてくれた贈り物です。
――このドラマで一番見てほしいおすすめのシーンを教えてください。

おすすめしたいシーンというよりも、フィ、ソノ、ヨン(ソ・フィの妹)、ヒジェ、イ・バンウォン、ムンボク(ソ・フィの盟友)、ジョンボム(同)、チド(同)。それぞれが事情を抱えています。ですから、「どれか一か所に集中して見てください」というのではなく、それぞれが抱えている深いエピソードを楽しくご覧いただけると思います。
ヤンセジョン
――親友でありライバルのソヌ役だったウ・ドファンさんと共演して、どのように感じましたか? また、共演中のエピソードを教えてください。

ドファン!(にっこり)。とてもジェントルマンで、本当に自己管理が上手です。撮影の間、ずっと楽しかったです。一度もぶつかったことはありません。もめごとなども一切ありませんでした。目を見るだけで自然に演技ができましたし、お互いにいいアイディアを思いついたら共有して、そんなふうに撮影をしていたら、いつの間にか撮影が終わっていたという感じです。
――カリスマ的な独裁者イ・バンウォン役だったチャン・ヒョクさんと共演して、どのように感じましたか? また、共演中のエピソードを教えてください。

チャン・ヒョク先輩からたくさんのことを学びました。演技をするときはとても楽しかったです。僕はこの作品で、何かを定めたうえで演じるということはしませんでした。これまで僕がやってきた作品の中でも、何かを決めておいて演技をすべきだと思ったことはありません。撮影現場に行って、相手役からもたらされたものを受け取り、刺激を感じたらリアクションをして、また、僕が刺激をもたらして……それもまたアンサンブルだと考えています。

ですから、チャン・ヒョク先輩と演技をするときはいつも楽しかったです。何がどんなふうに飛んでくるかわからないんです(笑)。飛んできたものをまっすぐ打ち返すこともあれば、ななめに打ち返すこともあったり、遠まわしに打ち返したり。そんなふうに演技をしていました。見つめ合ってリアクションをして、まさに“応酬”でした。その応酬が本当に重要なものだと思います。チャン・ヒョク先輩との共演は本当に楽しかったです。
――撮影現場の全体的な雰囲気は?

撮影現場の全体的な雰囲気は、まさに嘘偽りなくスタッフと俳優の全員がみんな通じ合っていました。事故も事件も一切なく、楽しく幸せに撮影をしました。それからエピソードを一つお話しすると、馬にも俳優との相性があるんです。ちょっといたずらっぽい性格の馬は、いたずらっぽい性格の俳優と相性がよかったりとか(笑)。それぞれの性格に合う馬というのがいて、僕も気の合う馬に出会えましたし、チ・スンヒョン兄さん(パク・チド役)たちも出会えて。それからチャン・ヒョク先輩は本当に乗馬がお上手です! そういう思い出があります。
私の国のヤンセジョン
――ところで、ワインがお好きだそうですが、赤と白どちらが好きですか? また、どんな味が好みですか?

僕は赤ワインのほうが好きです。フランスのワインについて詳しくなりたいのですが、ちょっと中断しているところなんです。すごく幅広くて。だから最近は以前と同じく、アメリカのワインを好んで飲んでいます。オーク樽の香りがするワインが好きです。撮影が終わってから一度飲みました。
――「私の国」はまた一段と役者としての幅が広がる作品になったと思います。今後はどのような役にチャレンジしてみたいですか?

制限を設けないようにしています。なぜなら僕がどれだけ長く生きたとしても――神様だけがご存じのことですが――たとえば80歳まで生きると仮定しても、この世の中には数多くの職業と数多くの人々がいますよね? その役を死ぬ前にすべて演じきることはできないので、制限は設けていません。こんな役がやりたい、あんな役がやりたい、そういうふうに限定はしていません。ただ、台本を読んだときに「あ、心臓が高鳴り始めたぞ」「来た……! これだ!」、こういう感覚は確実に今もあります。「私の国」もそうでした。心臓が高鳴りました。
――「私の国」をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。

「私の国」を愛してくださっているみなさん! 心からお礼を申し上げます。スタッフのみなさん、先輩俳優のみなさん、同年代の俳優のみんなで一緒にベストを尽くして撮影した作品です。たくさんの愛を注いでいただき、本当に感謝しています。ありがとうございます。
※この記事は2019年12月に韓国・ソウルで行われた合同取材をもとに作成しています。
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山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

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